深秋を歩く2009年10月17日

 肌寒さを覚える空気の中を歩いた。昨日までの数日続いた秋晴れが中休みをしている。どんよりした鉛色が空を低く押し下げている。ここしばらく朝の散歩は近場で済ましていた。久しぶりにいつもの隣町の田園地帯まで足を伸ばした。
 有馬川歩道を東に入り、巡礼街道の一角の田圃道にやってきた。荒れるがままに放置された休耕地にススキが生い茂っていた。ススキの群生地が観光地になる時世である。生い茂るススキを目の当たりにして秋の美しさを感じた。
 平田の民家が点在する歩道脇に柿木がある。もういくつかのだいだい色の実をつけている。枝先の柿の実とその向こうの民家の庭の柿木が見事な秋を描いていた。
 住宅街に入る坂道に戻ってきた。刈り取られた稲田を背景に路傍の細長い草が風に揺れていた。ふと見ると緑の同色に同化したかのように一匹の昆虫がしがみついて一緒に揺れていた。キリギリスなのだろうか。カメラを近づけてもじっと我慢の様子である。
 晩秋の散歩道を歩いた。