田中芳樹著「アルスラーン戦記⑮(戦旗不倒)」2026年04月02日

  「アルスラーン戦記⑮(戦旗不倒)」を読了した。前巻ではパルスの周辺国に相次いで政変が起こりパルス侵攻を窺う動きが蠢動する様が語られた。
 パルス国では16翼将の内、4人が国難に殉じ哀しみに覆われ安定していた国家運営に陰りを落としていた。
 一方、マルヤム国に辿り着いたヒルメスはマルヤム国王の旧知のギスカールの傍近くに侵入し、パルス侵攻に向けて再び手を結ぶ。またインテルシュ率いる魔軍に支配されたチュルク国にはパルスの前国王アンドラゴラスの肉体に宿った蛇王ザッハークが出現する。マルヤムと海を隔てたミスル国でも新国王テュニプのもとでパルス侵攻の準備が進められていた。
アルスラーン率いるパルス軍がミスル軍を迎え撃つため西方の国境に向かう。その途中で軍師ナルサスはマルヤム軍に備えるためわずか300の兵とともに国境近くのザブール城に布陣する。そこに南下したマムヤム軍の一軍を率いたヒルメスが侵攻する。ヒルメスの多数の一隊とナルサスの少数の部隊が遭遇し戦闘が繰り広げられる。ナルサスはヒルメスとの死闘の果てに遂に落命する。アルスラーンに次ぐ主人公ともいえるナルサスの突然の死はこの作者のお得意の手法である。 
 このシリーズも残すところ一巻となった。最終巻に向けた物語の大団円の予感がある。