早朝散策で歴史資料提供の申出を受けた2020年04月12日

 日曜朝の早朝散策だった。日曜は開店が30分繰り上がるマクドナルドで久々にモーニングするためいつもと違うコースを選んだ。山口町名来の旧街道を歩いていた。
 あるお宅の前で面識はないが顔を合わせば挨拶をする方といつものように挨拶をした時だ。挨拶に続いて声を掛けられた。「歴史の研究をされているようですね。よろしければ手持ちの本を差し上げたいのですが。ちょっと待っていてください」と、自宅に入りすぐに三冊の本を手に出てこられた。研究対象の山口の歴史に関わる本ではないようだが、個人的に興味のある情報も含まれているようなのでありがたく頂いた。 自宅に戻り、確認した。一冊は昭和9年発行の「旅順の戦績」という日露戦争での旅順の攻防を巡る写真集だった。一冊は昭和7年発行の「家系譜・付録」という和紙に糸綴じの古文書風の冊子で、記入式の家系譜作成の書式である。一冊は昭和51年発行のアサヒグラフで「天皇・昭和の50年」という増刊号である。88年に及ぶ昭和天皇の生涯の折々の写真を収録したグラビアである。
 頂いたのは私より幾分若いと思われる方である。その方が独自に購入されたのでなく色んなめぐりあわせで入手したとのこと。手許にあっても意味はないのでできれば活用してもらえる人に届けたいと思っていたとのこと。活用はおぼつかないが、人によっては興味深い冊子ばかりである。じっくり目を通してみようと思う。
 それにしても自叙伝を出版して直後の不思議な巡り合わせである。私の歴史研究の情報が山口の旧地区でご縁のない方にまで及んでいることを素直に嬉しく思った。自叙伝出版を終えた後の歴史研究への想いを再燃させた出来事だった。

文化祭講座”旧・国鉄有馬線”開講2019年11月01日

 住宅街の自治会主催の文化祭が始まった。初日10時の自治会長挨拶の後、私のふるさと講座で文化祭が幕を開けるのが4年前からの恒例となった。
 今回のテーマは”かつて山口を蒸気機関車が走っていた”をキャッチコピーにした「旧・国鉄有馬線」である。例年より少なめだったが40名の皆さんに受講して頂いた。性別では男性21名、女性19名といつもながら男性が多い。地域活動関係の講座は女性が多数だが、郷土史関係の講座はやはり男性の関心が深いようだ。
 同じ住宅街のご近所さんだった故・吉田和夫氏から有馬線の膨大で貴重な資料を託された。今回の講座でも吉田さんの遺志を住民の皆さんに伝えられたことを有難く思うと締めくくった。

知人の労作「有馬郡鉄道史」2019年10月22日

 神戸市北区在住の国鉄有馬線研究者のN氏と何度かお会いして懇談した。私がご近所の故人から託された有馬線関係の貴重な資料を情報提供したご縁である。
 そのN氏からメールを頂いた。「有馬郡鉄道史~阪急電鉄の運命を変えた三田の鉄道~」という著作を三田市のコンクールで発表されたとのこと。その著作をPDFで送信して頂いた。
 著作はA4で38頁にも及ぶもので、私のHPデータも含めて豊富な画像や資料が貼付された本格的な著述だった。阪鶴鉄道の成立ち、宝塚の成立ち、国鉄有馬線から神有鉄道開業までの動き、国鉄有馬線の復活計画等々、興味深い記述が展開されている。
 中でも関心を持ったのが、国鉄有馬線と神有鉄道(現・神戸電鉄)の競合する2路線がなぜ認可されたのかという点と、現・福知山線の付け替え計画が1967年(昭和42年)に西宮市から陳情されたという点だった。付け替え計画については掲載の路線図面では名塩、武田尾、道場の各駅は存在せず、生瀬駅から現在の西宮高原ゴルフ、金仙寺湖北側、北六甲台の各ポイントを経由して西宮北インター付近に山口駅が計画されている。山口駅からは旧・国鉄有馬線の線路跡に沿って三田迄結ぶ旧有馬線の一部復活計画である。但し、この計画は三田中心部を通過せず直接三田ニュータウンに乗り入れた案として発表されたことから猛反対に遭い頓挫し、現在の路線に落ち着いたようだ。
 興味深い話題を盛り込んだN氏の著作を楽しく読ませてもらった。

