人権・同和教育という新たな活動分野への参加 ― 2012年05月18日
新たなボランティア活動の初参加の日である。西宮市人権・同和教育協議会(西同協)の委員の一人として今日の定期総会に参加した。
山口地区の民生委員・児童委員協議会からの派遣である。前任者は6年続けて派遣されており、派遣者の検討の場で交替は必死の雰囲気だった。ところが引受け手が中々決まらない。私の二年間の補導委員終了が念頭にある会長から強い打診があった。結局次の条件を付けて引受けた。「人権・同和教育といった活動は本来より多くの人が経験すべき分野の筈。1年後には必ず新たなメンバーに交替することを会として確認するなら引き受けたい」。そんな経過での新たな活動への参加だった。
会場の市立勤労会館ホールをほぼ満席の委員が埋めていた。出席者に若いお母さんたちの姿が目立った。渡された議案書に目を通すと就業前教育、小学校、中学校、高校・大学、進路保障、PTA、女性、社会教育、企業、広報の9専門部で構成されている。圧倒的に多い学校関係者や保護者代表の多くが若いお母さんたちのようだ。こうした分野の活動に若いお母さんたちが多数参加しているのは意外だったが、子どもたちへの人権教育への波及という点からは素直に喜こばしいと思った。
1時半から始った総会は型通りの式次第で坦々と進行した。今年度運動方針案について恐らく異例の唯一の質問があった。橋下大阪市長が大阪人権博物館の運営補助金廃止を言及しその存続が危ぶまれていることについての質問だった。人権に関する貴重な施設の存続を望む立場から西同協役員としての考えを質したものだ。「関係自治体の判断に属する問題で言及する立場にない。個人的な意見としては補助金廃止は残念だ」との会長答弁は、紋切り型でないギリギリの誠実さとして受け止めた。
山口地区の民生委員・児童委員協議会からの派遣である。前任者は6年続けて派遣されており、派遣者の検討の場で交替は必死の雰囲気だった。ところが引受け手が中々決まらない。私の二年間の補導委員終了が念頭にある会長から強い打診があった。結局次の条件を付けて引受けた。「人権・同和教育といった活動は本来より多くの人が経験すべき分野の筈。1年後には必ず新たなメンバーに交替することを会として確認するなら引き受けたい」。そんな経過での新たな活動への参加だった。
会場の市立勤労会館ホールをほぼ満席の委員が埋めていた。出席者に若いお母さんたちの姿が目立った。渡された議案書に目を通すと就業前教育、小学校、中学校、高校・大学、進路保障、PTA、女性、社会教育、企業、広報の9専門部で構成されている。圧倒的に多い学校関係者や保護者代表の多くが若いお母さんたちのようだ。こうした分野の活動に若いお母さんたちが多数参加しているのは意外だったが、子どもたちへの人権教育への波及という点からは素直に喜こばしいと思った。
1時半から始った総会は型通りの式次第で坦々と進行した。今年度運動方針案について恐らく異例の唯一の質問があった。橋下大阪市長が大阪人権博物館の運営補助金廃止を言及しその存続が危ぶまれていることについての質問だった。人権に関する貴重な施設の存続を望む立場から西同協役員としての考えを質したものだ。「関係自治体の判断に属する問題で言及する立場にない。個人的な意見としては補助金廃止は残念だ」との会長答弁は、紋切り型でないギリギリの誠実さとして受け止めた。
藤沢周平著「決闘の辻」 ― 2012年05月17日
藤沢周平の「決闘の辻」を再読した。サブタイトルに「藤沢版新剣客伝」とあるように歴史上の人物でもある剣客たちを題材とした短編5編を納めた作品集である。
宮本武蔵(「二天の窟」)、神子上典膳(「死闘」)、柳生但馬守宗矩(「夜明けの月影」)、諸岡一羽斎と弟子たち(「師弟剣」)、愛洲移香斎(「飛ぶ猿」)がその内容である。誰でも知っている著名な剣客もいれば、初めて知った人物もいる。
藤沢周平の剣客小説としては隠し剣シリーズをすぐに思い浮かべるが、この作品集はまったく趣きを異にする。隠し剣が作者の創造した物語性の強い情感あふれる時代小説であるのに対し、こちらは歴史小説に近い作風である。
