にこにこ丸山カフェでの介護者ニーズの新たな発見2020年01月27日

 認知症カフェ・にこにこ丸山カフェに出かけた。いつもの常連さんたちの顔ぶれで賑わっていた。参加者の多くはおひとりが認知症や障害を抱えた高齢のご夫婦である。
 同じテーブルを囲んだお二人もご主人が軽度の認知症の面識のある方たちだった。以前懇談した時に、おかざきクリニックに通院していたが休業になって困っているという話を聞いていた。早速、2月3日にクリニックが再開するという情報を提供した。
 認知症のご主人のそばで奥さんから介護に関わる苦労や丸山カフェについての期待などが伝えられた。周囲にご近所さんのいない孤立した立地のお住いである。それだけに日常の過し方の役立つ情報が欲しいとのこと。丸山カフェは介護の息抜きだけでなくそうした情報収集の場でもあるとのこと。介護者ならではのニーズを聞いた。

にこにこ丸山カフェ、一周年記念の盛況2019年12月22日

 山口地区の認知症カフェ・にこにこマルヤマカフェが一周年を迎えた。その記念すべきカフェを訪ねた。予想外の来場者の熱気に包まれた。最終的に一般参加者27名、ボランティア12名、専門職10名の49名もの参加者という大盛況のカフェだった。
 認知症当事者とその家族の常連さんだけでなく初めての顔ぶれも多い。福祉ネット顧問の初めての来訪姿があった。地区社協役員の女性二人の初参加もあった。口コミで関心を持って参加された初めてみる地域住民の方もある。1年を経て丸山カフェは着実に広がり、定着している。
 テーブルにはいつにない華やかな装飾が潤いを添えている。ボランティアスタッフの女性陣の手づくりアクセサリーである。丸山カフェの強みである毎回工夫を凝らした会場演出を支えているのはこの女性陣の賜物である。施設専門職の支援も定着した。今回はセントポーリアの音楽療法士3名のクリスマスイベント用の演奏だった。クリスマスソングを中心に前半20分と最後の20分の大いに会場を湧かせた演奏だった。合間には6名の会場参加者の飛び入りのハンドベルも加わった。
 丸山カフェの特筆事項は山口の新旧両地区の枠を超えたオール山口の取組みという点である。ボランティアスタッフも新旧両地区が相半ばする。その効果もあって通常は参加の少ない旧地区からの利用者も多い。北部地区唯一の認知症カフェが山口全体の認知症取組みの拠点としての役割を担っている。

地域の認知症トラブルの処方箋2019年12月21日

 民生委員の担当地区の高齢のご婦人から電話を頂いた。仲の良かった同年輩の友人女性とのトアブルの相談だった。「眼鏡がなくなったが、あなたが盗ったのではないか」と突然告げられた。全く身に覚えのないことだったが、仲違いしたくなかったのでやんわりと否定した。その後ご本人は老人会の様々な場で知人たちに言いふらしているようだ。全く心外でいたたまれない。どうしたらよいかということだった。
 すぐに友人女性の認知症の典型的なもの盗られ妄想だと思った。聞いてみると以前から不審な言動が見受けられ思い当たる節があったようだ。ご本人の意思でそう言っているのでなく認知症の症状として受け止めてあげてほしいと話すと、「私は理解できても老人会の皆はそうは思ってくれないのではないか。一度「いこいの家」に来てもらって他の人にも話してほしい」と要望された。
 電話を頂いた方と老人会の男性会長と女性副会長の四人で「いこいの家」でお話しした。異口同音に友人女性が認知症気味だったことを承知しており、誰も彼女の不審な発言を信じていないと告げられた。とはいえ老人会での認知症についての理解が不足していることは否めない。できれば会員の集まる場で民生委員から基礎的な話をしてほしいということになった。1月初旬には会員親睦の新年会がある。そこで基礎的な話ができる場を持ってもらえることになった。

若年性認知症と社会的孤立2019年12月02日

 地域で初めて若年性認知症の当事者と接触を持つ機会があった。街角で自分の自宅への帰り道が分からなくなった方だ。「私は若年性認知症なんですが、自宅へ帰るの道が分からなくなりました。助けてもらえませんか?」と自宅の住所番地を告げて積極的に助けを求められたことが幸いだった。夜7時半頃の会議前だったので、ご自宅に送り届けてすぐにお別れした。
 民生委員の担当地区内の方だった。高齢者宅ではないのでお訪ねしたことはなく、いわんや若年性認知症の方がいらっしゃることも知らなかった。翌日夕方、認知症サポートべんり帳を持参してその方のお宅を訪ねた。奥さんとお話しできたがどちらかといえばそっとしておいてほしいという感じの雰囲気が感じられた。ご近所さんや地域にオープンにしたくないという気持が窺えた。
 市社協の小地域福祉活動研修会で地域の社会的孤立の方の繋がりをテーマに話し合った。孤立化しやすい若年性認知症の当事者家族の存在に思い至った。地域に認知症を知られたくないのが一般的である。まして若年であればなおさらだろう。若年だけに民生委員の定期的な高齢者訪問の対象外でもある。
 どのような対応が可能だろうか。認知症はごく普通の症状であることを共有理解しながら地域ぐるみで受け止める環境を整えるしかない。併せてご家族に抱え込まず可能な限り地域にオープンにしてもらえるよう広報することが必要ではないか。地区社協、民生委員が連携してそうした対応に努める他ない。

