パート組合結成の30数年後の学術的評価 ― 2018年07月11日
1984年8月、大阪桜の宮公会堂で出身企業のパート協議会の結成大会が開催された。当時39歳で労組委員長としてその結成に深く関わった。テレビ、新聞等のメディアも「流通業のパート組合結成」として大きく取り上げられた。
以来34年を経て、俄かにパートタイマーの組織化問題が学術的に注目を集め、パート協議会がその先駆的な取組み事例として取り上げられている。
今年5月に労働調査協議会(労調協)発行の月刊誌・労働調査5月号に本田一成・國學院大學教授の「パートタイマーの組織化は本当に役に立っているのか?」という刺激的なタイトルの論文が掲載された。当時私が大阪労働協会発行の「月刊・労働」に掲載された私の著述「働くお母ちゃん運動」も好意的に引用されている。氏は私とも何度か懇談した知人でもある。
論文では、パート協議会の結成を好意的に取り上げてもらっているが、組織化一般の本質的な部分では疑義を提示する。論文を読み終えて私なりの感想は次のようなものだった。
確かに組織化は「労働条件向上にいささかの貢献はあるものの正社員組合との本質的な格差問題の解消には貢献していない」との指摘は首肯せざるをえない現実である。加えて、「労働者の多様化と非正規の原型としての主婦パートタイマー」「生活感覚のある政策立案を目指すべき」との指摘にも共感した。主婦パート側から見た労組とは何かが問われているとの見方にも同感だった。
論文に引用されていたパート組織化研究の嚆矢である筒井清子・山岡照子著「パートタイマー組織化問題の背景と課題・パート協議会発足の事例を中心として」(1985)の論文資料を本田氏から送付して頂いた。協議会設立の1年後の著述である。この論文でも協議会設立の社会的意義についての好意的な記述が目についた。
当時はメディアの取り上げ方は別にしても、学術的にそれほど注目されていたとは思ってもみなかった。30数年後にあらためてそのことを知って感無量の想いがある。
以来34年を経て、俄かにパートタイマーの組織化問題が学術的に注目を集め、パート協議会がその先駆的な取組み事例として取り上げられている。
今年5月に労働調査協議会(労調協)発行の月刊誌・労働調査5月号に本田一成・國學院大學教授の「パートタイマーの組織化は本当に役に立っているのか?」という刺激的なタイトルの論文が掲載された。当時私が大阪労働協会発行の「月刊・労働」に掲載された私の著述「働くお母ちゃん運動」も好意的に引用されている。氏は私とも何度か懇談した知人でもある。
論文では、パート協議会の結成を好意的に取り上げてもらっているが、組織化一般の本質的な部分では疑義を提示する。論文を読み終えて私なりの感想は次のようなものだった。
確かに組織化は「労働条件向上にいささかの貢献はあるものの正社員組合との本質的な格差問題の解消には貢献していない」との指摘は首肯せざるをえない現実である。加えて、「労働者の多様化と非正規の原型としての主婦パートタイマー」「生活感覚のある政策立案を目指すべき」との指摘にも共感した。主婦パート側から見た労組とは何かが問われているとの見方にも同感だった。
論文に引用されていたパート組織化研究の嚆矢である筒井清子・山岡照子著「パートタイマー組織化問題の背景と課題・パート協議会発足の事例を中心として」(1985)の論文資料を本田氏から送付して頂いた。協議会設立の1年後の著述である。この論文でも協議会設立の社会的意義についての好意的な記述が目についた。
当時はメディアの取り上げ方は別にしても、学術的にそれほど注目されていたとは思ってもみなかった。30数年後にあらためてそのことを知って感無量の想いがある。
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