おばさんネットワーク2009年04月26日

 日曜の夕餉の食卓を家族三人で囲んでいた。ビジネス談義に花咲いていた娘との会話が一息ついた時だった。いつも話したいことがあるといきなり割り込んでくる家内が、珍しく遠慮がちに口を挟んだ。「チョッと聞いてくれる?」。正直言って驚いた。長年やってきたおばさんモードは、もはや修復不能と思っていた。「空気を読まないお母さん」が、ナント空気を読んだッ!後で母親のいないところで娘が言った。「よっぽど言いたかったんヤ」。
 さてその言いたかったことである。夕食前の長時間を、近所の仲良しおばさん宅でお喋りタイムを楽しんだようだ。話題のひとつに「若手落語家の破門事件」があったという。
 半月ほど前である。地元にできた地区センターのホールでこけら落としの寄席が催ようされた。出演した6人の噺家たちの一人に地元小学校、中学校の卒業生がいて、つめかけた地元聴衆を喜ばせた。ところがその笑福亭鶴瓶門下の若手落語家が師匠から破門されたというニュースが二三日前に流れた。交際中の女性を殴ったらしい。
 おばさんたちにとっては格好の話題である。「本人は○丁目の○○さんの息子さんらしい」とか「交際相手を殴ったのは二度目らしい」と言ったネタバラシが住宅街を駆け巡っているようだ。ゲニ恐ろしきはおばさんネットワークである。
 家内が言いたかったとっておきのネタが家族に伝わった。