次世代共存のコミュニティをどう実現するか2025年01月08日

■進行する少子高齢化の現状
 少子高齢化が語られはじめて久しい。 世界で最も高齢化先進国である我が国では、どちらかと言えば高齢化という局面に焦点が当たってきたように思える。高齢者雇用、定年延長、介護保険、在宅医療、認知症ケア等々。高齢者対応は地域社会でも身近な支え合いの課題でもあり、地区社協の取組みの中心にもなっていた。
 これに対して少子化は、地域では「子育て支援」という観点での取組みにとどまり、少子化そのものの対応は希薄だった。
■全国の公立中学の部活の地域移行
 ところがいよいよ地域でも少子化そのものへの対応が迫られる事例が登場してきた。今や全国の公立中学校で対応が求められている「部活動の地域移行」という課題である。少子化の進行で生徒数はどんどん減少している。クラス数の削減や学校の統廃合も避けられない。中学校の部活動も部員数の減少で部の存続が危ぶまれる状況になりつつある。部活を実質的に支えている教員の負担の大きさという要因もあるが、本質は少子化である。2026年9月をメドに中学校の部活動を丸ごと地域に移行させようという文科省の計画が進行している。
■子どもたちの放課後の居場所は?
 ところで「部活動の地域移行」といっても果たして地域に移行可能な受け皿はあるのだろうか。体育系の部活動は辛うじて地域のSC21での対応がイメージできる。音楽、絵画、書道等の文科系の部活動は保護者や本人が個別に地域の教室やサークルを探すしかない。いずれにしても月謝や送迎等の保護者の負担は大きい。それ以上に保護者にとっては「子どもの放課後の居場所」という点でも部活がなくなることの影響は甚大である。
■小中学生対象の地域の居場所づくり
 地区社協の多世代交流イベント”ぬくもりフェスタ”が盛況である。2回目の昨年は、子どもたちとその保護者56名の参加で一般参加者の40%を占めた。地域で子どもたちが参加できる機会の潜在的なニーズが窺える。残念ながら中学生対象の居場所については受け皿がない。”放課後クラブ”といったイメージの小中学生対象の居場所、交流、学びの場が求められている。
 「部活動の地域移行」の受け皿づくりには、小中学生の地域での居場所や交流を通じた「地域の体育・文化活動情報」を共有できるインフラが欠かせないと思う。 
■次世代共存の地域社会
 少子化対応とは人口減少社会にあって次世代を担う子どもたちの過ごしやすい環境を整えることだ。それは同時に格差社会の進行で貧困化し子育ての負担の大きい現役世代の支援でもある。少子高齢化と言いながら高齢世代の対応を重視しがちだった地域活動に少子化そのものの対応が迫られている。多世代交流から一歩踏み込んだ”次世代共存”の地域社会が問われている。