高齢化の深刻化に合わせたインフラ整備2012年01月14日

 三日前に、高齢の主婦からゴミステーション当番の件で悩みを訴える電話を頂いた。民生委員として担当している地域のご婦人だった。「特定ゴミ収容のプラスティック・コンテナが重くて自宅とステーションの間を運べない。当番を免除してもらうにも同じグループは高齢世帯が多く言い出せない。自治会の退会やこの街からの引越しまで考えている」というものだった。「自治会の対応もグループ内で当番免除を話し合ってもらうしかないのが現状だ」と答えるしかなかった。高齢化の深刻化を思い知らされると同時に、民生委員として高齢者の深刻な悩みに応えられない無力感にさいなまれた。
 そこでこの問題について情報を集め、ほんとに対応策はないか考えてみた。折畳み式のコンテナは市が提供する規格品で、毎週1回の不燃物回収日と月2回のペットボトル回収日にゴミステーションに当番が自宅から運んで広げて設置する。この他、ステーションの掃除やコンテナの汚れの除去が当番の仕事だ。掃除や汚れ除去は何とかできるが重いコンテナを運ぶのが大変だというのが高齢者の悩みだ。
 コンテナをなぜ自宅で保管しなければならないのか。運ぶのが困難な当番の場合は、折り畳んでステーション内で保管しておき必要な日だけ広げて設置すれば支障はない筈だ。実際にコンテナはいつもステーションで保管しているグループもあることが分かった。問題はそのことをグループの全世帯に了承してもらうことだ。
 早速、電話をいただいたお宅を訪ね、ご本人にその旨提案した。「そうしてもらえるとほんとにありがたい。必要な日のコンテナ設置や掃除や汚れを拭くなどはちゃんとしたい」とのことだった。その足でグループの各世帯を訪ねて了承を得た。
 高齢化の深刻化に伴い、従来何でもなかった仕組みや方法が合わなくなってきている。インフラそのものを高齢化の進展に合わせて再整備する必要がある。それを担当すべき自治会には高齢者の深刻な声が届きにくい。届いたとしても1年任期で全員入れ替わる役員は、本気で解決に乗り出すことは稀で、ともすれば先送りしがちである。高齢者の悩みにもっとも近い位置にいる民生委員だからこそ汗をかいて対応し自治会にも働きかける必要があると腹をくくった。