廃れいく旧街道2009年05月14日

 いつもの散歩道の一角である。有馬川遊歩道から山道に入り、少し行くと江戸時代には平尻街道と呼ばれていた筈の旧街道に合流する。大坂と丹波を結んでいた大坂街道(丹波街道)の一部だった街道である。今はこのエリアの畑で農作業で行き来するごく少数の人たちのための通行路となっている。とはいえここから名塩方面へはもはや行き交うことは叶わない。竹やぶに覆われた沼地が通行を拒み、猪避けのトタン板が獣道すら遮断している。
 道場町平田の田園地帯に向った。今はあぜ道でしかない旧街道沿いに、緑の繁る二本の木が行く手に見える。その先には三田盆地を形作る山並みに囲まれた田畑と家並みの、のどかな田園風景が広がっている。小山ながら樹木に覆われた山道を抜けたばかりの街道である。かっての旅人たちのほっと一息ついただろう気分を想った。