この作品群のテーマは剣客たちの人物像を作者の独自の視点で描くことにあったのではないか。個人的には宮本武蔵と柳生但馬守宗矩を描いた作品が面白かった。主人公の心理描写を描きながら彼らの剣の奥義に対するこだわりを浮かび上がらせる手法はさすがである。隠し剣ほどの物語性や作者独特の情感も乏しい。それは作者のこの剣豪歴史小説ともいうべき新たなジャンルの作風に挑む上で敢えて捨象されたものと思われる。
藤沢周平という類まれな時代小説作家の独自のジャンルを味わえる作品群だった。
宮本武蔵(「二天の窟」)、神子上典膳(「死闘」)、柳生但馬守宗矩(「夜明けの月影」)、諸岡一羽斎と弟子たち(「師弟剣」)、愛洲移香斎(「飛ぶ猿」)がその内容である。誰でも知っている著名な剣客もいれば、初めて知った人物もいる。
藤沢周平の剣客小説としては隠し剣シリーズをすぐに思い浮かべるが、この作品集はまったく趣きを異にする。隠し剣が作者の創造した物語性の強い情感あふれる時代小説であるのに対し、こちらは歴史小説に近い作風である。
この作品群のテーマは剣客たちの人物像を作者の独自の視点で描くことにあったのではないか。個人的には宮本武蔵と柳生但馬守宗矩を描いた作品が面白かった。主人公の心理描写を描きながら彼らの剣の奥義に対するこだわりを浮かび上がらせる手法はさすがである。隠し剣ほどの物語性や作者独特の情感も乏しい。それは作者のこの剣豪歴史小説ともいうべき新たなジャンルの作風に挑む上で敢えて捨象されたものと思われる。
藤沢周平という類まれな時代小説作家の独自のジャンルを味わえる作品群だった。
その後の「野ざらしの珪化木」 ― 2012年05月16日
半年ほど前にこのブログで、「野ざらしの珪化木」を記事にした。 http://ahidaka.asablo.jp/blog/2011/11/14/6201787 有馬川沿いの山中南側の田圃に発掘されたままの状態で大きな珪化木が野ざらしにされていたのだ。その後、その田圃は宅地化されて戸建住宅の建築工事が進められていた。
今日、その近くの自治会館で開かれているふれあい喫茶に顔を出した。コーヒーとお菓子をよばれながら1時間ばかり知人たちと懇談した。その帰りに思いついて「野ざらしの珪化木」のその後を見に行った。
建築中だった住宅はすっかり完成し、ブロック塀に囲まれた庭も更地状態ながら整備されていた。その庭先にかの大きな珪化木は立派な庭石として鎮座していた。更地だけの庭にはもったいないほどの風格のある庭石である。それもその筈、その実態は何といっても古代の樹木の化石なんだから。いずれにしろ「野ざらしの珪化木」問題は、これにて一件落着したということか。
今日、その近くの自治会館で開かれているふれあい喫茶に顔を出した。コーヒーとお菓子をよばれながら1時間ばかり知人たちと懇談した。その帰りに思いついて「野ざらしの珪化木」のその後を見に行った。
建築中だった住宅はすっかり完成し、ブロック塀に囲まれた庭も更地状態ながら整備されていた。その庭先にかの大きな珪化木は立派な庭石として鎮座していた。更地だけの庭にはもったいないほどの風格のある庭石である。それもその筈、その実態は何といっても古代の樹木の化石なんだから。いずれにしろ「野ざらしの珪化木」問題は、これにて一件落着したということか。
続・その後の「飼犬ジョン」 ― 2012年05月15日
朝の散歩で有馬川土手道を折り返した。向うからご近所の同年輩のご主人がやってきた。以前、野良犬だったジョンが飼犬になったというハッピーな結末を教えてもらった方だ。http://ahidaka.asablo.jp/blog/2012/02/27/6349501 そういえば先日、ジョンが同じ家の飼犬仲間と一緒に楽しげに散歩している姿を見かけた。思わずご主人に声をかけた。「あの野良犬も今は幸せに暮らしているようですね」。返された情報は意外なものだった。
「犬好きの奥さんに飼われて、先に飼われていた二匹とも仲良しになったようです。ところが、その後エライ事件が起こったんです。奥さんに連れられて散歩していた三匹の犬が、この有馬川沿いの土手道でヌートリア親子に遭遇したんだそうです。親ヌートリアに噛みつかれて血だらけになった三匹を連れて帰った奥さんから連絡をもらいました。一緒に動物病院に行って緊急手術を受け、何とか今は回復したようです。結局、8万円ほど費用がかかったと聞いています」。
