介護現場からの報告2020年02月06日

 ボランティアセンター主催のボランティア研修があった。登録ボランティアだけでなく地域の一般住民の方も含めて30名もの参加があった。
 「介護保険サービスの活用」をテーマに介護現場で優れた実践をされている同じ住宅街のケアマネさんからお話を伺った。地区社協の事業部長のご主人でもある。
 提供してもらった市が発行する「ハートページ(介護サービス事業者ガイドブック2019年)」をテキストに、介護サービスの利用の仕方、居宅サービスの内容、施設サービスの種類等が現場の実務をまじえて分かりやすく説明された。合間に、受講者から幾つもの質問があり、そのつど的確な回答がある。
 私からもかねてから聞きたかったことを3点ばかり質問した。①ケアマネ選びのポイントは?看護師出身と介護士出身の違いや、居宅介護支援事業所所属のケアマネと個人経営のケアマネの違いは?②特養入所の待機状況の傾向は?特養が運営するショートステイやデイサービスの利用者の特養入所での優位さは?③認知症ケアの手法のひとつであるユマニチュードの介護現場での導入の動きは?
 ①については、ケアマネの出身による得意分野の違いはあり、事業所所属のケアマネ以上に個人経営のケアマネには独自性や個性がある。②については待機状況は、サ高住の展開等もあり選択肢が増え傾向としては短縮化の傾向にある。入所に当たってデイサービス等の利用者は状況が把握されている分、それが考慮されることはありうる。各施設の入所相談員等に希望を伝えることも手だてのひとつになる。③については、現場でも導入したいという気持はあるが深刻な人不足が先に立つのが現状。利用者の側からのアピールも必要。

認知症専門医の福祉講座「認知症とは何か?」2019年11月15日

 地区社協の今年度2回目の福祉講座が開催された。今回は「認知症とは何か?」をテーマに福祉ネットのオブザーバーでもある有馬病院の認知症専門医・谷口医師を講師にお招きした。
 1回目の福祉講座の一般参加の受講者が10人未満と少なかったことから、今回の受講者数も懸念していた。そのため私の携帯に登録されている知人、友人の多くにショートメールで案内した。蓋を開けてみると41名もの受講者があり、用意していた資料が不足するという嬉しい誤算だった。内、社協関係者は11名で30名もの一般受講者だった。私の、メール案内による受講者も13名を数えた。また福祉講座に初めて受講された方も多かった。それだけ認知症についての関心が高く、聞く機会の少ない専門医の講演の魅力もあったのだろう。
 まだ40代と若い谷口講師のパワーポイントシート55枚に及ぶ資料による丁寧で分かりやすいプレゼンだった。「高齢化と認知症」「認知症の症状」「認知症の治療と介護」「病院の役割と有馬病院の可能な対応」等を70分ほどお話し頂いた。とりわけ「認知症の治療と介護」は自らの臨床体験に即した説得力のある内容だった。日頃、患者さんや介護家族に話されるのと同じような内容を同じような口調で話されたように思えた。
 予想外の受講者で大盛況の福祉講座が定刻の3時半に終了した。

福祉講座「驚きの”コマ”の世界」2019年08月27日

 地区社協の今年度第1回福祉講座があった。80歳前後の枇杷紘一朗氏と喜代子ご夫妻を講師とした「驚きの”コマ”の世界」の講座だった。地区社協の今年度の重点課題のひとつに「多世代交流」がある。今回の講座はその趣旨にうってつけの子育て世代、子どもたち、お年寄りの多世代の参加が期待できるテーマだった。そんな話を開会挨拶で述べた。
 期待に反して一般参加のお年寄りと社協関係者ばかりの受講者を前に開会挨拶をしていた時だ。会場にどよめきが起こり、入り口ドアから若いママに連れられた児童と幼児が姿を見せた。期せずして受講者全員の拍手で迎えられた。子ども二人を含む21名の受講者による講座が始まった。講師お二人は共に教職出身で先に退職された奥さんがコマに惹かれ江戸独楽の制作者の追っかけをするうちにこうしたコマの紹介活動を始められ、ご主人も定年後に合流されたとのこと。一緒に活動を始めて既に20年前後にもなるようだ。
 講座中の観客の主役は何といっても7歳と3歳の男の子たちだった。コマの実演に参加し成功するたびに大人たちの歓声を浴びている。まさしく多世代交流のひと時だった。ブリキの蛇がコマの芯の磁石でくねくねと生きてるように蛇行する様は驚きだった。ご夫婦が両端をもった糸をコマが移動する綱渡りにも歓声が上がった。
 予定されたストーリーに沿ってご夫婦のこなれた分担で坦々と「コマの世界」が展開する。「各地の珍しいコマの紹介やコマ回しの実演」「桃太郎のからくりゴマによる日本昔話」「一緒に回して遊ぶ体験コーナー」と1時間半の講があっという間に終了した。

