塩野七生著「ローマ人の物語31」 ― 2025年01月06日

塩野七生著「ローマ人の物語31」を再読した。この巻はサブタイトルに「終わりの始まり」と題された古代ローマの”衰亡史”を扱った上中下三巻の下巻である。
この巻は忙殺された皇帝コモドゥス亡き後の帝位を巡る5人の将軍たちの内乱と最終的に帝位を勝ち取った皇帝セヴェルスの18年間の治世の物語である。
皇帝コモドゥス殺害直後に近衛軍団長官レトーの説得で元老院が推挙したのが軍団の”たたきあげ”の将軍ペルティナクスだった。ところが皇帝ペナルティクスは皇帝就任の最大の功労者レトーの処遇を誤ったためレトーのクーデターで殺害される。わずか87日間の皇帝在位だった。
レトーが次に擁立したのが名門出身の軍団エリートで属州アフリカ総督のユリアヌスだった。ユリアヌスの皇帝就任直後に、近パンノニア総督セヴェルスが、その数日後にブリタニア属州総督アルビヌスが、さらにシリア属州総督ニゲルが配下の軍団兵たちの推挙を受けて相次いで皇帝に名乗りをあげる。この4人による帝位争奪戦を制したのは47歳と最も若いセヴェルスだった。
帝位に就いたセヴェルスが真っ先に行ったのは軍団兵の待遇改善による軍事力の強化だった。このセヴェルスの改革はローマ帝国の軍事政権化をもたらすことになり、社会と軍との乖離を促すことになる。帝国の衰亡の歯車が回転を早めていく。
この巻は忙殺された皇帝コモドゥス亡き後の帝位を巡る5人の将軍たちの内乱と最終的に帝位を勝ち取った皇帝セヴェルスの18年間の治世の物語である。
皇帝コモドゥス殺害直後に近衛軍団長官レトーの説得で元老院が推挙したのが軍団の”たたきあげ”の将軍ペルティナクスだった。ところが皇帝ペナルティクスは皇帝就任の最大の功労者レトーの処遇を誤ったためレトーのクーデターで殺害される。わずか87日間の皇帝在位だった。
レトーが次に擁立したのが名門出身の軍団エリートで属州アフリカ総督のユリアヌスだった。ユリアヌスの皇帝就任直後に、近パンノニア総督セヴェルスが、その数日後にブリタニア属州総督アルビヌスが、さらにシリア属州総督ニゲルが配下の軍団兵たちの推挙を受けて相次いで皇帝に名乗りをあげる。この4人による帝位争奪戦を制したのは47歳と最も若いセヴェルスだった。
帝位に就いたセヴェルスが真っ先に行ったのは軍団兵の待遇改善による軍事力の強化だった。このセヴェルスの改革はローマ帝国の軍事政権化をもたらすことになり、社会と軍との乖離を促すことになる。帝国の衰亡の歯車が回転を早めていく。
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