穏やかな散歩道で繰り広げられた惨劇を想像した。親ヌートリアにすれば子を守るための必死の闘いだったのだろう。1対3の闘いながら犬たちの方が一方的にやられたようだ。牙を失くした飼犬たちは野生の凶暴さの前になすすべがなかったのか。三匹のなかでジョンが最も深手を負ったという。最も野生の血を残したジョンが最もよく闘った結果なのだろう。
新緑のさくら並木を歩きながら、どこまでも波乱に満ちたジョンのこれからの穏やかな生活を祈った。
「犬好きの奥さんに飼われて、先に飼われていた二匹とも仲良しになったようです。ところが、その後エライ事件が起こったんです。奥さんに連れられて散歩していた三匹の犬が、この有馬川沿いの土手道でヌートリア親子に遭遇したんだそうです。親ヌートリアに噛みつかれて血だらけになった三匹を連れて帰った奥さんから連絡をもらいました。一緒に動物病院に行って緊急手術を受け、何とか今は回復したようです。結局、8万円ほど費用がかかったと聞いています」。
穏やかな散歩道で繰り広げられた惨劇を想像した。親ヌートリアにすれば子を守るための必死の闘いだったのだろう。1対3の闘いながら犬たちの方が一方的にやられたようだ。牙を失くした飼犬たちは野生の凶暴さの前になすすべがなかったのか。三匹のなかでジョンが最も深手を負ったという。最も野生の血を残したジョンが最もよく闘った結果なのだろう。
新緑のさくら並木を歩きながら、どこまでも波乱に満ちたジョンのこれからの穏やかな生活を祈った。
補導委員で垣間見た異次元の世界 ― 2012年05月14日
今日、4時から最後の街頭補導を行った。来週開催の補導委員北部地区反省会が補導委員としての最後の活動だが、街頭補導は今日が最後である。
月4回の1時間程度のパトロールである。これを2年間に渡って続けた。雨や雪で2年間で5回ほど中止したものの90回ほどの街頭補導をこなしたことになる。補導委員地区代表者も兼務したのでこれに月一回の代表者会出席も必要だった。毎週の定期補導と毎月の代表者会出席というこのボランティア活動はスケジュール的には正直きつかった。
反面得るところもあった。担当地区の同僚委員の多くは小中学校のPTA派遣の30代、40代のお母さんたちである。街頭補導中のお母さんたちの生態に圧倒された。とにかくよくしゃべる。家内の日常からすれば想定内の実態ではあるが、あらためて主婦共通の生態であることを教えられた。話題の中心は何といっても子どもの進学、進路問題だ。これを中心に学校や先生ネタが次々と展開される。年度替りともなるとPTAの役員交替問題で一気にヒートアップする。
補導委員をやらなければ決して接することのなかった筈の異次元の世界を垣間見た。
月4回の1時間程度のパトロールである。これを2年間に渡って続けた。雨や雪で2年間で5回ほど中止したものの90回ほどの街頭補導をこなしたことになる。補導委員地区代表者も兼務したのでこれに月一回の代表者会出席も必要だった。毎週の定期補導と毎月の代表者会出席というこのボランティア活動はスケジュール的には正直きつかった。
反面得るところもあった。担当地区の同僚委員の多くは小中学校のPTA派遣の30代、40代のお母さんたちである。街頭補導中のお母さんたちの生態に圧倒された。とにかくよくしゃべる。家内の日常からすれば想定内の実態ではあるが、あらためて主婦共通の生態であることを教えられた。話題の中心は何といっても子どもの進学、進路問題だ。これを中心に学校や先生ネタが次々と展開される。年度替りともなるとPTAの役員交替問題で一気にヒートアップする。
補導委員をやらなければ決して接することのなかった筈の異次元の世界を垣間見た。
リタイヤ生活の良き友 ― 2012年05月13日
昨晩、地域の同世代の友人Fさんと「焼き鳥・鳥進」で懇親した。在住の住宅街から派遣された公民館活動推進員で、私のこれまでの6回に及ぶ山口の公民館講座の窓口担当者である。2010年5月に開講した第1回講座以来2年以上のおつき合いである。昨日は、今年秋の講座の打合せが目的だった。
