佐賀の旅⑦水郷・柳川の船下り2023年06月06日

 祐徳稲荷神社を後にしたバスは、東に向かって進み、有明海の北の縁を辿って約1時間をかけて1時頃に対岸の町・柳川に着いた。バスを下車した一行は街の中心部の乗船場まえの広場に集合。ここで一旦解散して各自で昼食や散策をして1時間後に再集合とのこと。
 あらかじめリサーチしていた名物の鰻のせいろ蒸しを求めてすぐ近くの”ウナギ屋本店”に入った。長テーブルの一角に席をとりせいろ蒸しを注文した。川沿いの窓越しには船下りが行き交う光景を目にした。注文してから蒸すためか少し待たされてせいろ蒸しが配膳された。せいろで蒸しあがったアツアツの料理である。鰻ダレの御飯の上に焼きあがった鰻とキンシ卵が載せられている。初めての”鰻のせいろ蒸し”美味な体験だった。
 昼食に予想外に時間がかかり散策時間が少なくなっていた。川に沿って北原白秋生家を目指した。平日午後の時間帯ながら風情のある街並みを大勢の観光客が行き交っている。白秋生家に到着した時は集合時間10分前だった。入館を諦めて外観の写真撮影だけを済ませ集合場所に急いだ。
 2時から事前予約の客を対象に「城門観光」の船下りに乗船した。申込みの半数ずつに分かれて編み笠に法被姿の初老の船頭さんの操る小舟に8人ばかりが乗り込んだ。旧柳川城の掘割を巡る約40分のコースだった。途中で背の低い橋の下をくぐる時、橋の真ん中に縄梯子が吊るされていた。乗客は思い切り頭を下げて通過するが、驚いたことに船頭さんは縄梯子を使って橋によじ登り橋の上を通過した。観光スポットのガイドだけでなく船頭さんは白秋の童謡をはじめ様々な舟歌を披露してくれる。なかなかの歌唱力だった。
 今、柳川の町は大規模な街並み改修工事が始まっている。そのため掘割の両岸の柳の並木は殆どが伐採され、かつての風情をなくしている。そんな船頭さんの解説に少しばかり落胆するほかなかった。
 乗船場で船を降りバスの待つ駐車場に向かった。15時頃にバスが最後の訪問スポット吉野ヶ里遺跡に向かって出発した。