隣町自治会の子ども食堂の終焉2025年05月13日

 昨年末に隣町の自治会館で27年に渡って運営されていた”子ども食堂”が終焉を迎えた。毎週水曜日の3時から8時迄開催され30名近い子どもたちが利用していたようだ。
 運営が中止されたのは運営主体だった自治会の人材と財政の逼迫という事情がある。自治会の会員減少が相次ぎ財政悪化が顕著になった。自治会館使用料を負担しない子ども食堂は、他方で長時間運営に伴う光熱費の負担は大きい。自治会員以外の利用者が多いという子ども食堂に自治会が運営することの疑問も噴出したようだ。長時間運営を支えるボランティアスタッフの派遣も限界を超えてきた。こうした背景の中で1年ばかりかけての議論の末の結論だった。
 言うまでもなく子ども食堂はかけがえのない地域の福祉活動である。運営主体だった自治会の志と理想は高く評価される。ただ自治会という組織が担うべき事業か否かは議論の余地があるかもしれない。地域団体の多くが人材と財政が逼迫化し、存続そのものが問われている事例も少なくない。
 理想と現実のハザマでひっそりと「子ども食堂」が幕を閉じた。