塩野七生著「海の都の物語2」 ― 2025年05月31日

「海の都の物語2」を再読した。第1巻では、ヴェネツィア共和国の誕生から第4次十字軍の主力として従軍しビザンチン帝国滅亡の主役となり、ラテン帝国誕生後の東地中海の商業圏を確立するまでが語られた。
第2巻では東地中海商業の覇権を確立した共和国がいかにしてその後の強大で安定した商業立国を打ち立てたかが語られる。著者はその成功の背景を「ヴェニスの商人」(商業の仕組み)と「政治の技術」(強固な統治能力)という切り口で解説する。
「ヴェニスの商人」というタイトルで描かれる”商業の共和国独自の仕組み”が、交易商人、資金の集め方、交易市場、定期航路の確立、海上法、羅針盤と航海図、船の変化、中世のシティ等の項目で解説される。
経済基盤の確立と並んで注目すべきは共和国の安定した政治基盤の確立である。14世紀の西欧各国が危機の時代にあって僭主制や君主制に向かう中でヴェネツィアは共和制を維持しながら強固な統治の実現を摸索した。ひとつは巧妙に徹底した政教分離を成し遂げたことであり、今ひとつは元首を頂点とした統治能力に優れた共和政体を創り上げたことである。
こうした取組みと改革がヴェネツィア共和国の千年に及ぶ存続をもたらした。
第2巻では東地中海商業の覇権を確立した共和国がいかにしてその後の強大で安定した商業立国を打ち立てたかが語られる。著者はその成功の背景を「ヴェニスの商人」(商業の仕組み)と「政治の技術」(強固な統治能力)という切り口で解説する。
「ヴェニスの商人」というタイトルで描かれる”商業の共和国独自の仕組み”が、交易商人、資金の集め方、交易市場、定期航路の確立、海上法、羅針盤と航海図、船の変化、中世のシティ等の項目で解説される。
経済基盤の確立と並んで注目すべきは共和国の安定した政治基盤の確立である。14世紀の西欧各国が危機の時代にあって僭主制や君主制に向かう中でヴェネツィアは共和制を維持しながら強固な統治の実現を摸索した。ひとつは巧妙に徹底した政教分離を成し遂げたことであり、今ひとつは元首を頂点とした統治能力に優れた共和政体を創り上げたことである。
こうした取組みと改革がヴェネツィア共和国の千年に及ぶ存続をもたらした。
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