自治会文化祭講座「旧・国鉄有馬線」をエントリー2019年10月20日

 自治会文化祭が11月1日~4日にコミュニティセンターと自治会館の2会場で開催される。その関係者打合せ会が関係団体と出品者を集めて開催された。3年前からこの会議に出席している。地区社協代表ということもあるが文化祭講座の講師という関わりもある。
 2016年から山口公民館で9回に渡って開講した「山口風土記探訪講座」のリメイク版をこの地区文化祭で開講している。今年もいつも通り文化祭開催直後の11月1日10時から開講することになった。
 4回目の今年は「旧・国鉄有馬線」をテーマに、かつて山口の街を走っていた蒸気機関車の物語を貴重な写真と資料でビジュアルに紹介する。

展示展『拓けゆく北摂と神戸電鉄』2018年12月11日

 神戸市北区在住の国鉄有馬線研究者のN氏と何度かお会いして懇談した。昨年8月にはN氏が鉄道専門雑誌に国鉄有馬線の特集記事を執筆されるとのことで、私が所蔵している故・吉田和男氏の有馬線の研究成果である資料を一括してお貸しした。1月には、N氏が来訪されN 氏の執筆記事が掲載された雑誌「レイル No105」をお持ちいただいた。
 そんな親交のあったN氏からメールを頂いた。「三田市立図書館におきまして企画展示展『拓けゆく北摂と神戸電鉄』が開催されています」というご案内だった。
 早速、家内と一緒に三田市立図書館を訪ねた。図書館奥のそれほど広くない特別展示室にはテーマに沿った展示物が三方の壁と中央のガラスケースに展示されていた。係員のいない展示室だったが、写真撮影禁止の掲示もない。国鉄有馬線関係の珍しい写真や国鉄三田駅時代の三田駅の模型を写真に納めさせて頂いた。主催者案内の掲示には実行委員のひとりとしてN氏の名前があった。
 展示室を出て書架に行った。やはり三田市の郷土史関係のコーナーに足が向く。さすがに郷土史関連の書籍が豊富だった。三田風土記を執筆する機会があればぜひ再訪したい図書館だった。

文化祭講座「有馬郡物語」を開講2018年11月02日

 住宅街の自治会主催の文化祭で講座「有馬郡物語」を開講した。3年前の文化祭から始めて今年3回目を迎える。例年、文化祭初日の朝一番に開催し文化祭のスタートを切る講座として定着しつつある。
 開講前に自治会長の挨拶がある。今年の自治会長挨拶は出色だった。子育て中の現役保育士さんとあって平日の休みが取れない。そこでビデオレター形式の挨拶となった。自治会長のコメントと三役たちによるブンカサイの人形(ひとがた)文字の動画が流された。10人ほどの三役たちのチームワークと和気あいあい感が漂ういい企画だった。
 受講者は1年目が65人、2年目が45人だった。そこで今回は会場のコミュニティセンターに60席の椅子を用意してもらった。結果的のほぼ予定通りの53名の受講者があった。例年6:4の割合で男性が多かったが、今回はなぜか男女の割合が逆転した。
 10~11時の1時間の講座である。画像をたっぷり詰め込んだデータのプロジェクターによる講座である。パワーポイント32シート分を55分ほどでそつなく解説した。閉講後には知人たちから「中身の濃い講座だった」「郷土の歴史の深みをあらためて学べた」「素敵な話で明日からの散歩の風景が違って見えると思う」等の有難い言葉を貰った。
 個人的にも老後の貴重なライフワークの機会である。

今年も自治会文化祭講座「有馬郡物語」をエントリー2018年09月30日

 自治会文化祭が11月1日~4日にコミュニティセンターと自治会館の2会場で開催される。その第1回関係者打合せ会が関係団体と出品者を集めて開催された。2年前からこの会議に出席している。地区社協代表ということもあるが文化祭講座の講師という関わりもある。
 2010年から6年間に渡って山口公民館で15回に及ぶ「山口風土記探訪講座」を開講した。室内座学9回、屋外散策6回の講座に延400名の方の受講があった。
 2年前に講座を終了した後、初期の講座を受講し損ねたという方からもう一度開講してほしいという声が寄せられた。そこで2年前に当時の自治会長とも相談して自治会文化祭で「文化祭講座」として開講することになった。2年前の第1回は「北六甲台の今昔」をテーマに開発前の住宅街の史跡や隣接する旧・丹波街道の一部である平尻街道を紹介した。昨年は対象エリアを拡大し「ふるさと山口」をテーマに山口の歴史、自然、風物を紹介した。
 3回目の今年はさらに枠を広げて山口が古来より属していた有馬郡を紹介しようと思っている。有馬郡のプロフィール、歴史、有間皇子、旧街道、鉄道等の紹介する「有馬郡物語」である。
 第1回会議で調整の結果、11月1日の文化祭初日の10時からの開講が決まった。多くの皆さんの受講を期待したい。

