社協・小地域福祉活動研修2016年11月01日

 塩瀬公民館で開催された市社協主催の北部地区の小地域福祉活動研修に参加した。北部のコーディネーター連絡会も兼ねた研修で、北部地区4分区から分区活動者とボランティアコーディネーターが14名参加した。市社協からも地区担当を中心に数名が参加し、その意気込みが窺えた。
 冒頭の15分ばかり「地域の現状とこれからについて」をテーマに地区担当からレクチャ-があった。北部地区の人口や高齢化の動向を踏まえて各分区の活動の現状と今後の課題を整理したものだ。各分区の会議が報告中心に流れていないか、住民ニーズの把握や課題に合わせた活動になっているかといった一歩踏み込んだ問題提起もあり、市社協としての危機感も感じさせられた。
 研修自体は3グループ4~5名に分かれたワークショップが中心だった。ワークショップの第1は「各自が活動に当たって大切にしていること」のグループ討議、第2は「ひとり住まいの高齢女性の地域での関わりの事例」についての問題点、課題の抽出だった。
 2番目のワークショップが興味深かった。認知症を発症し介護認定されデイサービスにも通えるようになった女性だが、骨折し施設入所することになったという事例の、「地域の支えでいきいきと自宅で暮らし続けた」という別の結末を提示し、そのために地域には何が必要かを問うものだった。
 彼女に必要なのは「居場所」「見守り」「在宅ケア」「困りごと支援」といった環境である。それらを支える上で地域ボランティアはどの地区も高齢化と固定化が顕著である。人材の発掘が欠かせない。そうした点から我が分区の人材発掘の新たな取組みを報告した。「有償ボランティアの取組み」「ちょい呑みオヤジ会の発足」である。まとめの挨拶で市社協担当者から新たな取組みとして前向きな評価を頂いた。

コープの骨太な産地見学バスツアー2016年11月02日

 コープ委員を対象とした産地見学のバスツアーに参加した。西宮北店と唐櫃店合同の交流を兼ねた研修ツアーだった。主たる目的地は姫路にある兵庫県漁連水産加工センターである。両店のコープ委員はじめ一般参加者や店長等コープ職員を含めて約40名が参加した。
 西宮北店の正面玄関前に唐櫃店の参加者を乗せたバスが9時15分に到着し、10時半には予定通り加工センターに到着した。会議室で研修概要のレクチャーを受けた後3班に分かれて順番に加工施設の見学に出かけた。
 待機中の参加者はセンターで用意された「ちりめんモンスター捜し」で過ごした。水揚げされたチリメンジャコにはタコ、イカ、カワハギ、タチウオなどの稚魚が異物(チリメンモンスター)として混ざっている。この状態のジャコのカタマリからモンスターたちを取り除き用紙にボンドで張り付けていく。稚魚は5~10mmで選り分けは結構厄介である。この選別こそが加工のポイントであることを後で知った。
 施設見学に出かけた。二重三重の衛生チェックを経てチリメンジャコ加工施設に入った。水揚げされ天日干しされた大量のチリメンジャコがベルトコンベアに乗って幾重にも選別され均質で混じりけのない形でパックされる施設である。サイズ違いの穴の開いたトレーで大きさや形が、色センサーで色違いが、目視で異物が選別されていく。チリメンジャコの加工とは選別そのものであると知った。
 会議室に戻り、漁連広報担当から1時間ばかり講義を受けた。漁業者の三つの役割「食料供給」「海洋保全」「国境・安全」を中心とした熱のこもった講義だった。後継者不足、海洋汚染、200海里問題等による危機感を訴えながら、漁業と海を愛する情熱が伝わった。
 研修を終えて隣接の「坊勢とれとれ市場」に移動し、昼食の海鮮丼を味わった。新鮮な刺身ネタがたっぷりのった美味しい丼を満喫した。昼食後、市場でお土産を調達し次の目的地の姫路城に向かった。1時間ばかりをお城周辺で散策し、5時過ぎには出発地のコーポ西宮北店に帰り着いた。
 さすがにコープの研修ツアーだった。観光ツアーに堕しがちなバス研修がテーマ性を持った研修ツアーとして見事に骨太な企画となっていた。

