国勢調査のインターネット回答2015年09月11日

 朝10時頃、チャイムが鳴った。インターフォン越しに「国勢調査です」の声を聞き玄関先に出た。自治会役員の同年代のご近所の主婦が今回の担当者のようだ。「民生委員さんお願いします」と依頼されて過去2回、国勢調査を担当した。今年は地域活動に加えて公民館講座のテキストづくりに追われている日々だ。依頼されたらどう断ろうかと思っていたところなのでホッとしていた。
 今回の調査では従来と異なる画期的な手法が導入された。インターネット回答が導入されたのだ。もちろんインターネットが叶わない世帯では従来通りのペーパー回答になる。選択を問われて即座にインターネット回答を告げた。渡された封書には「操作ガイド」のチラシと「利用者情報」のペーパーが入っていた。利用者情報には対象者IDと初期パスワードが記載されている。世帯ごとに割り振られた固有のデータである。
 早速、インターネット回答に着手した。検索サイトから「国勢調査オンライン」とキーワード入力して入力画面を表示する。後は表示された案内に沿って順次入力していく。世帯状況、住居状況、勤務状況など14項目の質問に回答していく。従来の国勢調査より質問項目もかなり絞り込まれたように思えた。10分ほどで完了した。確かに従来の記入方式に比べればかなり簡便になった印象である。10月1日までに回答内容に変更があっても再ログインして修正できるようだ。ネット回答であれば担当者が再訪して回答書を回収する必要もない。
 便利さを感じる反面、ネット社会がどんどん浸透していくことの危惧を想った。入力した情報がネット上で流出する懸念は本当にないのだろうか。

市の民生委員会広報紙の発行2015年09月12日

 昨日午後、地区民児協の定例会があった。今秋実施の高齢者実態把握調査関係の資料の他に様々な案内や各種機関の広報紙などに交じって、今回初めての配布物があった。市の民生委員・児童委員会が初めて発行した広報紙である。
 今期から就任された新会長の強い要望があったようだ。委員会の専門部会に広報部会が新設され、広報部会のもと3分科会が設けられた。そのひとつ広報紙発行の分科会責任者に選任された。
 以来、6回の分科会、広報部会を経てようやく広報紙が発行された。全戸配布を想定した場合のネックとなっていた予算上の制約は、市のHPにリンクしたネット配信を基本に紙媒体の広報紙を別途3.2万枚印刷するという手法を採用することで解消した。市のHPの民生委員・児童委員のサイト http://www.nishi.or.jp/contents/0000196100030001700179.html には既にPDF版広報紙のダウンロード用リンクが貼られている。
 編集責任者として編集実務のほとんどを担当し、論説風の記事「今こそ民生児童委員の『ともしび』を!」と題する記事も執筆させて頂いた。7年間の社協分区の広報紙編集の経験と自宅PCにインストールされた編集ソフトがそっくり生かされたありがたい役回りだった。
 地区民児協では民生委員ごとに各40部が配布された。おりしも高齢者実態把握調査が待っている。おひとり住まいや高齢者宅を中心に民生委員とのつながりが必要なお宅にお配りしたいと思う。

早くも「はざかけ」の登場2015年09月13日

 日曜の朝のウォーキングだった。我が町の住宅街を歩いた。三日前に確認した「暴風雨の爪跡」の見えるところにやってきた。視線の先には見える筈の根元から半分だけ残された松の姿が見えない。気になって傍に行くと、半分だけ残されていた松が根元から掘り出され幾つにも切断されて横たわっていた。先に上半分だけを伐採し、日を変えて下半分を処理するという二段階の作業だったのかと合点した。
 住宅街の高台周りの田圃にやってきた。二枚田の手前の田にはたわわに実った稲穂が首を垂れていた。その向こうの田には既に稲穂の姿はない。剥き出しの黒土の田に、はざかけされた稲穂が吊るされていた。猛暑の夏が幾度かの台風の通過の後で一気に秋を迎えていた。

