未曽有の大災害で何ができるか2011年03月13日

 東日本巨大地震の実態と被害状況が刻々と明らかになりつつある。人災規模も、最終的には阪神大震災を上回るものになる懸念も想定されかねない。南三陸町の1万人の不明者情報に身震いするばかりの悲しさを覚えてしまう。
 今回の震災被害の特徴として津波被害に加えて原発被害の深刻さがクローズアップしてきた。大量の冷却水の確保が可能という事情から原発の多くの立地は海岸線に位置する。そう考えれば津波被害と原発被害はオーバーラップする。原発の在り方とともにその立地についても今後論議を呼びそうだ。
 反面でマグニチュード9と上方修正されたこの未曽有の大震災に、いち早く50数カ国の支援表明が相次いだ。アメリカや韓国などは既に支援活動に参加している。IAEAの事務局長も原発被害の深刻さを受けて専門的な立場からの支援の用意を表明した。こうした大規模災害に際して、立場や利害を越えた国際社会の支援の広がりに感謝するとともに、人類の叡智も捨てたものではないと思った。
 この大災害は、日本にかってない深刻な危機をもたらしている。この危機に際して政治の舞台でも、いち早く与野党党首会談が開かれ、政府の地震対策に全面協力することが確認された。首相と政府の強いリーダーシップで当面の危機的状況を乗り切ってほしい。中国の新聞の「地震発生後の日本人の秩序ある行動に敬服」との報道に励まされるものがある。被災地支援に向けた国民ひとりひとりの冷静でクレバーな対応が求められてる。危機に臨んでの一枚岩の力の発揮が日本人の美徳であると信じたい。当面できることは節電である。被災地を中心とした電力不足に向けての現実的な支援である。