ジェフリー・アーチャ-「ロスノフスキ家の娘 上・下」2022年06月06日

 今年3月に断捨離の最後の大物だった”蔵書処分”を敢行した。その際、悩んだのは、今後の再読に向けてどの本を残しておくかということだった。まだまだたっぷりある余生を過すには読書は欠かせない。蔵書のうち再読したい作品は殆んど読みつくした。さりとて新たに購入するだけの作品や作家を見つけるほどの意欲もない。結局、外国人作家の中で最も愛読したジェフリー・アーチャ-の7作品を残すことにした。
 そのうちの最初に再読に選んだのが「ロスノフスキ家の娘 上・下」だった。祖国ポーランドを追われて身一つでアメリカに辿り着いき、一代でホテルチェーンを築き上げたアベルの一人娘フロレンティナが合衆国初めての女性大統領を目指す物語である。
 ジェフリー・アーチャ-という作家が私が読んだ外国人作家の中で文句なしに最も優れたストーリーテラーであることをあらためて思い出させた作品だった。オバマ、トランプ、バイデンと続く直近の大統領選挙の息詰まるような選挙戦をまざまざと思い起こさせたスリリングな選挙戦が展開される。頁数が残り少なくなってフロレンティナは大統領選挙に敗れる。その絶望的な終盤の展開にどんでん返しが待っていた。稀代のストーリーテラーの真骨頂だった。