住宅街の文化祭中の認知症サポーター養成講座2019年11月03日

 福祉ネットと自治会の共催による認知症サポーター養成講座を昨年に続き今年も開催した。今年は様々な事情があって予定していた日程を繰り上げて住宅街の文化祭二日目午後の開催となった。
 37名と予想を上回る受講者数だった。総数では昨年より3名多いだけだが昨年は認知症サポートべんり帳への掲載を念頭に地域事業者の受講を呼掛け8名の皆さんに参加頂いた。従って一般住民の参加に限れば11名の参加者増となる。
 今回の講師は同じ住宅街在住のキャラバンメイトで有馬あんしんすこかセンターのケアマネジャー・辻生子さんだった。前半45分はパワーポイントによる認知症の基礎知識の解説だった。冒頭、クイズ形式で幾つかの事象について認知症か老化かの問いかけで始まった。後半45分からは受講者全員参加のワークショップである。事前に打合せた地区社協役員や市社協地区担当4名が台本片手に三つの寸劇を披露する。「晩秋の公園で薄着でミカンを食べるおばあちゃんとご近所さんのやりとり」「見えないものが見える姑さんお嫁さんのやりとり」「道路の真ん中を歩いているおばあちゃんとご近所さんのやりとり」である。
 寸劇を見終えて参加者が3~4人のグループに分かれて意見交換する。寸劇のどれかを選んで、自分ならどのように声掛けや対応をするかが話し合われた。15分ばかりの意見交換後に、グループの発表が求められる。数グループの代表が意欲的に報告された。
 最後に講師から報告についてのコメントと認知症の啓発動画によるまとめがあり、予定を10分ばかりオーバーして講座が終了した。閉会挨拶は講座受講の自治会副会長だった。認知症の地域ぐるみの対応の必要性を痛感したとの期待通りの挨拶だった。

認知症カフェの今後と地区社協の関わり2019年10月25日

 認知症カフェ・にこにこ丸山カフェに参加した。雨天とあって一般参加者は12名と少なめだったが、10回目を数え定着してきている。ボランティアスタッフ中心に役割分担が軌道に乗り運営も安定している。会場正面の白板にはスタッフたちが作成した参加者の寄せ書きや写真を掲載した模造紙の展示があった。女性ならではのきめ細かで思いを込めた演出である。
 代表、2名の副代表、会計が選任され組織的にも固まってきた。会計から相談を受けた。「カフェの1回当たりの収支がマイナス傾向にある。当面は市社協からの立上げ資金の助成で賄えるが長期的には新たな財源手当てが必要になる。地区社協からの助成金は検討可能だろうか」といった内容だった。
 丸山カフェはあんしん窓口と地域内特養4施設の専門職をサポーターにボランティアスタッフ10数名で運営されている。立上げに当たって市社協や地域の二つの地区社協も支援したが、カフェ運営そのものについては直接的な関わはない。とはいえ地域の認知症支援活動への組織的な関わりは十分検討に値する。財源支援の在り方も含めて地区社協としての検討課題である。その旨答えた。

奥さんが認知症になった知人へ2019年10月18日

 知人から奥さんが認知症になったという情報を聞いた。ここ何年かの間に民生委員や地区社協・福祉ネットの活動を通して認知症についての様々な情報を吸収し知識を学び支援に関わった。その結果、人一倍認知症ケアについは詳しいという自負がある。そんなことから知人に私からどんな助言ができるだろうかと思った。専門職や行政機関の立場とは違った地域住民の立場での助言が可能ではないかとも思えた。以下はそんな想いでの知人へのの架空メールである。

 『奥さんが認知症とのこと、不安とご心労をお察しします。私なりの経験から幾つかの情報を提供させて頂きます。
 まずはものわすれ外来等の専門医のいる医療機関での正確な診断が必要です。認知症には大きく分けてアルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症等の4種類があり、それぞれに症状や処方が異なるからです。
 認知症状の確定後は地域包括支援センターで相談して下さい。介護認定の可否や手続、認知症ケア等の必要な情報が得られます。
 他方でご本人の関わりの多いご近所さんや老人会等での認知症発症の情報をオープンにされることをお薦めします。ご本人に不可解な言動がみられる場合、周囲から不審がられたり非難されたりされることで追い詰められ、一層症状を悪化させます。周囲の暖かい包み込む姿勢での前向きな支援が欠かせません。
 ご家族の認知症についての正しい知識や情報の積極的な吸収も必要です。地域の認知症関係の講座や認知症サポーター養成講座にもぜひご参加ください。また認知症カフェでは当事者と介護家族の交流の場でもあり専門職も参加していますのでご本人と一緒にお出かけください。ご本人だけでなく心労の多いご家族にとっても有意義な経験交流ができ同じ境遇の者どうしの励ましと息抜きの場になる筈です。
 以上、既にご承知の事や実施されていることもあるかと思いますが、参考までに情報を提供させて頂きました。』