地元小学校でプレゼン2018年05月24日

 地元小学校の30周年記念事業の一環で「ふるさと山口こんなまち」をテーマにプレゼンした。子どもたちに小学校のなりたちを含めた地域の話をしてほしいとの依頼だった。
 11時15分に会場である小学校のオープンスペースの教室に出向いた。準備されていたプロジェクターに持参のノートPCを接続しスタンバイした。チャイムが鳴って隣室から6年生の子どもたちが次々に会場に姿を現した。中のひとりの女の子から「お久しぶりです」と声をかけられた。お隣りの娘さんだった。
 休憩終了のチャイムが鳴って3クラス80人余りの児童が床に座って待機した。6年生担任の3人の先生に教頭先生も姿を見せている。11時45分から30分あまりに渡ってプロジェクターによる説明を行った。「山口はどんな町?」「自然と生き物」「伝統(行事&産業)」「蒸気機関車が走った町」「さくらまつり」「伝えたいこと」といった内容である。
 一方的な話にならないよう、時に「この写真の場所が分かる人?」「高齢者というのは何歳から?」「郷土資料館に行ったことがある人?」などの質問をした。そのつど挙手をしたり答えを言ったりしてくれる。
 プレゼンを終えて教頭先生と一緒に校長室に向かった。校長先生は「聴きにいくつもりだったが直前に入った急な電話の対応に追われていけなかった」とのこと。「子どもたちにふるさとを学んでもらえるいい機会を与えてもらった。機会があればまたお願いしたい」と挨拶して辞した。

故・吉田和男氏の遺志を継承した雑誌の発刊2018年01月31日

 神戸市北区在住の国鉄有馬線研究者のN氏と何度かお会いして懇談した。昨年8月にはS氏が鉄道専門雑誌に国鉄有馬線の特集記事を執筆されるとのことで、私が所蔵している故・吉田和男氏の有馬線の研究成果である資料を一括してお貸しした。先日、N氏が来訪されN 氏の執筆記事が掲載された雑誌「レイル No105」をお持ちいただいた。
 初めて手にした「レイル No105」は予想以上に立派な雑誌だった。A4版98頁でふんだんに列車写真を掲載した定価3600円の高価な書籍である。N氏の執筆記事「国鉄有馬線 時代に翻弄された薄命の鉄路」は22頁に渡り、写真55点、図表9点が納められている。
 記事内容は大きく”国鉄有馬線の全貌の解説部分”と”線路跡の現状を辿った部分”に分かれている。更に全貌の解説では「有馬線の概要」「有馬線の経路」「有馬線の各駅」「有馬線で使用された機関車」「列車の運行形態」「有馬線の鉄橋」「その後の有馬線」といった項目で構成され、先人の研究者たちの記述も織り交ぜながら有馬線研究の集大成ともいうべき内容に仕上がっている。記事前後の「初めに」と「終りに」には執筆に当たって資料や情報提供の協力を得られた関係者への謝辞が記され、私と故・吉田和男氏の氏名も記載されている。
 また”線路跡の現状”ではN氏自身が三田駅から有馬駅跡までの廃線跡に沿って丹念に辿り、撮影された写真中心にビジュアルに紹介されている。
 国鉄有馬線に関心のある方にとっては必見の記事である。個人的にもかつて山口公民館講座で「国鉄有馬線」を開講した。今後住宅街の文化祭等でも開講の機会にはぜひこの雑誌と記事を紹介したい。

自治会文化祭講座「ふるさと山口」2017年11月04日

 住宅街の自治会主催文化祭が始まった。二日目の10時からは私の文化祭講座「ふるさと山口」だった。昨年に続いての二度目のふるさと講座である。
 会場のコミュニティセンターに45名の受講者が席を占めた。昨年の65名の受講者からみれば少し寂しかったがまずまずの受講者数である。今年も昨年どうよう男性が56%を占め郷土史への男性の関心の深さが窺えた。
 今回は「ふるさと山口」をテーマに、プロジェクターを活用して山口町の豊かな自然、歴史と風土の全貌を豊富な画像でビジュアルに伝えるという内容だ。「山口町の概要」「自然と生き物」「歴史と伝統」について32枚のシートを約1時間でプレゼンした。
 私の講座ではいつも最後に「伝えたいこと」を述べる。今回も「ふるさとを知らない子どもたち」に「ふるさと」を伝え学んでもらえる機会の大切さと、「ふるさと山口を共通項とした新旧住民の垣根を越えた交流」を訴えた。そうした営みをとおして山口の「豊かな自然、歴史、伝統の継承」が欠かせないと思っている。