一通の喪中挨拶状2017年10月26日

 一通の喪中挨拶状が届いた。差出人は年賀状の宛先人ではない。同じ姓のご婦人の名前だった。「夫、○○が9月26日に永眠しました」とある。学生時代の友人M君のちょうど一カ月前の死を告げる挨拶状だった。
 大学卒業後に郷里の広島に戻ったM君とは以来一度も会うことはなかった。年賀状だけがお互いの消息を伝える仲だった。それでも青春真っ只中の学生生活で同じクラスの名簿の近い一時期を同じ下宿の隣り合わせの部屋で過ごした友だった。
 同年代や同年齢の知人たちの訃報連絡や喪中挨拶状を受け取る機会が多くなる年代を迎えた。そのつど共通の思い出や互いの絆を思い起こすことになるだろう。それは知人たちに私の思い出や絆を振り替えさせる時が忍び寄っていることを意味している。
 柔道部に所属し大柄でおおらかな性格のM君と四畳半一間の部屋でサントリーレッドを酌み交わしながら屈託のないひと時を過ごした思い出がよみがえった。

交遊録「小っちゃなお友だち」2017年09月29日

 パソコンデスクに向かっていた私に玄関先から家内が声をかけた。「お父さん!リョウ君が来たでッ」。玄関にはお向かいのお孫さんが靴を脱いで上がろうとしている。「リョウ君、またアンパンマン見るか?」と声を掛けると「ウン見る」と嬉し気に答える。
 リョウ君は花ちゃんより2カ月ばかり大きいお兄ちゃんだ。2カ月ほど前に花ちゃんと里帰りが一緒になった時はすぐに仲良しになって遊んだお友だちだ。花ちゃんが帰宅した後もお友だちのじいちゃんにもなついてひとりで遊びに来た。その時にパソコンでアンパンマンの動画を一緒に見てご機嫌だった。そのリョウ君が再び里帰りしたのだ。
 我が家のリビングに入ってすぐにパソコン前に陣取った。ディスプレイに映し出されたアンパンマンの歌に合わせて踊ってみせた。前回にない成長ぶりだ。
 小っちゃなお友だちと束の間の旧交を温めた。この記事のカテゴリーは「じじバカ日誌」ではなく「交遊録」としよう。

大学同窓三人のホテル・フルーツフラワーでの一泊懇親会2017年09月04日

 大学時代の同郷の友人の現役生活を終えたという挨拶状が届いた。古希を越えて尚、東京で単身赴任生活を送っていたがようやく郷里の姫路に戻ったという知らせでもあった。大学時代はもうひとりの同郷の友人と三人でとりわけ懇意にしていた。
 早速、三人でやりとりをして懇親会を持つことになった。大学卒業後50年の歳月が流れた何十年ぶりかの再会である。二~三時間の呑み会では収まらない。神戸市北区のホテル・フルーツフラワーの日曜夜の格安宿泊プランを予約した。
 日曜の15時に我が家に集合してもらった。顔見知りでもある家内も交えてしばらく歓談して車で20分ほどのホテルに向かった。チェックインし大浴場で汗を流した後、レストランでバイキング料理を肴にビールや焼酎で呑み交わした。夕食後も部屋で引続き自販機のビールで呑みなおした。
 それぞれのその後の来し方が披露された。リタイヤ直後の技術者だった友人は中国でのプラント立上げ等で苦労があったようだ。工学部卒業後医学部に転入し医者になったもうひとりの友人は今尚地元で町医者を続けている。とはいえ開業医の仕事は古希を越えた身には想像以上にきつそうだ。できればリタイヤしたいという想いと地域医療を支える使命感との葛藤が吐露される。12時近くまで歓談しようやく一つ部屋で眠りに着いた。
 診察時間に間に合うように帰宅したいという友人に合わせて6時45分のオープン直後の朝食バイキングにありついた。もうひとりの友人の車で我が家まで送ってもらいしばし歓談して別れた。久々の再会を存分に歓談し合った懇親会だった。

大学先輩ご夫婦と山里料理仁木家で懇親2017年06月29日

 今もお付き合いの続いている大学時代のサークルの先輩がいる。昨日、久々に懇親の場を持った。私のブログを通じてぜひ味わってみたいという意向が伝わった山里料理仁木家にご案内した。
 我が家で合流して頂きマイカーに同乗して三田の仁木家に向かった。11時過ぎに新緑のまぶしい見晴らしの良い奥の個室に案内された。予約しておいた野菜とそばの懐石(3,300円)が運ばれる。生野菜、八寸、変わり蕎麦、生姜ご飯、鮎の塩焼き、野菜の天麩羅、ざる蕎麦、果物&アイス、ドリンクのコースだった。仁木家ならではの生野菜の美味しさはいうまでもないが今回初めて味わった鮎の塩焼きが格別だった。
 二時間ばかりのコース料理の合間合間にじっくり歓談した。リタイヤ後のご夫婦の共通の営みである有機栽培の野菜やコメ作りの話題に花が咲く。家庭菜園を始めたばかりの家内は興味津々である。野菜づくりの手ほどきをあれこれ伺っている。旅行の話でも盛り上がった。昨今の嘆かわしい政治情勢にも共通するスタンスで愚痴りあった。
 1時にはお店を後にして再び我が家で歓談した。今度はどちらかと言えば私の近況が中心だった。民生委員経験という共通の話題もある。超高齢社会の地域の在り方や老々介護の苛酷な現実等が話題になる。お互い古希を越えた身である。終活に向けた備えなどにも話題が及ぶ。更に2時間ばかりの懇談の末に辞去された。久々に忌憚のない会話で過ごした愉しい時間だった。

