ユリア・ナワリヌイ2024年03月05日

 ロシアの数少ない著名な反体制指導者アクセレイ・ナワリヌイ氏が亡くなった。47歳の若さの死亡を国際的なメディアの多くがプーチン政権による関与の疑いを伝えている。
 生前のナワリヌイ氏の反プーチン、反体制指導者としての勇気ある闘いにあらためて敬服した。ロシアに帰国すれば過酷な運命が待ち受けていることを承知しながら敢えて帰国した。そして帰国と同時に当局に拘束され死に至るまで獄中生活を過ごした。
 ロシアの反体制指導者として国際的にも突出した著名な人物である。彼の死はロシアの反体制運動にとって深刻なダメージをもたらすだろう。ロシア内外のそうした不安や懸念の中で彼の妻ユリア・ナワリヌイ氏が一筋の希望を灯した。
 彼女はナワリヌイ氏の死亡の三日後にYouTubeチャンネルで「自分はナワリヌイ氏の遺志を継ぐ」と宣言したのだ。子の投稿にYouTubeのアクセス数はまたたく間に世界を駆け回り4日間で600万弱に達した。世界中のメディアが動画の内容を速報した。
 ナワリヌイ氏と一心同体で歩んできた彼女の世界に発した勇気あるメッセージに共感し拍手した。

女子マラソン!19年ぶりの日本新記録を観た2024年01月28日

 大阪国際女子マラソンを固唾を呑んで観終えた。天満屋の前田穂南選手の2時間18分59秒という19年ぶりの日本新記録の更新がマラソン観戦の久々の感動と興奮をもたらした。
 序盤からパリオリンピック選考基準の2時間21分41秒という設定タイムのピッチを上回るハイペースのレース展開だった。21kmを過ぎた地点で前田が新谷仁美等のペースメーカーを置き去りにして独り飛び出して独走となる。27km付近でペースアップして日本記録を上回るペースを刻みだした。31km付近でエチオピアのエデサに抜かれた。通常ならここでズルズルと大きく後れを取るのだが、今回の前田は違った。エデサに食らいつき離されそうになっても粘り強く追い続けた。最終的なゴールは僅か8秒差の2着だった。
 後半の見どころは日本記録更新という記録を巡る手に汗握る展開だった。そして日本記録を13秒上回り、加えて2時間19分の壁をも切る好タイムを叩き出した。
 レース前のインタビューでレースの目標を訊かれた前田は「アレです」と答えて煙に巻いた。レース後に再び「アレとは何だったのか?」と訊かれた彼女の「日本記録更新です」という答えに驚かされた。パリオリンピック選考基準の設定タイムが目標というのが大方の見方だっただろう。レース前から日本記録更新が目標だったからこそ達成できた記録だとあらためて彼女の挑戦に舌を巻いた。

さくらインターネットのビッグニュース2023年11月30日

 11月28日、突然ニュースで馴染みのある会社の名前が告げられた。「デジタル庁は28日、政府・地方自治体システムの共同基盤となるガバメントクラウド(政府クラウド)の提供事業者にさくらインターネットを追加すると発表した。」とのこと。
 ”さくらインターネット”は、この6月に地区社協のホームページを立ち上げた際にレンタルサーバーを契約したプロバイダーである。地区社協の広報部会でプロバイダーをどこにするかを検討した際にIT業界出身の部員の情報で選択した。大阪に本社を置くローカルな企業の印象が強かった。
 その企業が、従来アメリカの大手4社に限られていた政府クラウドの提供者に今回初めての日本企業の選定で、ソフトバンクやインターネットイニシャティブとの競争を排してさくらインターネットが選ばれた。あらためて検索すると、「日本のインターネット黎明期よりホスティングサーバの提供を行っており、日本最大手」とのこと。
 そんな企業と地区社協HPのサーバー契約をしていたことに驚くとともに、今回の政府クラウド提供事業の受注が今後どのような影響をもたらすだろうと一抹の懸念も覚えた。

中国道の玉突き事故とヘリコプター取材2023年07月04日

 昨日の午前中、リビングでビデオ録画を観ていた時だ。突然ヘリコプターのプロペラ音が鳴り響きだした。その半端でない音量の大きさから我が家のある住宅街の上空辺りを旋回していることが窺われただ。開け放したサッシや窓から容赦なく轟音が伝わった。一体何事が起ったのだろう。
 ヘリコプター旋回の謎解きは夕方にお向かいの情報通の奥さんからもたらされた。住宅街の北側を走っている中国自動車道で玉突き事故があったとのことだ。すぐにネット検索して事故情報を知った。トラックと車12台がからむ多重事故で10人がけがをしたようだ。
 問題は事故現場の位置だ。添えられた動画には上空から写された見慣れた地形があった。住宅街の野球もできる最も大きな公園が写っていた。住宅街の北側に隣接した中国道での事故だった。事故の詳細を知って複数のヘリコプターによる事故取材に納得した。