高橋克彦著「天を衝く」①2015年09月14日

 高橋克彦の歴史小説に嵌っている。いずれも奥州蝦夷を題材とした3作品「風の陣」「火怨」「炎立つ」を古代から順に時代を追うように読んでいる。8世紀後半の奈良時代の蝦夷と朝廷の攻防を描いた「風の陣」、その続編ともいうべき平安時代初期の阿弖流為を主人公とした「火怨」、11世紀後半の平安末期の前九年の役、後三年の役を扱った「炎立つ」と読み継いだ。
 そして今、奥州を舞台とした四つ目の歴史小説の第1巻を読み終えた。サブタイトル―秀吉に喧嘩を売った男・九戸政実―の物語「天を衝く」である。奥州北部の南部家というローカルな舞台での16世紀後半の戦国末期の物語である。
 歴史小説とは言え、主人公・九戸政実のことは全く知らなかった。それだけに予備知識なしで物語を楽しめる作品である。舞台となる北部奥州の九戸、三戸、二戸、八戸などの地名にもなぜか心躍らせられる土着のひびきがある。
 ①巻は、内紛の続く南部家にあってその有力な党派である九戸党の棟梁・政実の鮮烈な登場を、国の行末を見据えた志、長期の見通しや陸奥全体を俯瞰する戦略性、「北の鬼」と呼ばれる戦さの力量などを中心に描かれる。永年の宗家内紛の要因であったお館の死の場面で第1巻が結ばれる。政実の新たな戦いの始まりである。

今日の秋色は彼岸花2015年09月15日

 早朝ウォーキングのコースを隣町平田にとった。平田稲荷神社に向かう農免道路脇の畦に鮮やかな朱色が飛び込んだ。この年初めての彼岸花だった。緑の野草の群れの中でみずみずしい朝露を浮かべながら早咲きの二輪が花弁を広げていた。

屋外散策講座のコースを遮断する電柵2015年09月16日

 定番コースの有馬川堤を北に向かって歩いた。思いついて名来橋たもとを東に折れて旧丹波街道合流地点に向かった。2カ月後に公民館講座の屋外散策が待っている。大勢を連れて歩くことになる旧街道の様子を見ておこうと思った。
 今は辛うじて通行可能な畦道というほどにさびれてしまった旧街道はうっそうとした草叢が覆っていた。朝露にズボンの裾をグッショリ濡らしながら道を踏み外さないようにおそるおそる進んだ時だ。行く手を阻む障害物に遭遇した。
 畦道の左右に棚田が広がっている。棚田を収穫間近の稲穂が埋めている。棚田の両側は丘陵地の山林である。猪などの野生動物の住処になっていても不思議でない。稲田を守るためにお百姓さんたちが自衛の電気柵を張り巡らしている。
 やむなく電気柵手前の畦道を迂回する形で西側の田圃の縁を辿った。道なき道を途中で踏み外しながらようやく旧街道跡の道に合流した。
 ふと2カ月後にこの難コースを歩くのかと懸念した。すぐにこの懸念を払拭した。稲田の収穫が終われば電柵は取り払われる筈である。

認知症徘徊者の見守り環境は?2015年09月17日

 先日、住宅街の自治会館で2カ月振りの介護者の会があった。いつもの5人の介護者の皆さんに地区のボランティア7名が参加した。
 冒頭、認知症のご主人を介護する高齢の奥さんの深刻な報告で口火が切られた。「昨晩、ちょっと目を離したすきに主人がいなくなってしまった。あちこち探したが見つからない。夜の遅い時間帯だったのでご近所さんに頼るわけもいかず110番した。明方近くになって公園にいる主人を見つけてもらった。今後のこともあり不安が尽きない」
 会の前半は認知症徘徊者の見守りが話題の中心となった。同じような経験のある実母を介護する中年女性からは「110番する場合、こまごまとした本人情報を伝える等の手続に時間がかかりすぎる。頻繁に徘徊する懸念があった母親の情報を事前に伝えておくことで迅速に探してもらえた」といった体験談が報告された。自治会役員経験者の主婦からは、自治会が運営している住民登録による一斉メールの活用が提案された。会の主宰者の長老からは「昼間も自宅にいることの多い高齢者宅に連絡できることが有効だ。老人会の連絡網に繋げる仕組みが考えられないか」という提案もあった。私からもDPS機能付きの携帯電話を貸与して24時間見守りサービスを行う介護施設の事例を紹介した。
 GPS機能付きの用具の話題になった。携帯電話、靴装着型、バッジ型等、様々な仕様があるが、認知症患者の場合、その用具自体を装着しなかったり、無意識に外したりするという難点がある。会合ではそれ以上の話にはならなかった。
 認知症徘徊者のGPS機能を活用した見守りが気にかかった。帰宅後にネットで調べるとリストバンド型の着用が最も身に着けやすく外しにくいタイプだと思えた。いずれにしても介護者の会という場が、当事者の生の声を聞ける貴重な機会だと痛感した。