これまでの折りにふれた懇談であらましのテーマは共通していた。旧国鉄有馬線紹介の室内講座と線路跡を訪ねる散策講座である。旧国鉄有馬線については個人的にもぜひ開講しなければならない事情があった。同じ町内の大先輩がかって公民館講座で話されたテーマである。民生委員として関わりがあり共通のテーマとして懇談もした。その後、高齢になって膨大な資料を私に託された。これに自分でもHP山口風土記でアップした資料を加えて、より詳細で奥行きのある講座を目指そうと思った。
Fさんの方も、公民館講座にかける想いは深い。新興住宅街在住ながら山口の歴史、伝統、風物をこよなく愛し、公民館講座を通じて地域住民にぜひ伝えたいという。その山口も街道や川や鉄道などで隣接地域と繋がっている。かっての「有馬郡」が広い意味での郷土といえ、山口風土記は自ずと有馬郡風土記に広がる筈。その意味でも三田、道場、山口、有馬を結んだ国鉄有馬線はぜひ講座で取上げてほしいとのことだった。
これまでもFさんとは1度呑みかわしたことがある。その時も思ったが、これほど問題意識が共有でき気心が合う人も稀である。今回の懇親でもその想いが一層深まった。リタイヤ生活で良き友を得ることはかけがえのない宝といえる。2時間余りをおおいに語らい合って愉しく過ごした。
これまでの折りにふれた懇談であらましのテーマは共通していた。旧国鉄有馬線紹介の室内講座と線路跡を訪ねる散策講座である。旧国鉄有馬線については個人的にもぜひ開講しなければならない事情があった。同じ町内の大先輩がかって公民館講座で話されたテーマである。民生委員として関わりがあり共通のテーマとして懇談もした。その後、高齢になって膨大な資料を私に託された。これに自分でもHP山口風土記でアップした資料を加えて、より詳細で奥行きのある講座を目指そうと思った。
Fさんの方も、公民館講座にかける想いは深い。新興住宅街在住ながら山口の歴史、伝統、風物をこよなく愛し、公民館講座を通じて地域住民にぜひ伝えたいという。その山口も街道や川や鉄道などで隣接地域と繋がっている。かっての「有馬郡」が広い意味での郷土といえ、山口風土記は自ずと有馬郡風土記に広がる筈。その意味でも三田、道場、山口、有馬を結んだ国鉄有馬線はぜひ講座で取上げてほしいとのことだった。
これまでもFさんとは1度呑みかわしたことがある。その時も思ったが、これほど問題意識が共有でき気心が合う人も稀である。今回の懇親でもその想いが一層深まった。リタイヤ生活で良き友を得ることはかけがえのない宝といえる。2時間余りをおおいに語らい合って愉しく過ごした。
犯罪被害者支援の日本の現状 ― 2012年05月12日
一昨日、和歌山市内で開催された労働委員会労働者委員の近畿ブロック連絡会総会に出席した。近畿二府四県の労働委員会労働者委員の連絡会で毎年この時期に持ち回りで総会が開催される。
総会では各府県の取組み報告がある。どの府県も概ね事務局作成の事件取扱状況、最近の傾向、特徴的な事件の概要などを中心に報告される。大阪は私から報告するよう事前に幹事から要請され、内容も事務局作成資料でなく大阪での特徴的な動向をトピックス風に紹介することを打合せた。報告では「大阪での労働者委員11名の情報共有、経験交流などの定例会開催」「大阪の労働委員報酬の4月からの日額制移行の概要」「大阪市職員アンケート事件の経過」を取上げた。
総会のメインは開催県の労働委員会会長などによる研究会である。今回は和歌山県労働委員会長の有田弁護士の「犯罪被害者支援の法制度」の講演だった。氏は14年前の和歌山毒物カレー事件の被害者支援弁護団の活動を契機に、被害者支援活動に尽力し、現在、日弁連犯罪被害者支援委員会委員長でもある。
「なぜ犯罪被害者保護が必要なのか」「被害者支援の歩みと日本の現状」などが、和歌山毒物カレー事件の実態などを交えて解説された。