地区社協役員会の認知症地域支援の議論2019年09月05日

 9月の地区社協役員会があった。従来、報告中心で役員の意見を聞く機会の少なかった役員会である。今期の重点課題のひとつに「意見交換を重視した運営による役員会の活性化」を掲げた。運営方法の見直しもあり、昨年以上に活発な意見が交わされるようになった。
 今回の役員会では「認知症の地域支援」についての活発な議論があった。冒頭、私から一週間前に国道の車道を歩いていた認知症のおばあちゃんを保護した事例を報告した。これを話題にある役員から個別の事例報告にとどめるのでなく地域としての支援の在り方を検討すべきではないかという意見が出された。認知症であることの地域での開示が前提。認知症支援は当事者家族の意向が優先されるべき。家族からの徘徊時の捜索要請があった場合に地域で受け止めるツールや仕組みがあるのか。自治会の一斉メールはペットの捜索依頼は多いが認知症絡みの情報は受けた記憶がない。そもそもそうした一斉メールの発信方法が知らされていない。認知症当事者家族の困り事の対応と合わせて地域の声掛けや認知症カフェの案内等、認知症取組みの全体像を整理して発信する必要がある等々。
 閉会予定の9時を15分ばかりオーバーした熱のこもった役員会だった。

早朝、車道を歩くおばちゃん2019年08月26日

 早朝6時前、いつものウォーキングコースを終えてモーニングコーヒーを目当てにコンビニに向っていた。新明治橋東の国道176号線沿いの歩道を歩いていた時だ。車が行きかう国道のセンターラインに沿ってとぼとぼ歩いているおばあちゃんを見つけた。車の途絶えた間合いに駆け寄り腕を抱えて歩道に連れてきた。
 おばあちゃん、どこに行くの?どこから来たの?お名前は?などを訊ねた。「○○です。カサイの家に帰るところなんです」と、しっかりした受け答えながら内容は明らかにズレている。認知症の懸念が大きいが手荷物は何もなく身許を確かめるすべもない。早朝であり「地域包括」への連絡もできない。110番しかないと判断しスマホから連絡した。応答窓口の若い男性の声に住所・氏名と民生委員の身分を告げて事情を話した。「親切に対応して頂きありがとうございます。スマホの位置情報で場所は分かりますのですぐに警察官を派遣します。しばらくその場でお待ちください」とのこと。丁寧でテキパキした応対ぶりが好印象だった。
 パトカーを待つ間、おばあちゃんとおしゃべりした。1カ月前に認知症声掛け訓練の講座を受講したばかりだ。「驚かせない、急がせない、自尊心を傷つけない」の対応ポイントを念頭に笑顔でお話した。間もなく90歳になる等と正常な話もできるが、毎日職場に出かけて仕事をしている等の日常生活の話はトンチンカンだ。「110番したのでもうすぐ警察官がやってきますから家に連れて行ってもらえるますよ」と話した時、反発されるかと思ったが「それはありがとうございます」との意外に素直な反応だった。以前にも同じような経験があるのかとふと思った。
 15分ほどしてすぐそばのビルの駐車場にパトカーが到着し、二人の警察官が降り立った。おばあちゃんを引き渡した後、ひとりからあらためて住所、氏名、連絡先、発見時の状況等を聞かれ、労いの言葉を掛けられて聴取が終わった。素直にパトカーに収容されたおばあちゃんを見送った。
 帰宅して8時頃にスマホに最寄りの交番から連絡が入り、経過が告げられた。おばあちゃんは私と同じ住宅街在住の方だった。名前と年齢を頼りに検索したところ以前の保護履歴に合致したのでご家族に連絡し送り届けたとのこと。良かった~。初めて認知症の方に遭遇し、声掛け、保護、しかるべき対応を無事に済ませた。それにしてもスマホ持参の散歩が円滑な対応を可能にしたことを実感した。個人的にも貴重な経験だった。

残暑の中の認知症カフェ2019年08月22日

 8月の認知症カフェ・にこにこ丸山カフェが開催された。まだまだ残暑の厳しい中、心配された参加者数だったが、一般参加者17名を数えた。顔馴染みの方も多く常連さんの参加が底堅い。
 毎回、できるだけ新しい方とお話しするようにしている。今回は二組の方と懇談した。一組はカフェ代表の紹介の詩吟サークルの4人のグループだった。学生時代にほんの少し詩吟をかじった。グループの講師の方と詩吟談義を交わした。
 もう一組は私の住宅街の民生委員の担当エリア在住のご夫婦だった。最初、顔と名前が一致せずトンチンカンなトークをしていたが奥さんから民生委員さんのことは主人からよく聞いてますと助け舟を出して頂いた。大病を患った奥さんは今も左半身が不自由でご主人が日常生活をカバーされている。寡黙なご主人に代わって奥さんから近況を教えてもらった。言葉の端々にご主人への感謝の気持ちが伝わる。
 丸山カフェを通して毎回様々な介護の形と夫婦の寄り添いの風景を垣間見た。