NHK・BS「白人だけの町 オラニア」2025年06月28日

 NHK・BS世界のドキュメンタリー「白人だけの町 オラニア」 を観た。
 ”オラニア”は、南アフリカ共和国北ケープ州にある都市である。1994年にアパルトヘイトが廃止されたにもかかわらず、南アフリカ国内でオランダ系白人(アフリカーナー)のみで構成された街である。
 以下は、番組の紹介コメントである。
 『オラニアの人口は3000人。将来は南アからの独立を見据える。黒人として初めて1週間の滞在許可を得たアディは「安全な場所で暮らしたい」「自分たちの文化を守りたいだけ」と語る白人住民に違和感を覚える。人種差別の歴史から目を背けて理想郷を作っているのではないか…。分断と排斥の先には何があるのだろうか。』
 オラニアに白人のサポーターとともに単身乗り込んで取材を行ったアディは、黒人で車いす生活者である。オラニアの住民からは敵視されがちな町で果敢に取材を試みる。前半の比較的順調な取材があることをきっかけに暗転する。有力者のひとりとの取材中に”ブラック・ライヴズ・マター”を巡って感情的なやりとりをしてしまう。またたく間に町中に知れ渡り以後の取材が遮断される。それでも1週間の滞在中の最後に元首相の子孫である有力者と突っ込んだ取材で締めくくる。
 アディの勇気と挑戦に共感した。同時にこの地球上に人種隔離を公然と目指して実現している現実を初めて知って驚愕させられた。