花ちゃんの保育園でビューにやきもき2016年11月03日

 花ちゃんの11月からの保育園入園が決まった。結婚後も大阪の会社勤務を続けていた娘は花ちゃんの出産に伴って1年間の出産休職を取得していた。休職明けには花ちゃんを自宅最寄りの保育園に預けて復職する予定だった。まだ若い町である大津市には幸い育児環境は比較的整っており、最寄り駅近くの保育園での花ちゃんの入園が決まった。
 花ちゃんの入園は娘夫婦のライフスタイルには欠かせない。花ちゃんにとっても早くから社会生活に身を置きたくましく成長する上でいいことなのだろう。とはいえ1歳になったばかりの初孫の保育園入園にじいちゃんは手放しで喜べないものがある。母ちゃんの姿が見えないとすぐにぐずりだし泣き声をあげる甘えん坊である。母ちゃんと離れてちゃんと保育園生活に溶け込めるだろうか。先日娘から送られてきた花ちゃんの画像に偶然とは言いながら泣き顔画像があった。これを眺めながらついつい花ちゃんの保育園生活を想像してしまう。
 花ちゃんの保育園デビューにやきもきするジジバカぶりに我ながらあきれてしまうこの頃である。

住宅街文化祭での「ふるさと講座」の大盛況2016年11月04日

 11月3日から6日まで自治会主催の住宅街の文化祭がコミュニティセンターと自治会館で開催される。この文化祭に今回初めて「ふるさと講座・北六甲台の今昔」を開講した。文化祭初日のオープン直後の10時からの開講だった。個人主催の講座であり事前にチラシ作成、回覧手配、当日資料作成、プロジェクターの準備等を行った。
 当日の朝、果たしてどれだけの皆さんに受講してもらえるか不安を抱えながらスタンバイした。開講15分前頃から予想以上の方に会場のコミュニティセンターにつめかけてもらった。準備した40席が間に合わず自治会役員に急遽会場いっぱいに席数を増やしてもらった。終了後65名の受講者があったと報告を受けた。冒頭、自治会長の文化祭開会の挨拶の後、いよいよふるさと講座を開始した。
 講座のテーマは二つあった。第1部「お天上山物語」では住宅街の開発前の姿や伝承を画像を中心にビジュアルに紹介した。第2部「平尻巡礼街道」はかつて住宅街のすぐ北側を縦断していた丹波街道の一角である平尻街道の史跡のスポット画像を追いながらガイドした。
 最後のパワーポイントシートでは「伝えたいこと」として講師のメッセージを紹介するのが常である。「我が町が由緒あるお天上山を開発して誕生したこと。歴史と開発の調和というテーマを受け止めたい。他方で山口町という歴史と伝統の町に新たな息吹をもたらした。親たちにとっては終の棲家の第二のふるさとだが、巣立っていった子どもたちにとっては帰省先であるふるさとそのものである。分譲開始34年を経てふるさとづくりを通した新興住宅街の新たなコミュニティづくりが問われているのではないか」
 予定時間を10分ばかり残してプレゼンを終え、お二人から質問を受けた後、5分前には講座を終了した。予想以上の受講者ということに加えて皆さんの興味津々の熱心な受講姿勢に確かな手応えを感じた。自治会長からも「開会直後の催しでこれだけ大勢の皆さんに参加してもらい良いスタートを切れた」と労われた。終了後には何人かの方から「ぜひ来年も続けてほしい」「今回受講できなかった人のためにもう一度開講してほしい」といった有難い言葉も頂いた。

福祉施設でのボランティア研修2016年11月05日

 社協分区のボランティアセンター主催のボランティア研修が住宅街隣接の特別養護老人ホーム・山口苑で開催された。ボランティアコーディネーターと登録ボランティア約20名が参加した。
 冒頭、社協分区長として「介護が喫緊の課題になりつつある今日、福祉施設と地域ボランティア組織の連携が求められている」旨の研修の意義をコメントした。
 研修は「高齢者の健康管理」をテーマに「感染症予防」「褥瘡じょくそう(床ずれ)予防」の二部構成だった。それぞれ施設側の担当の専門職からパワーポイントによるレクチャーを受けた。
 特に「褥瘡予防」では若い男性介護士のケアマネジャーを被介護者に見立てた実技指導が興味深かった。寝たきり状態の被介護者の長時間同じ姿勢による圧迫を避けるための体位変換のやり方である。在宅介護が今後避けられない中で寝たきりの家族を介護するケースも増えてくる。床ずれは在宅介護者にとって想像以上に深刻な問題だ。介護者の会でも褥瘡の進行で緊急入院したという事例も聞いた。事前の予防や早目の発見・手当のイロハを学んだ。