久々に労働運動を語った2017年06月08日

 一カ月ほど前に東京のさる私立大学の経済学部教授から突然のメールを頂いた。我が国のチェーンストアの労使関係についての研究者で1970年代から1980年代のチェーンストア労働界や出身労組の動向についてのインタビュー取材の申入れだった。現役時代に懇意にしていた業界労組OBの紹介だった。了承する旨返信し取材の日程と場所を打合せた。
 その取材の日を迎えた。13時にJR宝塚駅改札口で落ち合い、最寄りのホテルラウンジで2時間に渡って取材に応じた。取材内容は多岐にわたった。当時のチェーンストア労働界を支えた人物像という視点での私自身のプロフィール、出身労組の結成の経過やその後の活動状況、経営側の労組や上部組織についての認識や対応、チェーン労協等の上部組織との関わりや流通産別構想についての対応や意見、企業内における労組の役割・機能についての意見等々である。
 私のHPに掲載した関係する著述を事前に紹介しておいた。そのこともあってかよく情報を把握された上でのポイントを押さえた質問があいついだ。私の労働運動経験の集大成ともいえるチェーンストアエイジ・ニュースへの寄稿論文 http://www.asahi-net.or.jp/~lu1a-hdk/ronbun3-1.htm も10数年前に読まれたとのこと。その頃からいつか取材をしたいと思っていたという嬉しいお言葉も頂いた。出身労組のパート組合結成直後にも来訪して取材したということもお聞きした。初対面ながら実際には様々なつながりがあったのだ。
 飾らない実直なお人柄で謙虚に耳を傾ける取材姿勢に、ついつい饒舌に突っ込んだ裏話も含めてお話しした。20歳若い働き盛りの研究者を相手に、久々に20代から30代の意気盛んだった頃の体験の思いのたけをぶつけさせて頂いた。

ご近所のおじいさんの遺品の「ゴルゴ13」2017年05月31日

 ご近所のひとり暮らしのおばあさん宅に出かけていた家内が紙袋を提げて帰ってきた。なんと紙袋の中身は劇画「ゴルゴ13」の7冊の単行本だった。
 私も民生委員として何度も訪ねたお宅である。昨年おじいさんが亡くなり仏壇にお参りした。おばあさんはおじいさんの死から1年近く経ちようやくひとり身の生活に向き合う気持の整理がついたのだろう。家内が訪ねた時、おじいさんの遺品の処理の最中だった。そのひとつがくだんのゴルゴだった。私自身も現役時代にはよく読んだ作品である。我が家にもかつて単行本が書棚の一角を占めていた。そんなよもやま話の末に家内はおじいさんの遺品を持ち帰ることになったようだ。
 家内から事情を聞き、7冊の単行本をあらためて手に取って眺めた。あの人もこの作品の愛読者だったのかと、おじいさんの面影を懐かしく思い起こした。昨日、今日と一気に読了した。久々のゴルゴはリタイヤ後の私には少し距離ができていた。世界を股にかけ国際政治にもコミットして活躍するゴルゴはやっぱり現役世代のヒーローだった。そんな感想を抱きながら、80歳を超えたおじいさんが晩年に尚ゴルゴを読んでいたということを知ってチョッピリ尊敬した。

現役仲間のミニ懇親会2017年05月24日

 現役時代の職場仲間から懇親会の誘いがあった。10人ばかりのグループが定期的に大阪難波で呑み会を続けている。リタイヤ後に九州に転居したメンバーが久々に来阪するということでの開催となった。ところが多くの仲間が都合がつかず結果的に三人だけのミニ懇親会となった。
 私自身も明日午前中に前立腺肥大症のPSA血液検査が予定されている。前日の飲酒は厳禁で、事実、前々日の飲酒でもPSA検査は敏感に反応し基準値4を超えることが多かった。とはいえこの呑み会には地域活動と重なりかなりご無沙汰していた。意を決して飲酒なしの参加という個人的には苛酷な選択をした。
 12時前に三人が難波駅近くの居酒屋二階に陣取った。仲間二人が生ビールを注文するのを尻目にノンアルコールビールを注文した。届けられたのはアサヒ・ドライ・ゼロ銘柄の小瓶だった。ノンアルコールはこれまで試し呑み程度の経験しかない。ビールもどきと侮っていた。本格的に味わうのは初めてだったが、呑んでみて意外とイケルと思った。アルコール特有の刺激はないがビール風の味わいはある。結局もうひと瓶追加した。
 九州に転居した友人の奥さんは訪問看護士である。地域の高齢者医療に意欲的に取り組んでいるとのこと。しばしば看取りの現場にも立ち会うという。地域包括ケアへの関心が深い私とそんな話題で盛り上がった。
 呑み会の席で一切アルコールを口にしなかった自分自身をほめながら1時半頃には仲間たちと別れを告げた。

