関西TV「引き裂かれる家族~検証・揺さぶられっ子症候群~」2025年05月08日

 関西テレビの再放送番組「引き裂かれる家族~検証・揺さぶられっ子症候群~」を観た。児童虐待を巡る考えさせられるドキュメンタリー番組だった。
2017年、夫婦と子供二人の平穏な家族に襲った理不尽な現実が生々しく伝えられる。父親が生後2か月の長男をあやしていた時、突然長男の容態が急変する。救急搬送された病院で硬膜下出血や眼底出血が見つかる。長男は退院予定日に児童相談所に一時保護される。父親による激しく揺さぶって発症する「揺さぶられっ子症候群(SBS)」が疑われ、1年後には逮捕起訴される。家族は長男と4年以上の引き裂かれた生活を強いられる。相次ぐSBS事件を受けて弁護士たちによる「SBS検証プロジェクト」が立ち上げられ、「揺さぶり」を否定する無罪判決が続出する。その過程で「虐待ありき」の厚労省のガイドライン、児童相談所の過剰で理不尽な対応、日本の「人質司法」を思わせる刑事司法の問題等が明らかとなる。
 児童虐待に対する声高な世論を背景に厚労省や児童相談所等の行政の過剰な関与が取りざたされている。児童虐待一辺倒の対応でない保護者のまっとうな意向を受止めるバランスが必要だ。
 民生・児童委員だった数年前に、「不当に子どもを児童相談所に連れ去られた」という母親の訴えを受けたことがある。その時初めて児童虐待の一方で児童相談所の過剰な関与を感じさせられた。
 番組では2023年に最終的に父親の無罪判決が確定し、一方的な「虐待ありき」の厚労省ガイドラインも削除されたというコメントで終了した。

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