袋小路の労働力不足と地域人材の発掘2023年07月01日

 日本の労働力不足の深刻化が身近な日常生活の様々な分野で歪を招いている。評議員として関わっている障がい者支援の社会福祉法人のグループホーム建設計画が人材手当の見通しが立たないことから頓挫した。運営推進委員をしている認知症グループホームでも深刻な人出不足に危機感を募らせている。地域のコミュニティバスの試験運行がドライバー不足で運営事業者が選定できずメドが立たない。
 労働力不足の対応策として「外国人労働者の確保」と「IT化」がしばしば取り上げられるが、実現性は疑わしい。「日本の最低賃金は韓国以下、豪州の2分の1、差は開く一方」というニュースを目にした。今や日本の低賃金は国際的にも表面化しており、今後の外国人労働者の確保も見通しは暗い。マイナカードのシステムのお粗末さに代表されるように日本のIT技術は国際的にも低水準と言わざるをえない。マイナの不祥事は国民のIT化への不安を招いている。こんな土壌で今後どこまでIT化が進むか疑問である。今や日本の労働力不足は袋小路に陥っている観がある。
 地域の交通弱者への対応のひとつである地区社協のカーボランティアがあらためて見直されるのではないか。地域のボランティアで支えられるカーボランティアは深刻なドライバー不足と無縁である。多くは子育て卒業母さんやリタイヤおじさんたちが担っている。高齢でリタイヤした看護師や介護士といった人材の再登用も課題である。問題はそうした地域に眠っている人材の受け皿となる事業等のインフラが整備されていない点にあるのではないか。

民営化の「落とし子」”プリゴジンの乱”2023年06月29日

 ロシアの民間軍事会社ワグネルによる”プリゴジンの乱”が勃発し、世界中が固唾を呑んで成り行きを注目した。
 ロシアによるウクライナ侵攻とともにワグネルという得体のしれない軍事組織がメディアに登場するようになった。その組織が”民間軍事会社”であることを知って驚愕した。「民間会社が軍隊を経営する?そんなバカな!異常な究極の民営化ではないか」。
 「軍隊とは、国家の機関として組織され、責任ある指揮体系のもとで、国家の行為としての戦闘に、一定の権利義務をもって、公然と兵器を携えて従事する集団をいう(コトバンク)」。
 これが常識的な「軍隊」の定義のようだ。軍隊は国家の指揮系統のもとでの関りという点でその存在が理解される組織だろう。
 ロシアでも違法とされている民間軍事会社ワグネルは、プーチン大統領が軍隊が扱い難い汚れ役を担わせるために支援している”プーチンの私兵”とみられている。ワグネルを率いるプリコジンは自身が強盗、詐欺等で9年間刑務所で過ごした犯罪者である。実際、彼に率いられたワグネルはロシアが関わる世界各地の紛争地で残虐な戦争犯罪を行っている。ロシアで受刑中の犯罪者を「6カ月働けば自由になる」とウクライナの戦場に送っているのもプリゴジンならではの手法だろう。
 その”プーチンの私兵”が牙をむいた。国家の管理する軍隊でないだけに対処も単純ではない。本来あってはならない「軍隊の民営化」という手法が生み出した「落とし子」である。独裁国家の大統領だからこそ手を染められた手法だろう。”プリゴジンの乱”は民営化の「落とし子」の「光」を享受してきたプーチンの「影」の部分を余すことなく照らしている」。

ウガンダの少年の野球にかける夢2023年06月17日

 スマホのニュースアプリで先日応援観戦した独立リーグ球団”兵庫ブレイバーズ”のウガンダ支援の記事を見つけた。
 球団がウガンダ出身の選手を受入れ費用を負担して彼らの野球にかける夢を応援しようというものだ。その資金を捻出するため「ウガンダ野球の未来を創る」をテーマにクラウドファンディングを始めたという。
 記事ではウガンダがアフリカでは野球強豪国で今年8月に台湾で開催される「U18(18歳以下)ワールドカップ」の出場権も得ていることも紹介されている。現在球団に在籍している16歳のカトー・エドリンは通算6人目のウガンダ選手とのこと。
 先日の応援観戦でも、ちょい呑みオヤジ会メンバーである川崎球団代表がカトー少年を連れて観戦中のファン一人ひとりに紹介していた。私も一緒に記念写真に納まりながら激励した。日本語のヒヤリングは馴染んできたような彼の初々しい様子が微笑ましかった。
 それにしても16歳という若年の身でひとりで日本にやってきて野球の夢を追っている姿は感動ものである。記事には最速141キロを誇る左腕で日本野球機構の球団が関心を示しているという。
 ガンバレ!カトー君。

