寝たふり花ちゃん2015年12月21日

 久々の花ちゃんである。娘も家内も手が離せない時とか、二人が抱っこ疲れ風な時、じいちゃんの花ちゃん抱っこの出番が回ってくる。はじめの内は久々の出番に張り切ってあやしているものの、じわ~ッと疲れに見舞われる。なんせ娘の高齢出産は、祖父母の高齢孫守りでもあるのだから。
 花ちゃんのご機嫌は長くは続かない。一旦むずかりだすとえらいこっちゃ。上下動屈伸をひたすら続けてご機嫌を取る。これがまた疲れを誘う。それでも努力の甲斐あってまぶたをしょぼしょぼさせてお休みモードに入ってくれる。ゴロゴロといびきにも似た音声を発したりスースーと寝息を立てたりする。シメタッと喜んで、そっと椅子に座ってみる。途端に花ちゃんは敏感に反応し、ビクンと身体を振わせて閉じたまぶたをカッと見開きぐずりだす。そ~わ問屋が卸さへんで~ッとでも言いたげだ。
 慌てて再び立って上下動屈伸に戻る。前回以上に時間をかけてあやし続け、頃合い良しと椅子に座る。今度はもうぐずらない。しばらくしてから花ちゃん蒲団に向かう。足、お尻、首と順番に蒲団に着地させ、最後に片手で頭を支えて首に回した片手をそっと抜き取る。途端に花ちゃんは目覚めてしまう。抱っこの姿勢から横たわる姿勢への転換は子宮内の屈折した姿勢に馴染んだ花ちゃんには許し難い暴挙なのだろう。火のついたようなギャー泣きが始まる。こうなれば万事休すである。再び立ち抱っこの上下動に始まる長い道のりを歩まねばならない。
 寝たふり花ちゃんとの格闘が続く。