NPO法人のダイナミズム2012年04月19日

 平成24年度の西宮市の民生委員・児童委員会総会があった。さくらやまなみバスで乗り合わせた同僚委員と西宮戎バス停で下車し、阪神西宮駅前の「えびす大黒」に向かった。毎月の補導委員代表者会で行きつけの店である。海鮮丼と大盛あさり汁を注文した。安くてボリュームたっぷりでワンコイン+100円に同僚委員も大満足の体である。
 1時半からアミティーホールで総会が始まった。型通りのセレモニーの後、議事となる。予定ではわずか20分しかない。事業報告と決算報告に恒例の質問者が今年も噛みついた。それなりに意味のある質問だが潮時というものがある。答弁者の事務局との応酬の観があった。議事は予定時間を30分オーバーして終了した。
 記念講演は「くらしを支える縁(円)づくり」と題したNPO法人・コミュニティーサポートセンター(CS神戸)理事長の中村順子さんという方だった。「居場所と出番のあるまち」というサブタイトルが気に入った。”あなたは自分のまちに、居場所と出番(役割)がありますか”というイントロは巧みだった。阪神大震災を契機に様々なコミュニティーづくりに関わった人のようだ。その過程で多くの人に様々な居場所を提供し出番をつくった。防災教育の組織化、震災炊き出しグループの配食団体化、グループホームの朝喫茶、震災の支え合いの地域共生保育化、掃除、買物、洗濯など介護保険制度外の支え合い事業などである。その多くはNPO法人として事業化されているようだ。
 地域には様々な活動団体がある。自治会やボランティア団体やNPO法人である。それぞれに目的や構成員や財源や有償・無償などの違いがある。それでも「居場所と出番のあるまち」という目的の共有性がある筈と説く。「他を認め補い合い得意に応じた役割分担」ができるのではないかという。
 NPO法人を数多く手掛け、今もNPO法人の企業や支援を続ける人ならではのセリフである。NPO法人のもつ課題達成のシビアさとダイナミズムが硬直化した行政の限界や地域ボランティア組織のもつ甘さや前例主義を乗り越える力強さを感じさせられた。