日本が欧米先進国などに比べて、被害者の刑事手続きへの参加などの法整備面や、国の被害者給付金の支給額等の補償面において大きく遅れていることを教えられた。何の責任もないのに一方的に多大な被害を受けてしまった犯罪被害者たちの精神的・経済的苦痛ははかりしれない。犯罪被害者はマスコミ報道によってしばしば二次被害を受けやすい。刑事手続きに対しても被害者証言は単なる証拠のひとつに過ぎなかった。2004年にようやく犯罪被害者等基本法が成立し、被害者支援の枠組みが固まった。
従来ほとんど関心の枠外にあった「犯罪被害者支援」というテーマに初めて向き合わされた気がした講演だった。
総会では各府県の取組み報告がある。どの府県も概ね事務局作成の事件取扱状況、最近の傾向、特徴的な事件の概要などを中心に報告される。大阪は私から報告するよう事前に幹事から要請され、内容も事務局作成資料でなく大阪での特徴的な動向をトピックス風に紹介することを打合せた。報告では「大阪での労働者委員11名の情報共有、経験交流などの定例会開催」「大阪の労働委員報酬の4月からの日額制移行の概要」「大阪市職員アンケート事件の経過」を取上げた。
総会のメインは開催県の労働委員会会長などによる研究会である。今回は和歌山県労働委員会長の有田弁護士の「犯罪被害者支援の法制度」の講演だった。氏は14年前の和歌山毒物カレー事件の被害者支援弁護団の活動を契機に、被害者支援活動に尽力し、現在、日弁連犯罪被害者支援委員会委員長でもある。
「なぜ犯罪被害者保護が必要なのか」「被害者支援の歩みと日本の現状」などが、和歌山毒物カレー事件の実態などを交えて解説された。
日本が欧米先進国などに比べて、被害者の刑事手続きへの参加などの法整備面や、国の被害者給付金の支給額等の補償面において大きく遅れていることを教えられた。何の責任もないのに一方的に多大な被害を受けてしまった犯罪被害者たちの精神的・経済的苦痛ははかりしれない。犯罪被害者はマスコミ報道によってしばしば二次被害を受けやすい。刑事手続きに対しても被害者証言は単なる証拠のひとつに過ぎなかった。2004年にようやく犯罪被害者等基本法が成立し、被害者支援の枠組みが固まった。
従来ほとんど関心の枠外にあった「犯罪被害者支援」というテーマに初めて向き合わされた気がした講演だった。
和歌山城の散策 ― 2012年05月11日
昨日のお昼頃と今朝早くに和歌山城とその周辺を散策した。昨日の午後から今朝まで労働委員会労働者委員の近畿ブロック連絡会総会があった。その会場が和歌山城の北側お堀前のホテルだった。
南海電車の和歌山市駅に11時42分に着いた。13時30分の総会までたっぷり時間はある。駅構内の高島屋でお弁当を買ってお城に向かった。徒歩15分ほどで和歌山城北側の西の丸広場に到着。紅葉渓(もみじだに)庭園と名づけられた西の丸庭園の新緑の紅葉の下を通り、広大な城郭に入った。観光客というより散策を愉しむ市民の姿が多い。裏坂と呼ばれるジグザクの石段を登ると天守閣下の広場に出た。
400円の入館料を払って三層の天守閣に登城する。言うまでもなく和歌山城は徳川御三家・紀州藩の居城として余りにも有名である。城内には甲冑をはじめとした紀州徳川家の様々な所蔵品が陳列されている。その中の「和歌山城の沿革」という展示パネルが気になった。
そこには和歌山城の築城が秀吉の弟・秀長によって着手され、秀長の家臣である桑山重治が城代として初めて入城したとある。その後、関ヶ原の戦いで軍功のあった秀吉の姻戚でもある浅野幸長が37万石の城主となり19年間在任した。1619年に浅野家が安芸広島に移封された後、家康の10男・徳川頼宣が55万石を領して紀州徳川家の初代城主として入城した。秀吉にゆかりの深い人物たちによる和歌山城の前史をあらためて教えられた。
天守閣最上階から和歌山市内を眺望した。宿泊するダイワロイネットホテルの高層ビルが間近に見える。広大な縄張りの城郭の威容が実感できる。天守閣を出て広場端の市内を眺望できる石組のベンチで昼食をとった。裏坂を下り、御橋廊下をみた。かって藩主が二の丸と西の丸を行き来するために架けられた珍しい廊下橋である。今は庭園となっている二の丸跡の縁を通り大手門に出た。御三家居城の大手門としてはその貧弱な規模に違和感があった。目の前に見えるホテルの会議会場には開始15分前に到着した。
