通勤電車の懲りない面々 ― 2006年10月31日
ニ、三日前の早朝の通勤電車での出来事だった。最後尾の車両の最後尾のシートで惰眠を貪っていた。突然、せわしない足音が近づいてきた。思わず目を開けると中年の労務者風の男が通り過ぎ、車掌室の窓をノックした。
何事かとドアを開けた車掌の顔に罵声が飛んだ。「車内放送の音がうるさいやないかッ」。言うだけ言うと男は前方車両に向かって足早に去っていった。車掌の不満げな「すみません」という小声を後にして・・。
確かに車内放送のボリュームが大きすぎるのは事実だった。早朝の車内で睡眠不足の乗客たちの心地良い眠りを乱していたかもしれない。くだんの男の苛立ちも分らなくはない。
とはいえ、多少うるさくとも車掌のパターン化したアナウンスは慣れてしまえば、車内に溶け込んだ音声のひとつになっている。現に私はそれまで安眠の世界にいたのだから。むしろ日常生活の想定外の彼の突飛な振る舞いに対する驚きがその後の私の眠りを奪ってしまった。
今日も私は、先日と同じ電車の同じ場所で、多少うるさい車内放送にもめげずに惰眠を貪っていた。突然、聞き覚えのあるせわしない足音が近づいてきた。予想通りの展開だった。「毎朝毎朝、何度同じこと言わすんヤッ!マイクの音を下げんかい!」。言う方は同じでも聞く方は違う人間じゃないのかなと、どうでもいいことを思ったりしながら、私はまたしても以降の眠りを断念する他なかった。
顧客の声に適切に対応できないJRの稚拙さ、他の乗客への迷惑を顧みず稚拙な抗議を繰り返すクレーマー。通勤電車の懲りない面々である。
何事かとドアを開けた車掌の顔に罵声が飛んだ。「車内放送の音がうるさいやないかッ」。言うだけ言うと男は前方車両に向かって足早に去っていった。車掌の不満げな「すみません」という小声を後にして・・。
確かに車内放送のボリュームが大きすぎるのは事実だった。早朝の車内で睡眠不足の乗客たちの心地良い眠りを乱していたかもしれない。くだんの男の苛立ちも分らなくはない。
とはいえ、多少うるさくとも車掌のパターン化したアナウンスは慣れてしまえば、車内に溶け込んだ音声のひとつになっている。現に私はそれまで安眠の世界にいたのだから。むしろ日常生活の想定外の彼の突飛な振る舞いに対する驚きがその後の私の眠りを奪ってしまった。
今日も私は、先日と同じ電車の同じ場所で、多少うるさい車内放送にもめげずに惰眠を貪っていた。突然、聞き覚えのあるせわしない足音が近づいてきた。予想通りの展開だった。「毎朝毎朝、何度同じこと言わすんヤッ!マイクの音を下げんかい!」。言う方は同じでも聞く方は違う人間じゃないのかなと、どうでもいいことを思ったりしながら、私はまたしても以降の眠りを断念する他なかった。
顧客の声に適切に対応できないJRの稚拙さ、他の乗客への迷惑を顧みず稚拙な抗議を繰り返すクレーマー。通勤電車の懲りない面々である。
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