濁流渦巻く有馬川2009年08月03日

 昨日の早朝の散歩道である。前日夜半からの集中豪雨がようやくおさまっていた。それでもいつ降るか知れない不気味な曇天が空を覆っていた。
 有馬川に近づくに従って激しい水音が耳に響きだす。天上橋のたもとから川面を眺めた。段差のある河川堰を茶色い濁流が轟々と音をたてて流れ落ちていた。白いしぶきが渦巻いている。六甲の山並みに降り注いだ豪雨を溜めた有馬川が、見たことのない凶暴な顔つきを見せて目前で暴れていた。
 川沿いの遊歩道を進んだ。中州を形づくっていた背の高い葦のような草が見事に川下に向ってなぎ倒されている。岸辺のなぎ倒された草間に一羽のシラサギが激流を避けるように佇んでいた。いつもなら流れの真中で水中の餌をついばんでいる筈だ。途方にくれたような今日の姿に思わず笑ってしまった。
 自然の猛威が見慣れた風景を鮮やかに切り替える。その変貌ぶりも散歩道を歩く者に恵みをもたしてくれる。