かかりつけクリニックとボランティアセンターの連携2024年08月11日

 毎月ボランティアコーディネーター会を開催し、前月の困りごと相談の対応を協議している。今月の会議では80代後半の独り住まいの高齢女性のカーボランティア利用申込みについての対応を検討した。
 申込者は最寄りのクリニックの外来患者で、毎週のクリニックのリハビリの往復のカーボランティア利用だった。通院の大変さを伝えられたクリニック院長がボランティアセンターのカーボランティアを紹介された。すぐにボランティアセンターに利用申込みのため来訪された。
 申込書を確認する中で幾つかの問題が判明した。通常は至って正常だが時折り被害妄想気味の会話が出てくる。物忘れ傾向もある。申込書の緊急連絡先には身寄りがないため契約している「終活協議会」という法人組織が記載されていた。
 報告を受けて会議では「認知症気味の利用者にどんな対応が可能か」「活動提供者のドライバーに情報提供は必要か」「緊急連絡先に法人組織が指定されている点をどう受け止めるか」等の課題が指摘された。クリニック院長と親しい私が院長に相談することになった。
 クリニック院長と連絡をとり以下の確認をした。➀地域包括支援センターのサポートが必要な事例。次回受診時に院長からご本人に地域包括に連絡しケアが受けられるよう勧める。➁カーボラ提供者には、特に情報を提供する必要はない。送迎時にトラブルがあった場合は、提供者がその内容を直接院長に伝える。
 次に、ご本人が緊急連絡先として登録されていた「終活協議会」についての情報収集した。➀ネット検索では終活全般のサポートや身元保証サービスを行う事業者で特に問題のある組織ではないと思われる。➁登録確認のため申込書記載の連絡先に電話すると登録会員であることが確認できた。緊急連絡の事例としては救急搬送等の事態が想定されるとのことだった。
 2日後にクリニック院長からメールがあった。「来院されたご本人に地域包括に相談することを勧めたところ積極的に希望され、関係者の対応にも感謝されていました」とのこと。
 かかりつけクリニックとボランティアセンターの連携プレイの好事例と受止めた。