稲田に遊ぶ孫たち2024年10月01日

 日曜日の朝7時頃の風景だった。名来神社手前の有馬川土手道の東側の稲田がくっきり色違いになって区分けされていた。稲刈りを終えた手前の稲田は切り株から新たな草が生え緑色に染まっていた。その奥の稲田は今も稲穂が実ったままで黄金色に染まり稲刈りを待っている。農業従事者の高齢化と継承者不足が顕著である。この時期に尚稲刈りが実施できていない稲田の風景に日本の稲作の危機を垣間見た。
 名来神社前で土手道を折り返した。稲田の一角に農作業小屋を備えた畑がある。その畑にこの辺りでは見かけることのない子どもたちの姿を目にした。小学校低学年の二人の男の子と一人の女の子だった。畑の畝の間で捕まえた虫を相手に遊んでいた。その奥では白髪のおじいさんが刈り取った雑草の畑焼きをしていた。周囲を白い煙が立ち込めていた。週末にやってきた孫たちと一緒に畑仕事にいそしんでいるようだ。その珍しい光景を微笑ましく眺めた。

真っ盛りの彼岸花と遅れてきた稲刈り2024年10月02日

 週明けの有馬川土手道の風景である。土手道と稲田を区切る畦道に沿って深紅の彼岸花が咲き誇っていた。一株毎に並んで咲いているわけではない。数株毎の塊になって間を置いて咲いていた。
 その先の稲田の光景が変化していた。稲刈りを終えた手前の稲田の向こうには二日前には首を垂れた稲穂が黄金色のヴェールで覆われていた。今朝の稲田はすっかり稲刈りを終えていた。週末の農作業でようやく刈入れを終えたようだ。他人事ながら安堵した。

深夜ウオーキング2024年10月03日

 寝不足が続いている。今日も午前1時半頃に目が覚めて眠れないままリビングに降りた。一連のルーチンをこなして2時過ぎに届いた朝刊にも目を通した。
 そこでハタと迷った。いつものようにリビングで二度寝をするか?思い切って深夜のウオーキングをこなすか? スマホのお天気アプリは5時以降は一日かなり多目の雨が続くようだ。今出かけなければウオーキングは難しい。
 意を決して3時前に携帯傘持参で出かけた。深夜のウオーキングは初めてだった。さすがにこの時間帯では有馬川土手道は歩けない。住宅街の中を抜けて自治会館経由で国道に向かった。24時間営業のスーパーマーケットにも立ち寄った。深夜の売場の風景にも興味があった。2~3人の従業員以外には人影はない。がらんとした主通路に商品を積んだカートがポツンと置かれているだけだった。
 スーパーの隣りのコンビニに寄った。ドアのチャイムを聞いてバックルームから慌ててスタッフがレジ前に姿を現した。コーヒーの紙コップを受取ってイートインコーナーでコーヒーを味わいながら読みかけの文庫本を手にした。
 初めての深夜ウオーキングを終えて帰宅したのは4時半頃だった。自宅付近で雨が降り出した。持参の傘が役に立った。

NHK-BS「フロンティア・サケ 謎の大回遊を追う!」2024年10月04日

 NHK-BSの「フロンティア・サケ 謎の大回遊を追う!」の再放送を観た。これまでもこの番組の幾つかを興味深く観た。「アルツハイマー病 克服に挑む」「進化する西之島 未知の大地への挑戦」「旧約聖書 滅亡の街の真実」「恐竜王国 繁栄の秘密」等の番組である。
 この”フロンティア”という番組のコンセプトをネットでは次のようにコメントしている。『科学、宇宙、文化、歴史、芸術、ファッションなど 様々な分野でフロンティアを切り拓く“開拓者(フロントランナー)”たち 。未踏の知の最前線、そこではどんな景色が見えるのか?スーパーハイビジョンによるダイナミックな映像で、あなたの世界観をガラリと変える 「至高の視聴体験」をお届けする』。知的好奇心を掻き立てられる番組である。

 今回のフロンティアの番組の意図は次のようにコメントされている。『謎に満ちた「サケの大回遊」。その経路の全貌に迫るカギがサケの頭にある「耳石」に標識する技術だ。耳石温度標識が、2万キロにおよぶサケの大回遊を解き明かす!』。
 「サケはなぜ生まれた川に戻ってくるのか?」。考えてみれば奇跡のような出来事である。この疑問に科学的に挑んだ番組だった。『サケの卵の飼育水温を上下させると耳石にバーコード状の模様が付くため、模様のパターンを変えて放流場所などの情報を盛り込む。毎年2億匹以上の放流サケに付けられる耳石温度標識。それを追うことで2万キロにおよぶ大回遊の全貌が明らかになる』
 サケが故郷の川に戻れるのは、遠海では磁気センサーが、沿海に戻ると匂いセンサーが機能しているという。サケの大回遊の全貌を明らかにした見応えのある番組だった。

