塩野七生著 「海の都の物語6」 ― 2025年07月16日
「海の都の物語6」を再読した。このシリーズの最終巻であり、ヴェネチュア共和国の終末に至る経過が語られる。
本巻は共和国の17世紀のクレタ島を巡るトルコ帝国との攻防を描いた「地中海最後の砦」、18世紀の共和国で花開いた絵画、音楽、演劇等の芸術の世界を描いた「ヴィヴァルディの世紀」、ナポレオン率いるフランス軍の本土進駐による「ヴェネチュアの死」の3部構成である。
25年に及ぶクレタ攻防戦は1669年に最終的に攻防戦の総司令官の降伏によって幕を閉じる。
他方でヨーロッパでは1789年のフランス革命によって動乱の時代を迎えた。その前年にフランス軍に20歳にも満たないナポレオンが入隊した。ナポレオンは1795年に20代後半の若い将軍としてイタリア方面担当のフランス軍総司令官として着任する。
フランス軍と対峙するオーストリア軍の共和国領土への進駐でヴェネチュアは否応なく戦乱に巻き込まれる。この事態に共和国元老院は非武装非同盟の伝統的な姿勢で終始する。1796年、イタリア戦線は対フランス同盟軍中核のオーストリア軍をフランス軍が圧倒し、北イタリア全域はフランス軍の勢力圏となる。1797年、ナポレオンの最後通告に対し、共和国国会は投票による議決を行う。結果は圧倒的多数で共和制を廃し民主制の政体に移行することを宣言する。これに伴いヴェネチュア共和国は死を迎えた。
本巻は共和国の17世紀のクレタ島を巡るトルコ帝国との攻防を描いた「地中海最後の砦」、18世紀の共和国で花開いた絵画、音楽、演劇等の芸術の世界を描いた「ヴィヴァルディの世紀」、ナポレオン率いるフランス軍の本土進駐による「ヴェネチュアの死」の3部構成である。
25年に及ぶクレタ攻防戦は1669年に最終的に攻防戦の総司令官の降伏によって幕を閉じる。
他方でヨーロッパでは1789年のフランス革命によって動乱の時代を迎えた。その前年にフランス軍に20歳にも満たないナポレオンが入隊した。ナポレオンは1795年に20代後半の若い将軍としてイタリア方面担当のフランス軍総司令官として着任する。
フランス軍と対峙するオーストリア軍の共和国領土への進駐でヴェネチュアは否応なく戦乱に巻き込まれる。この事態に共和国元老院は非武装非同盟の伝統的な姿勢で終始する。1796年、イタリア戦線は対フランス同盟軍中核のオーストリア軍をフランス軍が圧倒し、北イタリア全域はフランス軍の勢力圏となる。1797年、ナポレオンの最後通告に対し、共和国国会は投票による議決を行う。結果は圧倒的多数で共和制を廃し民主制の政体に移行することを宣言する。これに伴いヴェネチュア共和国は死を迎えた。

コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。