架け替え前の木造の名来橋の思い出2022年09月11日

 2日前に名来神社前の愛宕橋の架け替えを危惧する記事を投稿した。愛宕橋の200ⅿばかり北に名来橋が架かっている。この橋は9年前にそれまでの木造橋から鋼管の橋に架け替えられた。当時の工事の様子をつぶさに眺めながら風情のある木造橋の消滅を次のように記事にした。

 「できあがった真新しい橋梁は、黒い鋼管の欄干で構成された現代的な姿を見せていた。橋面もしっかりと黒いアスファルトのような素材で固められていた。いかにも老朽化した橋の補強目的の架け替えという工事目的に叶ったできあがりだ。
 ただ一抹の寂しさは拭えない。周辺では希少だった工事前の木造橋のかもしだす風情は望むべくもない。欄干両端の親柱は無くなり、木造の親柱に刻まれていた橋の名称、架橋年月、川の名称などはどこにも記載がない。橋名にはその地の古来から伝承された地名がつけられることが多い。橋名を読んでその地の歴史を偲んだこともしばしば経験したところである。毎朝のように渡る馴染み深い橋が一新されたことが、ある種の寂しさと感慨をもたらした。」