ワシも後期高齢者医療制度を考えた ― 2008年06月15日
昨日の消費生活アドバイザー資格更新講座のひとつに「医療制度構造改革の動向」をテーマとする講座があった。講師は医療経営・管理学専門の尾形裕也九州大学教授だった。社会保障審議会医療部会委員でもあり国の医療政策にも関わっている方のようだ。講義の中で「特に後期高齢者医療問題については読売新聞6月11日朝刊の自身のインタビュー記事を読んでもらいたい」とのコメントがあった。
早速、その記事をさがして読んでみた。あらためて今回の医療改革の焦点が理解できた気がした。
日本の医療保険制度は、大企業の健保組合、中小企業従業員の政府管掌健保、自営業者や無職の人の国民健保に別れている。今年3月までは75歳以上の高齢者はそれぞれの医療保険制度に加入したままで制度間で財政調整を行なっていた。
新制度では75歳以上の高齢者を各保険制度から切り離して別建てとし、その財源の1割を高齢者本人の保険料、4割を現役世代の各医療保険制度からの支援金、5割を税で賄うという方式に変えた。
この「別建て方式」の是非が最大の焦点といえそうだ。インタビュー記事では一方で「現行制度のまま放置すれば高齢者や低所得者に偏りがちな国民健保が破綻する。新制度は別建てにすることで高齢者と現役世代の負担ルールを明確化し、高齢者を社会全体で支える仕組みを作るという現実的対応として評価できる」と賛成論を紹介する。他方で昨日の講師である尾形氏の「病気にかかりやすい人も健康な人も幅広く加入することでリスク分散するのが社会保険本来の考え方であり、別建て方式はこれに逸脱している」「社会保険は加入者の相互連帯で支え合う制度であり、別建て方式で現役世代の制度から非加入者の高齢者のための支援金負担が増大すれば世代間対立が先鋭化する懸念がある」との主張を紹介している。
日本の国民医療費の財源構造は保険料49%、税負担36%を患者負担15%と社会保険方式ながら税負担が大きい。そのことが財務省などからの医療費抑制圧力を受けやすく医師不足をはじめとした様々なひずみを生んでいると尾形氏は指摘する。看護士不足や産婦人科、小児科の危機的状況など医療そのものの危機が迫っている。医療全体の在り方を国民の負担増も含めて冷静に議論すべきと思う。高齢者医療費が今後一層増大が見込まれる中で、別建て方式は「高齢者姥捨て山論」という高齢者の感情だけでなく世代間対立を避けがたい。その一点をとっても新制度の骨格をなす「別建て方式」は見直されるべきと思う。
早速、その記事をさがして読んでみた。あらためて今回の医療改革の焦点が理解できた気がした。
日本の医療保険制度は、大企業の健保組合、中小企業従業員の政府管掌健保、自営業者や無職の人の国民健保に別れている。今年3月までは75歳以上の高齢者はそれぞれの医療保険制度に加入したままで制度間で財政調整を行なっていた。
新制度では75歳以上の高齢者を各保険制度から切り離して別建てとし、その財源の1割を高齢者本人の保険料、4割を現役世代の各医療保険制度からの支援金、5割を税で賄うという方式に変えた。
この「別建て方式」の是非が最大の焦点といえそうだ。インタビュー記事では一方で「現行制度のまま放置すれば高齢者や低所得者に偏りがちな国民健保が破綻する。新制度は別建てにすることで高齢者と現役世代の負担ルールを明確化し、高齢者を社会全体で支える仕組みを作るという現実的対応として評価できる」と賛成論を紹介する。他方で昨日の講師である尾形氏の「病気にかかりやすい人も健康な人も幅広く加入することでリスク分散するのが社会保険本来の考え方であり、別建て方式はこれに逸脱している」「社会保険は加入者の相互連帯で支え合う制度であり、別建て方式で現役世代の制度から非加入者の高齢者のための支援金負担が増大すれば世代間対立が先鋭化する懸念がある」との主張を紹介している。
日本の国民医療費の財源構造は保険料49%、税負担36%を患者負担15%と社会保険方式ながら税負担が大きい。そのことが財務省などからの医療費抑制圧力を受けやすく医師不足をはじめとした様々なひずみを生んでいると尾形氏は指摘する。看護士不足や産婦人科、小児科の危機的状況など医療そのものの危機が迫っている。医療全体の在り方を国民の負担増も含めて冷静に議論すべきと思う。高齢者医療費が今後一層増大が見込まれる中で、別建て方式は「高齢者姥捨て山論」という高齢者の感情だけでなく世代間対立を避けがたい。その一点をとっても新制度の骨格をなす「別建て方式」は見直されるべきと思う。

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