本田一成著「オルグ!オルグ!オルグ!」2018年03月19日

 昨年、2回に渡って本田一成國學院大學経済学部教授のインタビューを受けた。我が国のチェーンストアの労使関係についての研究者で1970年代から1980年代のチェーンストア労働界や出身労組の動向についての取材だった。同様にチェーンストアの主要な労組の取材もほぼ完了しているようだった。
 このほどそれらの取材結果の集大成が「オルグ!オルグ!オルグ!」というタイトルで発刊され、取材対象である私に送付されてきた。 360頁にも及ぶチェーンストア労働運動史の金字塔ともいうべき労作である。しかも堅苦しい学術的な記述でなく人物描写を中心とした読み物風の記述で一気に読者を引きこむ著作である。手にとりさえすれば多くの読者を引き付けるに違いない。記述のスタンスも著者の独自の視点を堅持しながら努めて客観性を重視したもので、チェーンストア労働運動の歴史や流れを理解し、主要労組の結成の背景・経過を端的に把握できる。
 とりわけ私の出身労組に関する部分は、労組結成の中軸を担った私についての記述を中心に結成当時の想いやチェーンストア労働運動への関わり方や立ち位置が踏み込んだ形で見事に描写されている。(私に対する過度な評価におもばゆい面もあるが・・・)
 後輩たちにもぜひ読んでもらいたい著作である。