山口公民館文化祭に出かけた2016年11月06日

 住宅街の文化祭で「ふるさと講座」を午前中に終えて、家内と一緒にパスタの店・ONS(オンズ)でランチした。9月にオープンしたばかりの店でナポリタンを注文した。アツアツの鉄鍋に盛られたモチモチの太麺にたっぷりのベーコンや温泉卵が添えられた独特のパスタだった。
 昼食後、そのまま山口公民館で開催されている文化祭に出かけた。山口センター4階フロア全体が文化祭会場である。入口近くの第1集会室では公民館講座の風景写真と作品が展示されている。私の「山口風土記探訪講座」も昨年の「道場風土記」の講座風景が展示されている。今年で7年目を迎え文化祭での展示も6回目を数える。
 毎年出かけている文化祭である。出品作品は入れ替わるものの展示作品のジャンル別レイアウトや出品グループは一定している。どのコーナーにはどんな作品が展示され当番の誰と会えるかは予想できる。とりわけ日頃はお会いすることが稀である山口の旧地区の知人の方々とは年に一度の邂逅の場である。書画や絵手紙のコーナーで、料理グループの調理実習室や2階のふれあい喫茶の会場で何人もの山口の知己としばしの歓談を楽しんだ。
 山口文化祭は公民館講座や公民館サークルの年に一度の発表会の場である。講座やサークルには新旧両地区の大勢の住民が参加している。それだけに新旧両地区の垣根を越えたオール山口の地域文化の風土づくりへの貢献は大きい。

文化祭講座の受講者の内訳2016年11月07日

 住宅街の自治会主催文化祭で始めて開講した「ふるさと講座・北六甲台の今昔」の講座には65名の受講者があった。皆さんには受付で受講者名簿に住所・氏名を記載して頂いた。
 その受付名簿を分析してみた。住宅街の五つの丁目毎の受講者ではほぼ11~12名だがなぜか四丁目だけが17名と多かった。男女別には男性37名、女性28名と男性が多い。通常の地域の研修・講座では圧倒的に女性が多いのだが、郷土史というジャンルの講座の性格と祝日の文化祭の催しということが要因かもしれない。ご夫婦での受講が8組16名あったのも特徴的だろう。
 名簿を見ながら講師との関係を分類してみた。オヤジ会メンバー、社協関係者、自治会関係者、福寿会(老人会)関係者、その他の知人と何らかのつながりのある方の受講は35名だった。ほとんど面識のない方は30名ということになる。約半数の方が純粋にこの講座の「開発前の我が町の姿や伝承」というテーマに関心を持たれたのだと思われる。残り半数の方は講座への関心も含めた講師との関わりでの受講者と言える。
 いずれにしろこの結果を受け止めながら9年間の地域活動での個人的な到達点を感じずにはおれなかった。それと同時にあらためて「ふるさとづくり」をキーワードに新興住宅街でのあらたなコミュニティづくりに向けた第一歩としたいと思った。

