平和灯ろう流し2009年08月02日

 昨晩、山口地区の15回目の「平和灯ろう流し」が行なわれた。山口と北六甲台校区の両青愛協の共催行事である。山口、北六甲台、船坂の各小学校と山口中学校の生徒たちが平和の祈りを書いた紙灯ろうが約300個用意された。昼間のうちに会場の山口中央公園の貯水池の川沿いに、ポールが立てられ盆提灯の列が並んだ。両青愛協の役員やボランティアたちが灯ろうの組み立てと会場設営に汗を流した。
 午後6時半から山口センターの公民館で第1部の講演がある。戦争体験者による語り継ぐ平和の願いの催しである。今回は北六甲台在住の83歳のAさんだった。終戦の年は19歳で西宮の尋常小学校の教師だったという。連日の校舎を襲うB29やグラマン等の米軍戦闘機による絨毯爆撃の模様が、資料片手に生々しく語られる。今でも打ち上げ花火の落下の光が、当時の焼夷弾の光とオーバーラップして怯えることがあるという。体験者ならではの心情が吐露される。
 午後8時頃から会場を中央公園に移し、市販の打ち上げ花火を合図に灯ろう流しが始まる。ボランティアたちの手で上手で灯ろうが次々と小川に浮かべられる。流れの勢いがなかったり逆風が吹いたりして思うように流れない。そのつど棒で流したり板で掻いて流れをつくったりして流すほかはない。1時間ばかりを夕涼みをかねて過ごした後、無事終了した。
 戦後60数年を経て、戦争の悲惨さが風化しがちである。イランや北朝鮮による核実験も公然と行なわれている。平和への願いを子供たちに受け継いでいくこの草の根の取組みの役割の大切さをあらためて実感した。
 古い歴史の街に忽然と生まれた広大な新興住宅街が同居する地域である。既存住民と新興住宅街の住民によるこの共同イベントが、新旧住民の交流にそれなりに貢献してきたことは間違いない。

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