公民館講座「生前整理」2019年04月16日

 久々に公民館講座を受講した。一緒に申込んだ家内はご近所さん二人と、私は会場で出会ったオヤジ会のお二人と机を並べた。講座は片付けからはじめる生前整理」をテーマに生前整理アドバイザー認定指導員の肩書を持つ女性だった。
 冒頭、生前整理と終活との違いが説明された。生前整理は、死を念頭に置いた終活とは異なり、あくまで生きることを前提にした物、心、情報の整理であるとのこと。終活のエンディングノートに対し生前整理では「今後の人生をどう生きていくか」をエターナルノートに記していく。とはいえ受講者の圧倒的多数は高齢者である。残り少なくなった人生の生前整理は限りなく終活にオーバラップすることは否めない。
 受講アンケートへの感想では「普通」を選択した。コメントとして「幾つかのヒントはあったものの、期待したほどのものではなかった」と記した。ヒントになったのは、整理すべき物の分量は入院や施設入所を想定した場合の持ち運び可能な分量が目安となるという点だ。また写真の整理では、マイベストショット・アルバムという形で人生のそれぞれの節目を30枚程度にまとめたアルバム作成が提案された。最後の頁は遺影写真である。遺族には本人にとってのかけがえのない写真だけが託される。その他の写真の処分への気遣いは大幅に軽減される。
 最後に受講者に「やり残したこと、行きたいところ」をいくつか書き記すことが求められた。これは良いヒントになった。あらためて残された人生で何をしたいのかを真剣に考えさせられた。また行きたかった旅先はどこだったのかについても考えを巡らせた。前者は「自分史の完成」、後者は「トワイライトエクスプレスで行く北海道ツアー」と記した。

地区社協福祉講座「歯の健康」2018年09月09日

 今年度第1回の地区社協の福祉講座があった。「歯の健康~寝たきりにならないための~」と題して住宅街に3年前に開業された歯科クリニックの院長に講演をお願いした。
 あいにくの大雨警報の中の講座だったが、会場のコミュニティセンターには31名もの受講者が席を埋めた。
 1時半から始まった講座はプロジェクターと手許資料を使って進行した。「猫背の背骨は寝たきり一直線」「噛む健康法(フレッチャー法)」「姿勢と噛み合わせの関係」「誤嚥性肺炎の予防」「忘れてならない食前の口腔ケア」等が約1時間話された。
 たっぷりとって頂いた質問時間は、会場からの質問であっという間につぶれた。「歯科の訪問診療の実際と料金は?」「口腔内の雑菌の状態は?」「歯磨きの最適な時間帯は?」「歯ぐきで食事は可能か?」等々。それぞれに丁寧な説明があり、予定時間を10分ばかりオーバーして閉講した。
 閉講後に別室で研修部メンバーと一緒に講師を囲んで30分ばかり懇談した。講師の奥さんも同席で親近感を覚えるひと時だった。
 5月からスタートした地区社協の新体制では部会運営を重視した。研修部も何回かの部会を開催し今回の講座につながった。研修部長はじめ4人の研修部の皆さんのご苦労にあらためて感謝した。