今朝は5時過ぎに目覚めた。7時からの朝食前に再び和歌山城の散策に出かけた。城郭の東側をお堀に沿って進む。お堀が途切れた先に立派な櫓門があった。国の重要文化財指定で江戸初期の建造物である岡口門である。岡口門から動物園の畜舎を抜けて西に回り、二の丸庭園前を通り大手門に出た。早朝の城郭内のあちこちでジョギングや散歩を愉しむ市民の姿があった。
現役時代には何度も仕事で訪れた和歌山である。当時は和歌山城を訪ねるゆとりもなく機会もなかった。リタイヤして初めて訪れた和歌山城は多くの市民たちが憩う広大な癒しの空間だった。
南海電車の和歌山市駅に11時42分に着いた。13時30分の総会までたっぷり時間はある。駅構内の高島屋でお弁当を買ってお城に向かった。徒歩15分ほどで和歌山城北側の西の丸広場に到着。紅葉渓(もみじだに)庭園と名づけられた西の丸庭園の新緑の紅葉の下を通り、広大な城郭に入った。観光客というより散策を愉しむ市民の姿が多い。裏坂と呼ばれるジグザクの石段を登ると天守閣下の広場に出た。
400円の入館料を払って三層の天守閣に登城する。言うまでもなく和歌山城は徳川御三家・紀州藩の居城として余りにも有名である。城内には甲冑をはじめとした紀州徳川家の様々な所蔵品が陳列されている。その中の「和歌山城の沿革」という展示パネルが気になった。
そこには和歌山城の築城が秀吉の弟・秀長によって着手され、秀長の家臣である桑山重治が城代として初めて入城したとある。その後、関ヶ原の戦いで軍功のあった秀吉の姻戚でもある浅野幸長が37万石の城主となり19年間在任した。1619年に浅野家が安芸広島に移封された後、家康の10男・徳川頼宣が55万石を領して紀州徳川家の初代城主として入城した。秀吉にゆかりの深い人物たちによる和歌山城の前史をあらためて教えられた。
天守閣最上階から和歌山市内を眺望した。宿泊するダイワロイネットホテルの高層ビルが間近に見える。広大な縄張りの城郭の威容が実感できる。天守閣を出て広場端の市内を眺望できる石組のベンチで昼食をとった。裏坂を下り、御橋廊下をみた。かって藩主が二の丸と西の丸を行き来するために架けられた珍しい廊下橋である。今は庭園となっている二の丸跡の縁を通り大手門に出た。御三家居城の大手門としてはその貧弱な規模に違和感があった。目の前に見えるホテルの会議会場には開始15分前に到着した。
今朝は5時過ぎに目覚めた。7時からの朝食前に再び和歌山城の散策に出かけた。城郭の東側をお堀に沿って進む。お堀が途切れた先に立派な櫓門があった。国の重要文化財指定で江戸初期の建造物である岡口門である。岡口門から動物園の畜舎を抜けて西に回り、二の丸庭園前を通り大手門に出た。早朝の城郭内のあちこちでジョギングや散歩を愉しむ市民の姿があった。
現役時代には何度も仕事で訪れた和歌山である。当時は和歌山城を訪ねるゆとりもなく機会もなかった。リタイヤして初めて訪れた和歌山城は多くの市民たちが憩う広大な癒しの空間だった。
映画評「愛しの座敷わらし」 ― 2012年05月10日
昨日、3カ月ぶりに映画を観た。朝10時の労働委員会調査から夕方5時の総会までの空白時間を、映画「愛しの座敷わらし」で費やした。
1時上映の大阪ステーションシネマの客席は、中高年の観客を中心にほぼ満席だった。ちなみに監督の和泉聖治と主演の水谷豊は、私の好きなドラマ『相棒』のコンビでもある。
一言で表現すれば「田舎暮らしを題材にした良質のホームドラマ」といったところか。自然に囲まれた岩手県の美しい田舎に建つ築200年の萱葺屋の広い古民家が舞台である。古民家好きな私にとってはこれだけで嬉しくなってしまう。
ここに東京から盛岡に転勤になった主人公一家5人が移り住む。家の中心には昔ながらの囲炉裏が据えられている。実はこの囲炉裏こそがこの物語のテーマを象徴していたことから観終えてから教えられる。 囲炉裏の回りに集いあう家族。会社を辞めなければならないかもしれない事態を迎えて、水谷豊演じるお父さんは言う。「たとえ辞めてもお父さんはこの囲炉裏のようにみんなを守るから・・・」。そのお父さんの東京の本社復帰が決まった。友だちもでき田舎暮らしが好きになりかけている子どもたちに、お父さんは「単身で東京に帰ってもよい」と告げる。安田成美のお母さんがいう。「囲炉裏のようにみんなを守ると言っていたお父さんが東京に行くのだから、私たちも囲炉裏と一緒に行かないと・・・」。上映中に唯一琴線に触れてウルウルさせられたシーンである。
