三つの選挙で何が問われているのか2024年11月09日

 いやでも関心を持たざるをえない三つの選挙が続いている。アメリカの大統領選挙、日本の衆議院議員の総選挙、兵庫県知事選挙である。
 三つの選挙は相互に関係性はないものの問われているものが共通している点がある。強権的な政治手法の在り方の是非である。
 日本の総選挙は、自公政権の過半数割れという結果を招き、第二次安倍政権以来、長く続いた絶対多数を占めた与党の独断政治が終焉した。アメリカの大統領選挙は強権的で独裁的な手法のトランプ氏が返り咲いた。今後4年間、アメリカ国内だけでなく地球規模の課題について世界は超大国の独断的な判断に振り回される懸念がある。
 17日投開票の兵庫県知事選も予断を許さない動向となっているようだ。知事選に至る今回の県政の混乱は、そもそも斎藤前知事の独断的で強権的な政治手法に端を発している。数々のパワハラ的言動が行政の歪みを招き円滑な行政を阻害していた。
 無論、選挙における争点は「政治手法」だけではない。「政策課題」の是非こそが本来問われるべき点であることは承知している。ただ三つの選挙に共通する”政治手法の在り方”がもたらす政策課題の偏りは否定できない。多様な民意が反映される政治手法があって初めて緊張感のあるバランスの取れた政策課題の実現が可能と思う。