福祉ネットのグランドデザイン2015年04月14日

 福祉ネットを立ち上げて1カ月が経過した。この間、色々な方と懇談し福祉ネットについての感想や意見を頂いた。70代半ばの今尚現役の実業家からは、福祉ネットが目指すところのグランドデザインを提示し、その実現のための事業化プランが必要というもっともな助言を頂いた。そこで福祉ネットの今後の在り方についてあらためて想いを巡らした。 何よりも福祉ネットは何を目指すのかというコンセプトの明確化は欠かせない。目指すものを端的に言えば「住民が終の棲家にできる街」ということではないか。現状のままでは高齢や障がいや介護等で自立生活が困難になった時、住み続けることが難しい。便利な阪神間のマンション等への転居や施設入居を迫られる。新興住宅街特有の共同体意識の希薄さや坂道の多い地形が拍車をかける。それだけに自立生活が困難になった世帯をサポートできる地域での仕組みが必要だ。そうした仕組みづくりを通しておぼろげながら浮かんでくるのは「持続可能な循環型福祉地区」といったイメージだ。
 我が街は2011年を境に人口、世帯数ともに減少に転じた。団塊世代が圧倒的なボリュウムを構成するこの街の高齢化は急激で爆発的である。2025年以降、支えられる側になった彼らを誰がどのように支えるのか。支える側にいる団塊世代たちが今の内から地域福祉の担い手になってもらえる仕組みづくりが必要だ。その仕組みを通じて次の世代にバトンが繋げられなければならない。「持続可能」「循環型」とはそういうことだ。元気なお年寄りが元気でなくなったお年寄りを支える循環をどう作れるか。
 地域ボランティアを支える層は限られている。子育て卒業主婦とリタイヤおじさんが中心である。この間の懇談でその二つの層の意向を聞かされた。チョイ呑みオヤジ会のメンバーたちはサラリーマンだった現役生活での経験から地域ボランティアの有償化を力説された。40代、50代の比較的若い主婦層からも生活の厳しさと地域貢献の双方を満たせる地域ボランティアのニーズが告げられた。現状の無償ボランティアを前提としたボランティアセンターの活動の限界が見え始めているのも現実である。持続可能な福祉地区に向けた地域ボランティアの「事業化」が求められているのではあるまいか。