新緑のさくらにひっそりと生息する小虫2021年05月12日

 有馬川沿いの土手道を北に向かって歩いていた。初夏を思わせる気温がかすかに肌に汗ばんだ感触を伝えていた。生い茂ったさくら並木の新緑が歩行者の間近に枝を伸ばしていた。
 間近に迫る葉っぱの黄緑色の中にこげ茶色の小さな生き物を見つけた。全長1cmほどの名も知らぬ小虫である。クワガタを思い切り小さくしたような姿で、葉っぱの上でかすかに脚をうごめかせていた。
 ひっそりと生息する小さな生き物になぜか癒されるものがあった。コロナ禍で窒息させられそうな人間社会の息苦しさとは無縁の生き物の世界があった。