追憶「ローマ人の物語紀行」①『ローマ人の物語』の追体験2024年02月05日

 19年前に家内と結婚前の娘の3人で7泊8日のイタリア家族旅行に出かけた。初めてのヨーロッパの旅は、塩野七生著作の愛読書「ローマ人の物語」の舞台を追体験する旅でもあった。帰国後、個人ホームページに膨大な旅日記を「ローマ人の物語紀行」というタイトルで投稿した。
 先日、NHK・BSテレビ「光と影、永遠の都ローマの物語」を観たことをきっかけにあらためてその旅日記を読み返した。旅日記の最後に「エピローグ」として旅の感想をまとめている。幾つかのポイントを独自の視点でまとめたものだ。自分自身の追憶としてこのブログでも紹介しておきたい。

『ローマ人の物語』の追体験
 「ローマ」という言葉を、単に一都市の名称と受け止めるのは余りにも重過ぎる。古代ローマ共和国やローマ帝国を築き上げた古代ローマ人たちを、ヨーロッパ世界の二流国に成り下がった現代のイタリア人たちと同一視するにはその落差は余りにも大きい。
 史上に燦然と輝く「ローマ世界」とも呼ぶべき壮大な一大文明圏がどのように形成され、長期に渡って維持され、そして消滅していったのか。塩野七生さんの描く『ローマ人の物語』の世界にはまり込んで久しい。今回の旅の私にとっての最大の興味は、『ローマ人の物語』の世界をいかに追体験できるかという点にあった。