ヤングケアラーという過酷な介護の担い手2020年11月24日

 「介護担うヤングケアラー、高校生の25人に人に1人」。埼玉県の大規模調査の結果を報道したNHKの見出しである。ヤングケアラーという言葉を初めて目にした。病気や障害を持った親のケアをする18歳未満の子どものことである。
 ヤングケアラーが生まれる背景には、三世代同居率の低下、専業主婦世帯の減少、ひとり親家庭の増加などから、介護を担う人手が家族内にないことがある。その結果、障害や病気のある家族の介護に加え、あらゆる家事、兄弟姉妹の世話などを一手に引き受けることになる。
 ヤングケアラーが抱える現実は過酷なものとなる。学校の授業について行けなくなる。子ども社会から孤立しがちになる。介護者が子どもであるため介護や看護に関する社会保障制度を理解しきれず、適切な保障を受けられない。就職や進学の進路が限られ将来に対する希望を持てず無気力化してしまう等々。
 ヤングケアラーは今後ますます増大し、社会問題化するだろう。コロナ禍が彼らの介護を一層過酷なものにしているに違いない。彼らの年齢に相応しくない過剰な介護を支援する社会的な仕組みが必要だ。民生委員としても新たな子供支援の課題に気づかされた。