家並みの年輪がもたらす息づかいの違い2015年01月04日

 正月三日の昨日、いつになく早い散策のスタートだった。暗闇が遠出のウォーキングをためらわせ、珍しく住宅街の中を街灯を頼りに歩いた。正月というイベントがもたらす住宅街区画ごとの顔つきの違いを気づかされた。
 我が家のある一角は第一期分譲の古い区画である。周囲の家並みは暗闇ながら活気が伝わってくる。窓から灯りが漏れ、雨戸が開いたリビングには人の気配がある。駐車場だけでなく路上のあちこちにも見慣れない車が駐車している。高齢世帯の多い家並みには子どもたちの帰省を迎えた息づかいが聞こえた。
 コミュニティーセンター横の一角は新しい分譲地である。どの家も雨戸が閉まり駐車場に車もない。世帯主は40代までの若い家族たちが住む並みに違いない。家並みを支配するしじまが住民たちの里帰りを物語っていた。
 いつもは気にも留めない区画ごとの息づかいの違いである。正月という国民的行事が世代間の行動パターンの相違をもたらし、区画ごとの家並みの年輪の違いが息づかいの違いを招いている。