岡崎医師の公民館講座「在宅医療について」2018年06月22日

 山口公民館講座を受講した。講師はかかりつけ医で福祉ネットアドバイザーでもある山口町おかざきクリニック院長の岡崎医師である。テーマはそのものずばりの「在宅医療について」だった。会場の公民館集会室につめかけた定員を超える60人もの受講生が、山口町唯一の在宅医の「在宅医療」の話しへの関心の高さを窺わせていた。
 「在宅医療と往診の違い」「在宅医療の主な疾患」「在宅医療の多職種の担い手」「在宅医療の内容」「在宅医療のメリット&デメリット」「在宅医療と家族の理解」「在宅医療から入院という選択肢」等の在宅医療に関わる基礎的な情報を多角的に話してもらった。その後、3年に及ぶ在宅医療の経験を踏まえて幾つかの症例の紹介があった。
 以下、個人的に興味深く聴いた点を整理しておきたい。
①在宅医療で訪問できるエリアはクリニックからの直線距離が16km以内である。これは岡崎クリニックの場合、西宮市全域と神戸市北区、宝塚市、三田市がすっぽり収まる広域エリアである。
②山口地区は在宅医が少ないと言われるが神戸市北区や宝塚市の全在宅医の選択が可能で在宅医療を受けられる好環境にある。
③在宅から入院というのも有力な選択肢で決して「負け」ではない。家族介護の負担を軽減する「レスパイト入院」も活用すべき。
④家族の理解、協力こそが在宅医療の不可欠な条件。元気な時からの心がけが大切。
⑤今後力を入れていきたいテーマは、「強化型在宅支援診療所」と「グリーフケア(家族の悲嘆のケア)」。

尼崎・認知症フォーラムの数々の貴重な情報2018年05月13日

 認知症ケアをテーマとした盛りだくさんのフォーラムが阪神尼崎駅近くのあましんアルカイックホール・オクトで開催された。正式な名称は「第20回 生と死を考える市民フォーラム」という地元の著名な在宅医である長尾和宏医師を中心としたフォーラムである。朝10時半から昼食時間を挟んで16時までの長時間のフォーラムだった。800席を擁する会場を埋め尽くす来場者だった。
 冒頭、進行役の長尾医師に紹介されて稲村尼崎市長が祝辞を述べる。続いて今、介護関係者に話題の映画「ケアニン」が上映された(鑑賞料500円)。若い新米の男性介護士の小規模介護施設での奮闘ぶりを通して介護の在り方や家族の関わり方を問うた作品だった。タイトルのケアする人(介護士)をもじった「ケアニン」は「仕事人」をイメージさせ「ケアのプロ」とは何かを暗示している。認知症介護という誰もが直面する問題を考える上で多くの貴重なヒントが得られる作品だった。
 昼食後、フォーラムが始まった。長尾医師による「認知症の基礎知識」をテーマとした30分の基調講演は、スピーチと介護ビデオ上映と替え歌披露といったバラエティショーの趣きだった。
 続いて「感情に働きかけるケア」をテーマに介護のプロと思える加藤忠相氏の1時間余りの特別講演があった。氏は映画「ケアニン」のモデルとなった小規模多機能型居宅介護施設「あおいけあ」の社長である。東北福祉大学社会教育学科を卒業後就職した特養の現場にショックを受け3年後に退社し27歳で現・介護施設を起業。以来44歳の今日まで介護の在り方について真正面から向き合う。ケアニンの施設社長のモデルである。①原因病②症状③行動という認知症介護の各分野について「行動」を問題にし管理し拘束する介護の実態を否定する。何よりも「原因病」に働きかけること(寄り添いやその人らしさの自立支援)を大切にする。また「症状」に対して当事者の性格、素質や心理状態をもとにコミュニケーションを重視する。説得力のある講演だった。
 次にメディア等でも話題の若年性認知症当事者・丹野智文氏の登壇である。「僕、認知症です」をテーマに講演原稿を読み上げる形の30分余りのスピーチだった。「認知症当事者にとって大切なのは人と人とのつながりであり介護者をパートナーと考えられる関係」「できることを奪わないで!」「なぜ失敗したのかは分からなくても失敗したことは分かっている」「認知症カフェも大切だが、当事者同士で語り合えるオレンジドアが拡がってほしい」等々の言葉に注目した。
 最後はこれまでの登壇者に地元のケアマネ、訪問看護士、福祉士、薬剤師を代表する専門職が加わって長尾医師を進行役に「尼からシンポジュウム」となった。 「専門職は自身の専門分野にのみ目を奪われがち。もっと患者という人や生活をみるべき」「認知症当事者が一緒に意思決定ができる機会を」「認知症になって当たり前の世の中がくる。認知症はマイノリティでなくメジャーになる時代にどう備えられるか」等の話に共感した。
 長時間の貴重な情報をいっぱい手にして帰路についた。

