生活習慣を墨守するオジサンの律儀さ2009年08月09日

 ふと覚めた眠りのぼんやりした意識の中で、物干し場の強化ビニールの屋根を無数の雨足が駆けていた。寝返りを打って置時計の発行ライトを灯した。3時10分のデジタル表示が浮んだ。いつの間にか眠りに落ちた。
 再び目覚めたのは結局いつも通りの5時20分だった。雨足が依然として耳を打っている。光のマジックを求めるための早朝ウォーキングは今日も断念するほかはない。寝静まっている家族を尻目に朝食を済ませ、朝刊にゆっくり目を通す。
 いつもより1時間遅い日曜の朝の散策のスタートだった。梅雨が戻ったかのような雨粒が大型のこうもり傘を叩いていた。雨降りの日曜の朝の散歩道に人通りはない。頑なに生活習慣を墨守するオジサンの律儀さに我ながら自嘲する。光のマジックの現場を恨めしく眺めながら通過する。ぬかるみに浸かって濡れたスニーカーの布地がどんどん色濃くなっていく。国道に出る手前の舗装路に頭を潰された小柄な蛇が横たわっていた。今朝の散策で唯一ざわついた気分をもたらした風景だった。