古民家に棲みついた可愛い女の子の座敷わらしが登場する。ただし物語に余り関わりはない。強いて言えば座敷わらしに象徴される日本的な風習の意味合いだろうか。座敷わらしが棲みついた家には福がもたらされるという。一家は座敷わらしを受け入れながら暮らし始める。そして家族の絆を取り戻した末に再び古民家を去っていく。
1時上映の大阪ステーションシネマの客席は、中高年の観客を中心にほぼ満席だった。ちなみに監督の和泉聖治と主演の水谷豊は、私の好きなドラマ『相棒』のコンビでもある。
一言で表現すれば「田舎暮らしを題材にした良質のホームドラマ」といったところか。自然に囲まれた岩手県の美しい田舎に建つ築200年の萱葺屋の広い古民家が舞台である。古民家好きな私にとってはこれだけで嬉しくなってしまう。
ここに東京から盛岡に転勤になった主人公一家5人が移り住む。家の中心には昔ながらの囲炉裏が据えられている。実はこの囲炉裏こそがこの物語のテーマを象徴していたことから観終えてから教えられる。 囲炉裏の回りに集いあう家族。会社を辞めなければならないかもしれない事態を迎えて、水谷豊演じるお父さんは言う。「たとえ辞めてもお父さんはこの囲炉裏のようにみんなを守るから・・・」。そのお父さんの東京の本社復帰が決まった。友だちもでき田舎暮らしが好きになりかけている子どもたちに、お父さんは「単身で東京に帰ってもよい」と告げる。安田成美のお母さんがいう。「囲炉裏のようにみんなを守ると言っていたお父さんが東京に行くのだから、私たちも囲炉裏と一緒に行かないと・・・」。上映中に唯一琴線に触れてウルウルさせられたシーンである。
古民家に棲みついた可愛い女の子の座敷わらしが登場する。ただし物語に余り関わりはない。強いて言えば座敷わらしに象徴される日本的な風習の意味合いだろうか。座敷わらしが棲みついた家には福がもたらされるという。一家は座敷わらしを受け入れながら暮らし始める。そして家族の絆を取り戻した末に再び古民家を去っていく。
藤沢周平著「闇の傀儡子」上・下 ― 2012年05月09日
藤沢周平の伝奇時代小説の傑作といわれる「闇の傀儡子」上・下二巻を再読した。44歳の遅咲きデビューした藤沢周平の51歳の作品である。その作風に質的変化が見られるようになった「用心棒日月抄」シリーズや「隠し剣」シリーズの延長線上の作品に位置し、それまでの暗さの漂う重いテーマの作品を脱した明るい色調の娯楽作品である。
ただ個人的には直前に再読した「用心棒」や「隠し剣」ほどの評価は下せない。読み終えて、「用心棒」の魅力的な登場人物の織りなす機微や「隠し剣」の短編に凝縮された緊張感といった作品の特性が伝わらない。伝奇小説というジャンル自体に馴染めないところがある。
徳川三代将軍・家光の弟の駿河大納言忠長の流れを組む徒党・八嶽党を巡る闘争がテーマである。御家人くずれの主人公・鶴見源次郎と八嶽党との偶然の出合いから物語が始まる。ミステリー仕立ての物語が奔放に展開し舞台を広げていく。愉しんで読めるという点では文句なしに一級の娯楽作品である。
ただ個人的には直前に再読した「用心棒」や「隠し剣」ほどの評価は下せない。読み終えて、「用心棒」の魅力的な登場人物の織りなす機微や「隠し剣」の短編に凝縮された緊張感といった作品の特性が伝わらない。伝奇小説というジャンル自体に馴染めないところがある。
徳川三代将軍・家光の弟の駿河大納言忠長の流れを組む徒党・八嶽党を巡る闘争がテーマである。御家人くずれの主人公・鶴見源次郎と八嶽党との偶然の出合いから物語が始まる。ミステリー仕立ての物語が奔放に展開し舞台を広げていく。愉しんで読めるという点では文句なしに一級の娯楽作品である。





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