娘の荷物が一足先に出ていった2011年03月06日

 昨晩、婿殿が帰宅中の娘と合流してやってきた。いつものスポーツカーに代わって実家の小型ワゴン車が足になっている。
 娘の嫁ぐ日が近づいてきた。我が家の二階の四畳半の空き室には、日々荷物が積み上がっている。家内が折に触れてせっせと整えている娘の新居での日常生活品だ。食器類やら台所用品やら日用雑貨など結構カサ高い。新居の滋賀県は遠い。ひとまず婿殿の部屋に運び込むことになったようだ。そのための小型ワゴンでの来訪だった。
 「あれも持っていったら。これもいる筈や」。母の親心は間際になってもとどまることはない。仮契約したアパートの狭いスペースを気にする娘の意向も、親心の前には吹っ飛んでしまう。「戴いといたら?」と婿殿も口添えしている。私の出番はない。いや何となく素直に関われない気分は否定しがたい。花嫁の父の心情なのだろうか。
 10時過ぎに後部シートを荷物で埋めたワゴン車を見送った。リビングに戻った家内がボソッと呟いた。「だんだん娘が出て行く日が近づいてきたんやな」。同感だった。