１２日間もの初めての長期ツアーから戻って二日目を迎えた。ようやく日常生活を取り戻しつつある。
　昨日は結局サボってしまった早朝ウォーキングを今日は再開した。初秋だった風景が一気に秋真っ只中に移ろった１３日ぶりの散歩道だった。有馬川遊歩道を覆う桜並木から落ち葉がヒラリと舞い落ちた。真っ赤に熟れた柿の実がたわわに実り、枝ぶりを押し下げていた。何よりも肌寒さを感じさせる冷気が、トレーニングウェア一枚の上半身を襲った。
　親しんだ日常生活が再び戻ってくるに従って、逆に旅のもたらす非日常の世界が浮かび上がってくる。旅とはつまるところ非日常の世界に遊ぶことなのだろうか。数々の世界遺産の写真やネットで馴染んだバーチャルな風景が、目前の実在のリアルな風景として登場する。日常のリアルが非日常のリアルに置き換わる。他方で非日常の現地民族料理が日常化するに連れ、日常親しんだ和食の味を渇望し、日常へのリターンを焦がれたりする。結局、日常の基盤の上に、非日常の旅があることを思い知らされる。