問題行動の低年齢化2015年09月18日

 先日、地区の青愛協運営委員会があった。この会合では地域の児童が通う幼稚園、小学校、中学校、高校の先生方も参加され、時節の行事の様子や子供たちの様子が報告される。
 先日の報告で気になったのは小中学校での生徒たちの問題行動である。問題行動は中学校では減少化し小学校で増えているという低年齢化が顕著なようだ。春先の地元小学校の卒業式でも卒業生の荒れ気味の行動が話題になった。
 最近、朝日新聞デジタルニュースでも「小学生の暴力行為、1万1千件で過去最多」のニュースを読んだ。http://www.asahi.com/articles/ASH99560BH99UTIL02G.html?ref=nmail この記事でも高校生、中学生の暴力行為は前年度比で13・6%、11・3%とそれぞれ減少したが、小学生は5%増で、地区の傾向が全国的なものだったと知った。学識経験者の次のようなコメントがあった。「学力調査の結果を競うなど過度な競争や、貧困の拡大で家庭でかまってもらえず荒れるケースなど、社会的要因も考えられる」。同感である。

今日の秋色ははじけた栗2015年09月19日

 有馬川堤の名来橋のたもとに一軒の民家がある。庭先に栗の木が植えられている。濃い緑の大きな葉っぱの波間に栗の実のイガイガが漂っていた。黄緑色の若いイガだけでなく茶色のイガも散見できる。驚いたのはそのいくつかはイガがもうはじけている。はじけたイガの中からみずみずしいピカピカの栗の実が覗いている。
 散策を終えてオープン直後のマクドナルドの玄関ドアを開けた。カウンター前でなじみのスタッフに「ホット」と声を掛けながら、小銭入れのファスナーを開いた。10円玉2枚と1円玉3枚しかない。昨日午後に知人たちとお茶をして会計をした際に100円玉を使い切ったことを思い出した。「アカン、足らんワ」と口にしてカウンター前から踵を返した。入口を出たところで追いかけたスタッフから声を掛けられた。「明日も同じシフトなので一緒に払ってもらえればいいですから」。店内に戻り無事にホットコーヒーにありついた。たかが100円とはいえ、チェーンシステムのマックに売掛が認められている筈はない。彼女が立て替えておいてくれるのだろうと推察した。マニュアルに一辺倒でない臨機の現場対応がこの店の顧客のあらたな信頼を獲得した。

高齢化とペット問題の心配事、困り事2015年09月20日

 先日の介護者の会で出会った同僚民生委員からこんな悩みを聞かされた。「高齢世帯のご近所さん宅の猫の鳴き声に困っている。近所づきあいのないお宅で自治会にも入っていない。飼い猫なのか野良猫の餌やりなのか分からないが、何匹かの猫がいつもたむろし大きな鳴き声で騒がしい。近くのお家からの苦情も出ている。どうしたものか」。ご近所づきあいのない高齢者宅だけに猫への愛着もひとしおなのだろう。
 今朝のウォーキングで愛犬と散歩中のご近所の同世代の奥さんと挨拶を交わした。娘さんたちが家を出て今は愛犬がかけがえのない家族になっている。大型犬ながら人懐こく顔見知りの私のそばに寄ってきて尻尾を振ってくれる。その頭を撫ぜながら立ち話をした。「かわいいんでしょうネ。それだけに先立たれた時のダメージが心配ですね」「そうなんです。この年では次の子を飼うこともできませんし」「お年寄りのペット問題も大きな心配事や困り事のひとつですね。高齢者のペット問題も福祉ネットのテーマのひとつなのかもしれません」。
 高齢化の進展はペット問題を注目すべき課題として浮上させしつつある。飼い主にとっての愛着とご近所さんにとっての困り事が同居する。地域では飼い方マナーをアナウンスする以上のことは中々手を出せない。それでも間違いなく深刻化するテーマである。反面、朝晩の飼い犬との散歩を通じた見守り活動といったプラス面も考えられる。何らかの形で地域の一歩踏み込んだ対応に向けたコンセンサスが必要ではあるまいか。