BS世界のドキュメンタリー「バルト海の憂鬱 ウクライナ侵攻の波紋」2023年05月18日

 NHK・BS世界のドキュメンタリー「バルト海の憂鬱 ウクライナ侵攻の波紋」を観た。ネット上には下記の番組紹介記事があった。
 「ヨーロッパで古くからの地政学的要所であるバルト海。沿岸にはロシアの飛び地カリーニングラードもある。ウクライナ侵攻以来の緊張の高まりと周辺諸国の対応を読み解く。冷戦後、バルト海の往来が活性化しても、周辺諸国のロシアへの不信感は続いていた。2014年のクリミア併合を受けて各国は軍備を強化。そしてウクライナ侵攻が始まると、旧ソ連諸国は「明日は我が身」と身構え、中立を保ってきたフィンランドとスウェーデンは一転してNATOへの加盟を希望した。沿岸諸国の危ういバランスを解説。」
 48年前に労組役員のひとりとして今はロシアとなったソ連邦を訪問する機会を得た。訪問先のひとつがバルト海沿岸のラトビア共和国の首都リガだった。
 この番組はそんなバルト海の沿岸諸国のロシアのウクライナ侵攻に揺れ動く今を克明に伝えていた。番組ではバルト海とその沿岸諸国の地勢学的な意味をマップをつけて紹介している。あらためてマップに示されたラトビア共和国の危うさを理解した。
 番組ではバルト海周域の10カ国とヨーロッパ委員会で構成される「バルト海沿岸諸国評議会」についても紹介されている。初めて知った国際組織である。従来ロシアも加盟していたが、ウクライナ侵攻直後の5月に脱退した。現在の加盟国はデンマーク、エストニア、フィンランド、ドイツ、アイスランド、ラトビア、リトアニア、ノルウェー、ポーランド、ロシア、スウェーデンである。
 地図で見ると、バルト海沿岸をほぼ網羅しているが、唯一リトアニアとポーランドに挟まれたロシアの飛び地・カリーニングラードだけが非加盟である。ロシア海軍のバルチック艦隊司令部が置かれ、ロシアでも有数の工業都市である。
 バルト海沿岸諸国の緊張感あふれる現在の新たな知識を教えられた番組だった。