二日続きで一万歩を切った2024年10月05日

 二日続きで早朝ウオーキングの5時~6時台の時間帯が大雨だった。4時以前は曇りか小雨模様だったので両日ともに4時以前の深夜時間帯のウオーキングとなった。
 深夜の危険を伴う有馬川土手道コースを避けて住宅街の中心部経由でコンビニに立ち寄り国道沿いに帰宅する大幅に短縮距離のコースとなった。
 結果的にいつもの1.2万歩前後の歩数は8千歩前後に留まった。近年、一日一万歩を欠かしたことのない律儀な性格である。それだけに忸怩たる思いもあるがやむなし。
 そろそろ「やめること」を受入れる歳になった。

”ひっつきむし”の繁殖の執念2024年10月06日

 ”ひっつきむし”の被害には気を付けていた筈だったが深夜のウオーキングでまたしても嵌められた。
 自宅を出て児童公園に向かう途中だった。住宅街ののり面を防御するガードレール越しに風に押された雑草が路上にはみ出している。雑草は”ひっつきむし”であることは分かっていたが、暗い夜道でもあり油断していた。わずかにズボンが触れてしまったようだ。
 早朝ウオーキングを終えて自宅に戻る道すがら、濃いグレーのズボンに緑や薄茶色の米粒のような”くっつきむし”取り付いていたのが目に入った。目についた以上ほっとけない。路肩に移動して一粒ずつ摘まんで除去作業にかかった。これが中々難儀な作業だった。くっついた米粒は小さくて摘まみにくくて粘着力も強い。
 ”ひっつきむし”は人の衣服や動物にくっついて移動し、落ちた先々で繁殖する。表面に独特の粘液をつけているので容易に触れるものにくっつく。繁殖に賭ける見事な執念に驚くほかはない。

児童公園の片隅に転がる朽木の一片2024年10月07日

 ウオーキングコースの一角の児童公園にやってきた。公園の縁を歩くのがルーティンだ。四隅の一角のブランコの傍にドキッとさせられるものを目にした。フェンスとブランコの間のスペースに朽ち果てた樹木の幹の一部が転がっていた。
 フェンスに沿ってさくらが植えられている。公園設置の際に植えられたのだろう。だとすれば樹齢40年以上になる。幹についた苔の青さが生々しい。割れた幹の剥き出しの枯れた肌が痛々しい。寿命が尽きて幹の本体から削げ落ちた姿に心が痛んだ。
 前日にすぐそばに咲いた”ひっつきむし”の繁殖の執念に生命力を痛感させられた。その翌日に眺めたさくらの樹の朽木が哀しさをもたらした。

老人会主催の寄席が大盛況2024年10月08日

 加入している老人会の地域の連合組織が今年で3回目となる「コミセン寄席」を開催した。
 会場には定員いっぱいの60名ほどの来場者が席を埋めていた。出演者は、大阪の落語サークル所属の5名のメンバーだった。このサークルとの関りは、何年か前に亡くなった老人会員がこのサークルに所属されていたことだった。その方は88才でい燃発起して落語を習い始め、芸名も「米寿」だった。登壇した出演者は、「枕」で口々に米寿さんとの関りに触れ、その実直な人柄と落語を想う熱意が告げられた。
 その方は地区社協でもふれあい喫茶の受付を長く担って頂いた長老だった。90数歳で亡くなった長老の冥福をあらためて祈った。

デイサービスの音楽療法2024年10月09日

 最寄りの特別養護老人ホームが運営するデイサービスの運営推進会議に出席した。利用者とその家族代表、近隣の特養施設長、権利擁護支援者、地域住民代表、施設関係者等の7人の顔ぶれである。
 今回の会議で関心を持ったのが新たに導入された音楽療法のレクレーションだった。専門の知識と資格を持った女性講師による音楽療法である。会場の壁面に大型ディスプレイが設置され、施設担当者が手元のタブレットを操作して実際の実習の模様が上映された。
 40代とおぼしき講師が15人の利用者を巻き込んで歌唱や楽器演奏を繰り広げる。参加者ひとりひとりに声掛けしたり楽器演奏を求めたりしている。画一的な集団行動でない音楽のもたらす楽しさが伝わった。

土手道の紅の帯2024年10月10日

 雨が続いたり、深夜のウオーキングだったりして早朝ウオーキングはいつものコースを断念していた。5時半スタートの曇り空の今朝はいつもの有馬川土手道のコースを選択した。
 久々の土手道には新鮮な風景が広がっていた。有馬川と土手道を隔てるのり面の路肩は鮮やかな紅の帯で縁どられていた。
 東側の丘陵と土手道の間には稲田が広がっている。ほとんどの稲田では稲が刈り取られ田圃は新芽の緑や刈り取り直後の茶色の染まっていた。ただ一枚の田圃だけがまだ収穫を待っていた。「ポツンと一軒家」ならぬ「ポツンと一枚田」の様相を呈していた。