地域のフレイル(虚弱化)2022年01月26日

 2年に及ぶコロナ禍が高齢者のフレイル(心身の虚弱化)を着実に進行させている。民生委員の昨年の高齢者実態把握調査でもそれを痛感した。担当地区のお年寄りの死亡が例年になく多かった。入院、施設入所、子ども宅への転居による転出も多かった。コロナ禍の外出自粛や人とのつながりや交流が希薄化したことが、心身の衰えと社会生活の後退を招いたことが背景にあることは疑いない。
 毎年1月中旬に開催している地区社協主催の75歳以上のお年寄り対象の”お食事交流会”が昨年に続いて今年も中止を余儀なくされた。感染力の強いオミクロン株が年末年始の人出の後、年明け以降に一気に拡大したためだ。1カ月以上前から参加者を募り、60名ほどの申込みがあった。申込者の2年ぶりのハレの場への出席と途絶えがちだった同世代との再会の期待が消滅し落胆ぶりを想像し心が痛んだ。
 その他、地区社協主催のふれあい喫茶、子育てサロン、住民対象の研修”福祉講座”、障がい者サロン等も緊急事態宣言の期間中は休止するほかなかった。自治会主催の住民交流の場である盆踊り、文化祭、バスツアーも2年続きで開催が見送られている。また自治会、SC21、青愛協、老人会等の地域組織の総会も2度に渡って書面総会という形だけのものに終始した。年一回の貴重な意見交換の機会が奪われた。
 こうした地域コミュニティを支える活動が軒並み自粛や中止が続いている事態が、コミュニティそのものの衰退を招いているのではないか。今やコロナ禍は高齢者ばかりか地域コミュニティのフレイルをも招いている。