五分咲の桜ノ宮公園で現役同期の花見会2017年04月04日

 毎年この時期に現役時代の同期のお花見会が開催される。場所は大阪の天満橋駅の大川を挟んだ向かい側の桜ノ宮公園である。過去6回ほど開催されているようだが、地域行事と重なって私は今回2回目の参加だった。
 ほとんど出かけることがなくなった大阪の喧騒を愉しみながら天満橋駅で下車した。京阪シティモールの食品売り場でお花見弁当を、会場近くのコンビニでビールを調達した。弁当とお酒は各自持参がこの会の習わしである。天満橋北詰から公園に入り仲間たちをさがして西に向かった。五分咲のさくら並木がなんとかお花見の風情を醸していた。
 ほどなくブルーシート前で缶ビールを手にした二人を見つけた。追加ビールを調達しに行った幹事役も戻り、遅参のメンバーも加わって最終的に総勢8人の旧友たちが顔を揃えた。各自の近況、旧友の訃報、現役時代の思い出話が相次いだ。そんな中で最も盛り上がったのが寄る年並みにふさわしい健康問題である。認知症予防の対策やら健康番組の実践やらでいかに健康を維持しているかの談議に花が咲いた。
 夕方の地域の会合が待っていた。2時過ぎに仲間たちに別れを告げて一足先に帰路についた。

傘寿間近の知人の悠々たるつれづれ2017年03月26日

 現役時代の知人で労組活動の先輩でもある知人から著作を贈って頂いた。まもなく傘寿を迎えようという年配で悠々自適の中に尚社会法人の理事等を引き受けながら地域と関わっておられる。そんな日々のつれづれを綴った自費出版の著作である。
 労組活動、流通業での職場復帰、リタイヤ後の民生委員等の地域活動という彼の経歴は私の人生の軌跡に重なる部分が多い。それだけに綴られた想いは多くの点で共感できる。著作は端的に言えば「日本の政治状況に対する憂い」と「終活の勧め」ということだろう。
 日本の政治状況については、市場経済のグローバル化の果てに貧富の格差が極限にまで及んいる。その貧困と格差社会を招いた新自由主義政策の背景と経過が丁寧に述べられ、その延長線上のアベノミクスがめざす危険な「原発推進」「兵器産業振興」と「国家主義の復活」の潮流が指摘される。富が少数者に集中する経済構造は貧困層の劇増による社会負担の減少と福祉需要の増大をもたらし社会保障財源の破綻の危機が迫っている。2025年問題はこれに拍車をかけ絶望的な超高齢社会の到来が予想される。
 もうひとつのテーマは著者にとっても身近な問題である「終活」である。煎じ詰めれば「死と向き合い、受け止め、準備する」ということ。そのための「エンディング・ノート、遺言書、遺産相続、葬儀の準備」が促され、健康寿命を延ばし認知症リスクを予防する実践的な心得が説かれる。それぞれに各種のノウハウ本でも入手できる情報もあるが、著者の実践に裏付けられた情報だけに説得力を持っている。
 傘寿間近の知人の悠々たるつれづれの日々を垣間見た。

中学旧友の郷里の郷土史の労作2017年02月03日

 レターパック便が届いた。開封すると待っていた書籍がでてきた。タイトルは「飾磨の歴史書 飾万里基解録(しかまのさときかいろく)――伝承と史実――」とある。
 一週間ほど前に3年ぶりの中学校同窓会に参加した。その時に出会った旧友のひとりから「郷里の郷土史を永く研究しており、このほどその成果を出版した」という話を聞いた。私も故郷を離れて在住の山口町の郷土史をテーマとした公民館講座を15回続けている。話が弾み「出版の書籍をぜひ分けてほしい」と頼んだところ快諾してもらった。その書籍が届いたのだ。
 同窓会のその日のうちにしたためられた挨拶書面が同封されていた。それによると彼が代表をつとめる「飾磨津を語る会」の平成26、27年度の活動成果のようだ。A4、80頁に及ぶ冊子である。書籍の内容は古文書「飾万里基解録(神戸大学付属図書館住田文庫所蔵)」の解説のようだ。出典の「飾万里基解録」は、江戸中期の寛延二年の古文書で、卒業中学校の校区に相当するエリアの地誌ともいえる内容のようだ。ざっと目を通しただけで綿密な考察によるレベルの高い著作のようだ。
 老後の楽しみができた。時間を見つけて読み継ぎたい。