公智神社の大鳥居は市内最大規模か?2012年01月08日

 今朝9時前に公智神社を訪ねた。約束通り境内には西宮市立郷土資料館のスタッフFさんの姿があった。コンベックス(巻尺)では測れない参道の大鳥居などの高い石造物の道具による計測を行うためだ。
 早速二人で持参してもらった伸縮式の全長3mの棒状の道具で計測にかかった。ところがこの道具をもってしても大鳥居の高さは測れないことがすぐに分かった。やむなく隣接の民家のブロック塀に登り、鳥居の二層の水平材の下側の貫(ぬき)の下面に計測棒の上端をつけ、下端をコンベックスで計測した。その結果、貫の下面から地上までが506cmの実測値が得られた。帰宅後、鳥居の写真をプリントし、実測値の比例按分方式で鳥居の中心部の高さ668cmの計算値を確認した。尚、柱と柱の中心点の実測値(大鳥居の幅)は554cmだった。Fさんの話では「これまでどの鳥居でもこの計測棒で測れないものはなかったので、恐らくこの鳥居は市内で最も大きなものではないか」とのことだった。もうひとつの高い石造物に境内入口に建つ二本の締め柱があった。こちらは何とか二人がかりで計測でき415cmを実測した。
 その後、別の石造物を案内してもらうため禰宜さんにお会いした。鳥居の規模の大きさを話すと、その大きさの理由を教えて頂いた。秋祭りにこの鳥居の下を壇尻が通過するためだった。山口の7基の壇尻の内、最大のものは1895年建造の幅1.8m、長さ3.2mの下山口の壇尻である。高さは3mを優に超える。毎年秋祭りの御旅所からの引き回しでこの鳥居下を通過する。1940年建造のこの鳥居は、当然、下山口大壇尻通過を前提にその規模が決められたにちがいない。禰宜さんの話では以前、西宮神社での引き回しに参加した下山口の大壇尻が、高すぎて赤門をくぐれなかったということだ。赤門を上回る公智神社の大鳥居の大きさを実感した。