入道雲2010年08月31日

 朝の散歩を終えて丘陵地に開かれた住宅街に戻ってきた。坂道から眺める北西の景色に魅かれた。
 貸農園で育てられた稲田の向うに竹藪に覆われた丘陵が続いている。神戸層群と呼ばれるこの地域特有の大地の皺である。真っ青な真夏の空にぽっかりとまっ白い入道雲が浮かんでいた。手前のさくらの樹の濃い緑の葉っぱは、秋色を帯び始めている。足元には野草の幾筋もの茎と穂がそよ風に吹かれている。
 何気ない風景を直感的に切り取りたいと思う瞬間である。この写真の主人公は入道雲だ・・・と、どうでもいいようなつぶやきを吐いた。