花ちゃんの保育園デビュー2016年11月08日

 花ちゃんの保育園でのお試し保育が始まった。入園児が保育園生活になじめるよう1時間保育から始めて2時間、3時間と徐々に保育時間を延長していく方式のようだ。
 お試し保育の初日、花ちゃんは通園する保育園に母ちゃんに連れられて初めて出かけた。わずか1時間のお試し保育である。事前にそのことを聞いていたじいちゃん、ばあちゃんはその日の夕方のFaceTimeで早速娘からその顛末を訊いた。
 母ちゃんは花ちゃんを保育園の保母さんに預けて気づかれないようにそっと姿を消した。母ちゃんがいなくなったことに気づかずに花ちゃんはご機嫌に玩具で遊んでいたようだ。問題は迎えに行った時の反応だ。母ちゃんの姿を見るなり泣きながらハイハイしてくるのではという懸念もあった。あにはからんや花ちゃんはご機嫌な様子で保母さんに抱っこされて母ちゃんの腕に渡された。
 母ちゃんの心境は複雑だったに違いない。初めての保育園の送迎を花ちゃんは泣きだすこともなく無事クリアしたのだからホッとしたのも事実だろう。反面、自分の姿が見えなくなった途端グズって泣き出していた花ちゃんが意外にも機嫌よく送迎を終えたのだ。いったい花ちゃんにとって自分は何だったのかという感慨を催したとしても不思議でない。
 そんな娘の心境とは無縁のじいちゃんは素直に孫の幸先の良い保育園でビューを喜んだ。

鎌田實・大平光代「くらべない生き方」2016年11月09日

 鎌田實氏の著作に嵌っている。三作目の読了は大平光代氏との対談集「くらべない生き方」だった。
 「くらべない」「泣いてみる」「さらけだす」「寄りかかる」など10のメッセージについて二人が存分に語り合う。読み進みながらともすれば肩に力を入れて生きてきた自身の至らなさや愚かさに気づかされる。生き辛い過酷な時代だからこそ背伸びせずありのままの自分を受け入れることの大切さを教えられた。
 波乱万丈を乗り越えて今を生きているお二人だからこそほとぼしる「想い」の数々だろう。鎌田氏の高齢者・療養者・障がい者等の患者や被災者にかける想いや大平氏の障がいをもって誕生した愛娘への想いが生々しく伝わってくる。とりわけ大平氏の「いじめ」「障がい者」「子育て」についての処方の提示は、自身の体験に裏付けられたものだけに新鮮で説得力のある切り口だった。
 数々の珠玉の言葉もあった。「脱力系の生き方」「ひとりひとりが多様に生きられる」「みんなと同じである必要はない」「人前で泣いてしまえば泣いたもの勝ちになってしまうが、自然の涙は本当の気持ちを伝えてくれる」「誰かに寄りかかる勇気と寄りかかられた時に踏ん張って支えてあげられる力の両方が必要」。
 鎌田氏のあとがきの一節である。「大平光代と鎌田實という、わけのわからん『濃い』二人が、時に自分をさらけだしながら『生きることの意味』に向き合ってみたわけですが、うまく伝えられたかどうか」。じゅうぶん伝わりました。

花ちゃんの保育園デビュー(後日譚)2016年11月10日

 花ちゃんのお試し保育の4回目の日だった。娘と孫の冬物衣料を届けるということで花ちゃん宅を訪ねた。家内は保育園持参用のよだれかけを花ちゃん宅で縫ってやるという。自宅の小型ミシンが車に積み込まれた。
 朝8時、20日ぶりに花ちゃんと対面した。さすがに最初は戸惑い気味にキョトンとした表情で迎えてくれた。すぐに思い出したようで、お土産のお絵かき玩具で一緒に遊んだ。8時40分には母ちゃんと花ちゃんが保育園に出かけた。花ちゃん用のミシンかけのあるばあちゃんを残して一緒に出かけた。
 保育園は徒歩10分ほどのところにあった。1歳児クラスの部屋に入ると、9時からの保育だが既に数人の園児たちが3~4人の若い保母さんと一緒に遊んでいる。母ちゃんが花ちゃんを保母さんに預けた途端に花ちゃんが泣き出した。アレッ!確かご機嫌な保育園デビューだった筈なのに。母ちゃんが専用棚に持参物を収納している間も花ちゃんは泣きやまない。保母さんに抱っこされた泣き顔の花ちゃんに母ちゃんとじいちゃんがバイバイした。
 2時間後にばあちゃんも一緒に3人で迎えに行った。今度も花ちゃんは母ちゃんの顔を見た途端に泣きだした。母ちゃんに抱っこされるとすぐに泣きやんだ。思うに花ちゃんは初めての保育園生活という環境変化をよく理解できなかったのだろう。何回かの経験が大好きな母ちゃんとの別れの時間であることを学ばせたようだ。やっぱり保育園デビューはそれほど甘くない。この時期を乗り越えて初めてたくましい保育園児に育つのだろう。