地域包括ケアシステムと福祉ネット(その2)2015年02月03日

 福祉ネットの具体化をはかる過程で、2025年問題を知った。団塊世代が全員75歳以上の後期高齢者となる2025年から医療、介護、福祉等のサービス需要が激増し需給バランスが崩れるという事態である。こうした予測をもとに厚労省は「地域包括ケアシステムの構築」を呼掛けた。高齢者が重度の介護状態になっても住み慣れた地域で最後まで暮らせるよう、住い・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される環境づくりである。こうした流れを受けて、平成27年度介護保険制度の改革も「医療から介護」へ、「施設から在宅」へと大きく舵が切られた。
  地域包括ケアシステムでは、自助・互助・共助・公助の分担が説明され、2025年に向けたそれぞれの在り方が示される。「公助」は税による公の負担、「共助」は介護保険などの社会保険サービス、「自助」は個人保険等も含めた個人による自助努力である。これに対し「互助」は、高齢者相互の助け合いや地域住民による高齢者支援のボランティア活動等である。支援・介護を要する高齢者の激増と行政の財政逼迫で公助、共助は今後は期待がもてない。勢い自助、互助の果たす役割への期待が大きい。ところが「医療から介護」へ、「施設から在宅」へとシフトする介護保険改革の流れは自助の限度を超え、当事者の悲鳴が聞こえ始めている。結局、それぞれの地域で自助を支援する互助がどこまで整っているかが問われることになる。
 こうして整理してみると地域包括ケアシステム構築の鍵を握るのは、地域における互助システムの整備ということになる。ということで地域における互助システム整備に向けた取組みとしての「福祉ネット」の時代の要請がクローズアップされてくる。

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