復刻版日記⑥一郎の出番か?2009年10月29日

※以下は11年前の自民、自由の自・自連立政権樹立の合意直後の日記である。今注目の小沢一郎が、当時も時の人だった。

(1998年11月22日の日記より)
 久々の休日の日曜日である。日曜朝のTVが最近、面白い。本日は『復活・小沢の登場』である。「読売」「NHK]「毎日」と3チャンネル立て続けの生出演である。日本の政治家ではやはり最も絵になる、気になる男なのだろう。
 毎日のサンデープロジェクトを観る。題して「小沢一郎生出演・剛腕復活・すべて話そう、日本改造の一大計画」。「自・自連立」をめぐる田原聡一郎とのやりとり。自信たっぷりの一郎発言がポンポン飛び出す。「追いつめられた自民党が政策転換した」「党首間の合意でなく政党間の合意だ」「小渕総裁には大変な決断をしてもらった」「役人の25%削減。衆参議員の各50人の削減」「政府委員の国会答弁の禁止」「国連決議の要請があれば国連軍に派遣」等々・・・。次の発言は印象的だった。「保守党という日本語は疑問。旧来の枠組みを維持しようという勢力が保守党なら私は違う。21世紀に向けて新たな枠組みを作ろうとしているのだから。」
 私の「小沢観」。新たな枠組みづくりに妥協を排して挑戦する男への共感。問題の先送りでなく苦しくとも今対応しようという姿勢への評価。反面、立場の違い、見解や姿勢の違いを許容しない独善さは、「剛腕」と称されるその政治手法ともあいまって全体主義的な危険な臭いを感じさせる。「第一次大戦後のドイツを襲った泥沼の経済不況の中からヒトラーのナチズムが勃興した」というシーンをオーバーラップさせるのは、思い過ごしに勝ち過ぎるとは思うが・・・。それでもTVに映る「イチロー」のこわばった(?)笑顔は、女性スキャンダルにあたふたしている野党第一党の党首の優男ぶりを凌いでいる。
 誰もが経験しなかったデフレ経済に本格的に突入しようとしている。誰もが自信がなく、不安な毎日である。明日は我が身のリストラが徘徊する。この閉塞状況を確信をもって打破してくれるリーダーシップが求められている。「連立政権の合意」文書を手にした小沢一郎に出番が回ってきたのか。