とんどの季節で思った2015年01月10日

 ここしばらく有馬川沿いを北に向かう散歩道の定番コースを歩いていなかった。今朝久々に歩いてみて気づかされた。明日の日曜日は名来のとんどの日だった。
 有馬川土手道の中国道を抜けた先の田圃に、青だけで組み上げられた円錐形の造作物が立っていた。毎年この時期に恒例のとんどである。この日曜に名来自治会の当番の人たちで組み立てられたものだ。
 旧地区には農村共同体のしきたりが今なお引き継がれている。季節の節々で地区の伝統行事が維持されている。新興住宅地にない行事である。旧地区の活動は、ともすればこうした伝統行事の維持継承が優先される。それだけに新たな取組みの着手は、ハードルが高い。それでも超高齢化といった時代の流れは容赦なく押し寄せる。旧地区はこうした高齢化の波にも、昔ながらの共同体の枠組みで吸収していこうというスタンスのようにみえる。それはそれで羨ましい土壌のようにも思える。
 そうした土壌のない共同体意識の希薄な新興住宅地では、荒波を受け止めしなやかに吸収するための新たな環境や仕組みが求められている。福祉ネットの立上げが近づいている。