ドライバー不足の深刻化とカーボランティア2023年06月09日

 テレビのニュースがタクシー業界の深刻なドライバー不足を報道していた。タクシーは交通弱者にとってのセイフティネットの役割を持っている。2007年に超高齢社会となった日本ではお年寄りの交通インフラとしてのタクシーの役割は重要である。
 山口地域活性化推進委員会が開催され、コミュニティバスの試験運行に向けて運行事業者の選定が難航しているという経過が報告された。近隣のコミュニティバス同様に事業者は阪急タクシーが想定されていた。難航の背景に物流業界の2024年問題という深刻で構造的なドライバー不足がある。
 コミュニティバスの取組みは、交通弱者の地域対策であるコミュニティ交通問題の施策のひとつである。本来、多様な選択肢のひとつとして検討すべき課題であるが、現状では唯一の課題として取組まれている観がある。それだけにその実現性が懸念される場合の他の選択肢の検討が求められる。
 北六甲台地区社協の交通弱者対策の取組みであるカーボランティアは2001年に始まり20年以上の実績がある。山口町という公共交通の脆弱なエリアの取組みとして市内35地区の中でも特有の取組みとして定着してきた。地域の住民有志がマイカーで利用者にカーボランティアを提供してきた。地域のボランティア・ドライバーに支えられた取組みである。
 日本社会の深刻なドライバー不足は、事業者を介在した交通弱者対策を困難なものにしている。交通弱者対策という福祉分野の施策の担い手として地区社協のカ―ボランテアはボランティア・ドライバーの発掘の手法としてもあらためて注目されてよいと思われる。

町内会の夜間パトロールでのひき逃げ死亡事故2022年12月29日

 「堺市中区小阪の市道で27日夜、夜間パトロール中だった4人がはねられ、うち2人が死亡するひき逃げ事件が発生した」。この衝撃的なニュースに考えさせられることが多かった。
 「普段から交通量が多く、坂なのでスピードを出す車もある。街灯はほとんどなく夜も暗い」という現場付近は過去にも事故が起きていたという。例年この時期に午後10時から翌日午前2時までの予定で行われる「歳末夜警」中の事故だった。
 定年前後から永く地域活動を担ってきた立場からまず思ったのは、深夜パトロールという危険で酷な町内会活動が存続していることの驚きだった。新興住宅地である我が町では到底考えられない活動である。
 グーグルマップで検索すると、現場は古い町並みが広がる入り組んだ旧地区のようだ。昔ながらの共同体意識も残されているのだろう。歳末恒例の夜間パトロールもそうした風土を前提にして初めて可能なのだろう。8~10人で行われるパトロールは、防犯だけでなく地域の連帯感や共同体意識の維持という狙いもあるようだ。
 旧地区に今も残る共同体意識はそれ自体羨ましい側面である。半面で今回の悲惨な事故が夜間パトロールの存続を含めて見直しが迫られるのではあるまいか。IT化に向けた対応も含めて新たな態勢の模索が必要ではあるまいか。

長尾和宏医師の参議院厚生労働委員会発言要旨2022年11月21日

 尊敬する町医者・長尾和宏氏のブログ「Dr.和の町医者日記」を毎日読んでいる。ブログの昨日の日記の記事は「厚生労働委員に配布した発言要旨」だった。
 11月19日(金)13時~行われた参議院厚生労働委員会に参考人として出席した長尾医師の「感染症法の改正に関する要望」の発言要旨を紹介した記事だった。コロナ発症以来2年半に渡る長尾医師のコロナ対応の奮闘と葛藤を通じた今後の施策についての集大成とも思える記事だった。
 発言は「感染症法の改正に関する要望」と「ワクチン後遺症関連の指摘」の二つのテーマである。それぞれの見出しを読むだけでも趣旨が整理され全体像が把握できる。以下に見出しを紹介しておきたい。
■感染症法の改正に関する要望 
1、保健所機能と医療機能の分離
2、地域包括ケアシステムの活用
3、リビングウイルを核とした人生会議の励行
4、介護施設における医療提供体制の構築
5、死亡診断書の改訂
6、感染症分類の見直し
■ワクチン後遺症関連の指摘
1、ワクチン副反応、ワクチン後遺症、ワクチン後症候群、を区別
2、症状は実に多彩
3、ワクチン後症候群とは
4、最重症型は「クロイツフェルトヤコブ病」
5、イベルメクチンが後遺症治療にも有効
6、難民化しています!
7、1年以上寝たきりになっても認定も補償もありません  
8、ワクチン後遺症ビジネス
9、死亡しても解剖してもらえない
10、病態解明、治療法の開発、補償が急務