歴史講座「公智神社出土銭から分かること」2018年04月25日

 市立図書館山口分室の歴史講座を受講した。「山口町の歴史と公智神社――境内から出土した銅銭から分かること――」をテーマに市立郷土資料館学芸員の西川卓志氏からお話を聴いた。講座は山口の歴史に関する初めて聴く考古学的な内容の話しであり、極めて説得力のある興味深いものだった。
 最初に公智神社境内からの銅銭出土の経緯と意味するものが語られた。1974年の木造拝殿のコンクリート造りへの立替え工事中に4591点の銅銭出土が確認された。ほとんどが中国銭で最新鋳造銭は宣徳通寶(1433年初鋳造)だが、無文銭2点も確認された。
 これにより埋蔵された時期が推定できる。少なくとも宣徳通寶流通後の15世紀半ば以降であり、且つ無文銭の形状から16世紀中ごろの堺環濠遺跡発掘調査で確認された無文銭鋳型に合致することから16世紀半ば以降の埋蔵と推定される。
 ではなぜこの地に大量の銅銭が埋蔵されたのか。公智神社はもともとこの地で創建されたのではなく遷座されたと推定される。本殿直近からの出土はこの地への遷座に際して地鎮の意味があったのではないか。古来、土地は神から贖うという信仰があった。以上のことから、公智神社遷宮は16世紀半ばということを銅銭出土が物語っている。
 私の住まいのすぐ近くの公園に公智神社鎮座跡と刻まれた石碑が建っている。石碑には西暦千年頃にこの地にあった公智神社が現在地に遷座されたと記されている。根拠は何もないが石碑という重さの前で単純にそれを信じていた。その根拠がいかに希薄だったかを思い知らされた。考古学的アプローチの楽しみを大いに味わった講座だった。

有馬ホールの認知症サポート劇2018年03月25日

 今年もありまホールで北神医療介護サポートセンターの地域住民向けフォーラムが開催された。センターに所属する医療介護の関係者による素人劇である。今回は「裕次郎さん、認知症サポーターになる!」をテーマにした認知症サポートの解説劇だ。
 15時開演のホール前に14時半過ぎに到着したが、既に大勢の観客が列をなしている。前回好評だったことあり、身近な医療や介護関係者の素人劇が予想以上に関心を呼んでいる。
 三幕5場の2時間余りの上演だった。60人ほどの出演者に加えて20人以上の製作スタッフが参加している。これだけでもこのイベントの凄さが窺える。観客へのアナウンス以上に北神地区の関係者間の絆の強さを育んでいるに違いない。
 劇の内容自体は私も承知しているごく一般的なものだった。劇という媒体で認知症サポートをアナウンスするのだから可能な限り平易な表現になるのは当然だろう。脚本はそうした意図を汲んで分かりやすくギャグを織り交ぜたなかなかの出来栄えだった。出演者たちがせりふを覚えきらずにメモを片手に演じる様も良しとしよう。誰もがおっかなびっくりに認知症という未知の世界と向き合うのだから。
 素人集団の未知との遭遇に果敢にチャレンジする姿に拍手した。

コープ委員会「お肉の学習会」2017年12月14日

 最寄りの店のコープ委員会主催の「お肉の学習会」があった。10時前に組合員集会室に行くと、三つに分かれたテーブルに土鍋と野菜のボールが並んでいた。学習だけでなく試食もあるようだ。
 11名のコープ委員を前に講師の講義が始まった。講師は昨年まで最寄り店担当の地区本部マネジャーだった方で畜産部門の経験者という経歴を買われての登板のようだ。1時間半に渡って鶏肉と豚肉についてみっちり講義があった。地鶏とブロイラーの違い、鶏肉の部位の特性やコープス・フードプラン「薩摩元気豚」のこだわりポイントなどを学んだ。
 おまけの解説で和牛と国産牛の違いも教えてもらった。和牛とは「黒毛和牛主」のことで商品名にこの記載がない限りどんなこだわり表現であれ和牛ではない。では国産牛とは何か。乳牛であるホルスタイン種のお肉である。元来、肉牛として育てられていないため価格、品質とも和牛に劣る。ナルホド。
 講義の後、試食会となった。豚肉のかたロース、もも、ばらがたっぷり用意されていた。鍋用ダシを入れた鍋を沸騰させ野菜を煮た後、豚肉を順次鍋に入れていく。しゃぶしゃぶ風のお肉を美味しくいただいた。続いて鶏のむね肉を投入するが、鍋料理にはイマイチというのがテーブル仲間の感想である。異議なし。最後に鍋をフライパンに替えて残った鶏肉を焼き鳥にする。こちらは塩こしょうで味付けしたアツアツの焼き鳥で鶏肉の持ち味を発揮してことのほか美味しい。
 12時半頃には試食会を終えて学習会が幕を閉じた。